紙の本
ドローン開発の経緯が詳細に記された大作
2016/01/22 20:46
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
米軍がアフガニスタンやイラクで運用している無人機「プレデター」がどのような経緯で開発されていったのかを辿るノンフィクションです。1980年代、敵情偵察は人工衛星と有人偵察機が主な手段でした。人工衛星は情報を得たい場所を連続して監視する事ができず、有人偵察機は常に撃墜されるリスクがありました。それを補う手段として無人偵察機が開発され、1990年代のボスニア紛争で大きな効果を挙げます。2000年代に入り、9.11テロを受けてアフガニスタンでの対テロ作戦でビンラディンを発見しながらも、攻撃する事ができなかった教訓から、無人機の武装化が進みます。テクノロジーの発達と国際情勢からの要請がタイミングよく合わさって開発が進んでいく経緯が詳しく記述されています。しかし、本書で最も重要な部分は巻末にある著者の次の一文ではないかと思います。以下抜粋<無人機革命に関して確実にいえることは二つだけである。一つ目は無人機というこの新技術は定着するだろうということである。二つ目は、無人機が引き起こす影響にどう対処するか、その方法を社会は見つけ出さなければならないということである。>昨今、安価なドローンの運用についていろいろな問題が出てきています。しかし、災害時の状況把握や、活火山の観測、原発事故のモニタリングなど有人航空機ではなし得ない任務に活用されつつあります。GPSにしろ、インターネットにしろ発端は軍事技術でした。無人機の技術が「暗殺の道具」に終わるのではなく、重要な社会インフラとなることを願うばかりです。ハードカバーで400ページを越す大作ですが、内容、読みやすさ共に秀逸でした。
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【卑劣な殺人マシンか、素晴らしき兵器か?】無人偵察機からテロリストを殺害するまで進化した無人攻撃機。誰が何のためにここまで開発したのかを追及したノンフィクション大作。
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アメリカのテロとの戦いには無人機が多用されているのは皆様ご存知の通り。
本書はその無人機の開発史をテーマにしており、第四次中東戦争で苦戦したイスラエル空軍のニーズを満たす為、イスラエル人天才技術者エイブラハム・カレルが開発を始めたレーダー欺瞞用の囮が、やがて無人機プレデターの誕生とその実戦投入へ結び付いていった過程が解説されています。
色々と興味深い内容が多かったのですが、最も印象的だったのが、
・静止画像を高く評価していた軍偵察部門から受けた過小評価や空軍パイロットからの軽視、新技術の実用化に伴う法的課題の浮上等の文化的・法的な抵抗
・地球の裏側から人工衛星経由でコントロール可能になるまでに克服されてきた様々な技術的な課題
・イスラエル時代、天才技術者カレルは「顧客は自分が本当は何を欲しがっているか分かっていないのだから、常に技術革新に励むべきだ」と部下を励ましていた
・アメリカ空軍でプレデターの開発を担当した秘密航空部隊、第645航空システム群(通称、ビッグサファリ)の標語は「不可能だと言う者は、実行する者の邪魔をしてはならない」
になります。
これらは、
・何か新しい事を始めようとすれば、それが今までを激変させるものであればある程、それの良し悪しに関係なくより強い抵抗を受ける。
この事に場所は選ばない。
・簡単に見える変化の影にも、大きな苦労と努力がある
・カレルの発言はスティーブ・ジョブスのそれに似ている。
努力を惜しまず、結果を出す人達は、皆似たような考え方をする。
と言う事を示唆しており、その為、本書は単に無人機の発展史の解説にとどまらず、あらゆる「変化」に共通する事柄を読者に教えてくれる内容となっています。
この様に色々な読み方が出来る本となっていますので、ご興味を抱かれた方は一読されてみてはいかがでしょうか。
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20世紀末に考案され、実質21世紀の幕開けとともに実用化され、今日に至る黎明期を明かす。撮影や通信技術が進化し、GPSが高度化することで偵察機から爆撃機へ、すなわち殺人兵器へとドローンの正体は移っていく。思うに、ハイテク機器を搭載したローテク機材なのだ。しかしまあ、我が身の危険を回避しつつ他国の領域を侵犯し、テロリストを標的暗殺するって、それ自体がさらなる陰湿なテロルではなかろうか。今は一方的に仕掛けている米国だが、いずれ相手もその技術で応戦するに違いない。天は常に我を見張り、狙っているとはおぞましい。
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戦争は発明の母である、イスラエルで生まれ、ボスニア紛争で姿を現し、アフガンで敵を殲滅。地球の裏側のCIA本部で操縦、アメリカンが密かに海外の領土で敵を暗殺しつづける(無人暗殺機)プレデターの知られざる開発史。
日本よ、中国空母も無力化するドローン革命に着目せよ 佐藤優
