電子書籍
影のある男が主人公で良かった
2022/11/03 19:09
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投稿者:A - この投稿者のレビュー一覧を見る
二人以上人を殺した者は天使によって即刻地獄に引きずりこまれる。
突飛なファンタジー設定というレビューもありますが、個人的には純粋なミステリーは集中力が必要となり読むには重いことがあるのでこの設定によって少しライトになった気がして助かりました。
主人公には辛い過去があり、その原因のひとつである故人が度々回想の形で登場します。
光系男性が主人公の傷になって影を作っているという構図がとても良かったのでミステリー部分も楽しんだのですがこの設定が持ち出される度に良さを噛み締めました。
紙の本
特殊設定
2024/04/20 18:15
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投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
二人以上殺した者は地獄に落ちるという世界を舞台に起こる奇妙な連続殺人事件の謎を解き明かすミステリー。トリックより探偵の背景のストーリーが心に残った。
紙の本
天国がありますように。
2021/03/03 08:48
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投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
★設定が面白い
突然天使が降臨、二人以上殺したら地獄行き、その制約によってかえって多発する理不尽な事件。
ファンタジーな設定のはずなんだけど、どこかリアリティもあって興味深かったです。
★伏線回収
大小様々な伏線が綺麗に回収されてドキドキしました。
結局大いなるものの真意なんて人間如きにはわからなくて、それぞれの物差しで解釈するしかない…神や天使が聖なるものだと思うのも我々の特殊な物差しでしかないのだろうなぁ。
…なんだかそんな風に、いろんなことについて考えさせられるミステリーでした。
紙の本
ミステリーとして面白いのだが
2020/12/16 12:27
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーとして面白いのだが、人を二人以上殺したものを地獄へ引き釣り込む天使の存在そのものが、理解を超えるため、読み終えるために苦労した。
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二人以上殺したら天使に地獄に引きずり込まれるという世界。二人以上殺されることはないだろうと思われた孤島の館で次々人が殺されていく。犯人は地獄に墜ちずにどうやって殺人をおかしているのかという特殊設定ミステリ。
特殊設定ありきなので、孤島物としての印象は薄い。孤島物を期待して読むと肩すかしか。
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二人以上殺した者は"天使"によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。天使はいても「天国」はあるのか?大富豪・常木に誘われ天使が集まる常世島を訪れた探偵青岸はそこで起きるはずのない連続殺人に遭遇する。特殊設定自体が面白く、うまく活かされていて読みやすい作品だった。しかしながら、天使の容貌とか人間の天使に対する仕打ち等はあまり好ましいものではないし、天使降臨後の人間の暴走は目に余り悲しい。彼らの行く末も気になる。天使降臨前の青島の過去の探偵事務所の話が、キャラも生きていて楽しそうで読んでみたい。
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2人以上の殺人を禁じられると人はどんな行動に走るのか。ありえない設定だけど、描かれる人間の姿に妙にリアリティがあってゾッとした。ミステリーとしても面白いが、この世の無情さとか天や神に対する人間の無力さも描かれていて、とても考えさせられた本でした。
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孤島✖️館というクローズドサークルもののミステリー小説。他の作品と異なることは、「天使」が存在すること。
二人以上殺した場合、「天使」が舞い降りて、地獄という名の火炙りにさせられるという。
そういった制限のある世界で、館の中で連続殺人事件が発生。どのようにして、犯行が行われたのか?
