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炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
著者 スーザン・オーリアン , 羽田 詩津子
1986年にロサンゼルス中央図書館で火災が発生。200万冊の蔵書のうち40万冊が焼け、70万冊が損傷した。この火災の経緯を軸に、放火犯として逮捕された男の半生、図書館の歴...
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
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炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
商品説明
1986年にロサンゼルス中央図書館で火災が発生。200万冊の蔵書のうち40万冊が焼け、70万冊が損傷した。この火災の経緯を軸に、放火犯として逮捕された男の半生、図書館の歴史、公共空間としての図書館の存在意義を語る、本と図書館好き必読のドキュメント。《ニューヨーク・タイムズ》年間ベスト・ブック選出の全米ベストセラー。
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紙の本
図書館が好きな人、本が好きな人、必読です
2020/01/31 07:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、1986年4月29日に発生したロサンゼルス中央図書館の大火災を描いた、なんともスリリングなノンフィクションだ。
図書館にあるのは当然本であるから、そこでの火災が大規模になればどれだけの被害になるか想像もつかない。
この火災の場合、燃えた本は40万冊、消火の際の放水などで70万冊が損傷したという。
さらにこの火災が起こったのは白昼で、火災原因がなかなか特定されない中、一人の俳優志望の青年が逮捕される。逮捕容疑は放火。決めてはこの青年が事件後関与は疑わせる発言を繰り返していたこと。
この作品ではもちろんこの青年の関与について、彼の家族等のインタビューや彼の弁護士の発言等で追いかけていく。実際青年は起訴されずに釈放されているが、真実が不明のまま、青年は1993年エイズの合併症で亡くなっている。
しかし、著者は犯人捜しをしようとしたわけではない。
著者がここで描こうとしたのは、ロサンゼルス図書館という施設の伝記であるといっていい。その時間の中で、大火災があったという事実があるだけだ。
それだけであれば、この本は薄っぺらな事件ものに過ぎなかっただろう。
ここにはロサンゼルス図書館誕生から、代々の責任者がどのような問題に直面し、そしてどう対処したかも描かれている。
あるいは、図書館で働く人たちの姿を描くことで、図書館の機能そのものもわかるようになっている。
さらにはこの建物が作られた当時のエピソード、火災のあとの再建への足取りなど、図書館の魅力が満載なのである。
こんなに刺激的な作品は、めったにあるものではない。