クローズドサークルもので、さらに「天使」という存在が加わるということで、よくこういった発想ができるなと圧巻してしまいました。
「天使」を上手く利用する人たち、「天使」によって悲劇になった人達など様々な事情を抱えた人たちが交差する中で、起こる殺人事件。一件で終わるかと思いきや、次々と殺人事件が。なぜ「天使」は襲わないのか?とか、どんなトリックを使ったんだろうと読み進めるたびに展開が面白かったです。「天使」の特性を上手く利用し、犯行が行われる描写は、残酷ながらも発想力が素晴らしいなと思いました。
主人公の過去を交えながら、後半になると、罪と罰について考えさせられる部分もあり、特殊な世界観だけれども本格的なミステリーとして楽しめました。
ただ、初版本だけだと思いますが、これは気付くでしょう・・・と思うくらい、不備が目立っていました。
被害者の名前が加害者の名前だったり(これはHPに不備が記載されていました)、殺人事件の名前が違っていたりと他にもあるかもしれませんが、印象深かったです。
多分、重版の際には、色々直しがされていると思うので、気になる方は初版本をご覧になってください。
それを抜きにしても、発想が面白く、その世界観でのやり取り・トリックなどが上手く渡り合っていました。
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装画とタイトルと帯 全てに惹かれて購入を即決しました。
孤島×館という舞台は定番ではありますが、ある意味で使い古されたこの設定と、「天使」というこういった小説には似つかわしくないいかにもメルヘンなキーワードが、非常に上手く作用し合っていてとても新鮮で面白かったです。
どんな不条理なことが起こる世界でも、人間はそれを受け入れて生きていくしかない。
探偵だっていつでも正義のヒーローでいられる訳ではなく、それが揺らぐ時もある。
それでも全てを背負ってこれからも探偵を続けていくであろう主人公が、とてもかっこいいと思いました。
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ミステリー苦手な私でもサクサク読めた。最後まで犯人は分からなかった。殺人が始まってからずっと犯人を予想しながら読んでいたけど全く大外れだった笑今まで読んだ中で一番面白いミステリー
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孤島、館、というとことん王道なミステリですが。舞台となるのは「降臨」により、天使が跋扈することになった世界。いかなる理由があろうとも二人以上の人間を殺せば即地獄行き、という世界では、大量殺人はともかく連続殺人なんて起こるはずがないと思えるのですが。それでもやっぱり起こってしまうのですね連続殺人。何が一体どうなっているのか。しかし、この世界観の中でこそのトリックとロジックのある本格ミステリです。
こんな世界なら平和なんじゃないか、などと深く考えもせずに思ったのですが。とんでもないなあ。「二人殺せば地獄行き」ということはつまり、一人を殺害する分の権利は保証されているだなんて……そんなこと思いもしなかった! そしてこの法則を悪用するかのように起こる悪辣な事件の数々。こんな事態を引き起こし、しかもあのような外見のものを「天使」と呼ぶ皮肉さもあって、全然平和じゃないですこの世界。そしてその世界の中で求められる「探偵」の意義。複雑な思いはあるものの、こういうときには探偵の存在が必要ですよ絶対に。
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突然、天使が舞い降りて2人殺せば地獄に落ちるというシステムに縛られた世界。
その中で探偵をしている主人公が、殺人を解決する話。
連続殺人が起きない世界で起きた殺人という設定が面白かった。天使の謎は全く触れずにミステリーにガッツリ振ったところが潔くもあった。
トリックも分かりやすく読みやすかったので満足。
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「全能全知の神がおわすのに、なぜ悪が存在しうるのか」という弁神論的問に、ミステリの形で答えようとする力作。当然、答えなんか出るわきゃないが、その苦闘は美しい。タイトルがテッド・チャンのもじりなのは、言われるまで気づかなかった。
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特殊な状況下、ルールの中でのミステリは、通常のミステリのネタが出尽くした感のある現代においてはますますアリなのかもしれない。そう考えると西澤保彦さんの作品は、時代を先取りしていた(『七回死んだ男』とか)。山口雅也さんの『生ける屍の死』とか今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』とかも。探偵チームが2つあるのは(時間差もあり)味わい深い。島に来る前の探偵所の話も読んでみたい。ただ一点、インスピレーション元に合わせたとはいえ、タイトルがちょっと覚えにくい。
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二人以上殺すと天使により地獄に落とされるというとんでもない世界。ダークファンタジーかと思いきや、孤島で連続殺人事件が起こるというクローズドサークルもののミステリー。謎解きはおもしろかったし、本当の正義ってなんだろう?と考えさせられるところもあったり。
青岸探偵にはこれからも、天使が裁くことの出来ない悪を追いかけてほしいと思う。