人間の生き方死に方を変える兵器、無人機革命、民間無人機がいつかやってくるだろうか、
無人機と言うこの新技術は定着するだろう。無人機がひき起こす影響にどう対処するか、
首相官邸屋上のドローンがニュースになっているが、ドローンは無人殺人機であることが報道されていない
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米軍がアフガニスタンやイラクで運用している無人機「プレデター」がどのような経緯で開発されていったのかを辿るノンフィクションです。1980年代、敵情偵察は人工衛星と有人偵察機が主な手段でした。人工衛星は情報を得たい場所を連続して監視する事ができず、有人偵察機は常に撃墜されるリスクがありました。それを補う手段として無人偵察機が開発され、1990年代のボスニア紛争で大きな効果を挙げます。2000年代に入り、9.11テロを受けてアフガニスタンでの対テロ作戦でビンラディンを発見しながらも、攻撃する事ができなかった教訓から、無人機の武装化が進みます。テクノロジーの発達と国際情勢からの要請がタイミングよく合わさって開発が進んでいく経緯が詳しく記述されています。しかし、本書で最も重要な部分は巻末にある著者の次の一文ではないかと思います。以下抜粋<無人機革命に関して確実にいえることは二つだけである。一つ目は無人機というこの新技術は定着するだろうということである。二つ目は、無人機が引き起こす影響にどう対処するか、その方法を社会は見つけ出さなければならないということである。>昨今、安価なドローンの運用についていろいろな問題が出てきています。しかし、災害時の状況把握や、活火山の観測、原発事故のモニタリングなど有人航空機ではなし得ない任務に活用されつつあります。GPSにしろ、インターネットにしろ発端は軍事技術でした。無人機の技術が「暗殺の道具」に終わるのではなく、重要な社会インフラとなることを願うばかりです。ハードカバーで400ページを越す大作ですが、内容、読みやすさ共に秀逸でした。
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本書が扱っているドローンとは、昨今我が国のマスコミをにぎわしているクワッドコプター等のドローンのことではなく、広くUAVといわれているもののこと。
その着想から開発、実用化、そして、偵察用から攻撃用にと拡げられてきた開発史。
開発者の自由な発想を、形にしていく苦労。そして、航空宇宙産業、さらに軍産複合体のなかで開発費用を獲得し、開発実用化に進めていく経緯。さらに、その中で開発、運用にかかわる軍人、民間技術者の姿。
冷戦構造が崩れ、地域の民族紛争、そしてテロリストとの戦いと戦争の形が変化していくなかで、ドローンがどのように生まれ、そして武装されていくか、まさに現在を描いた記録である。本書は、ドローン創世記のいま、書かれるべきものなのだと思う。
ただし、本書の視点は、当然ながら開発者側の視点でのみ書かれているので、ドローンを使用することのメリットのみが抽出されて書かれていることにも留意すべきだと思う。
ただ、本書の日本語タイトル「無人暗殺機 ドローンの誕生」というのも編集者の偏向した暴走だと思う。原初のタイトルは ”PREDATOR THE SECRET ORIGINS OF THE DRONE REVOLUTION"このタイトルのほうがよっぽどフェアに本書を著していると思う。
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現時点でドローンの定義は明確ではないが、本書ではプレデターとして知られる軍事作戦に用いる無人偵察機、無人攻撃機の発案から開発、採用、実用に至るまでを記したノンフィクションである。よく、ここまで実名を出したと思えるほど、多くの個人名が出てくる。
有人パイロットの集団である空軍には嫌われ、予算や軍官僚組織に阻まれ、開発には苦労してきたことが良く分かる。
まずは長時間飛行、偵察、遠距離リアルタイム操作、照準、ミサイル搭載と技術的に1歩1歩進んできたが、飛翔体としての進歩よりも、それを使いこなすための技術の進歩の方が大きいのが特徴である。そのなかでもソフトウェアの役割がかなり大きそうだ。
本書は、技術的な面にもふれているが、これを取り巻く人間模様を主体に描いているのだ。9・11のときは武装化検討が進んでいるときだったので、すぐにトップ判断で実戦投入されたことがはっきり示されている。
筆者や解説にも指摘があるとおり、無人機はもう定着した技術であり、今後は人々の生活も変えていくだろう。定着したとはいえ、まだまだ発展や改良の余地は大きい。いまやホットな分野であり、その動向には目を離せない。
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数年前に貧者の兵器とロボット兵器というドキュメンタリーがすごく印象に残り、ロボット兵器に関心を持っていたので読んだ。無人機の技術の進歩や実験中の失敗以上に米軍やイスラエル軍内部の問題に翻弄され、煮え湯を飲まされる技術者たちが描かれているのがとても印象に残った。やっぱり、官僚政治の問題ははどんな国でもあり得るのだと思った。ユーゴスラビアやアフガニスタンの戦争で実績を得た無人機がこれからの戦争に利用される事は明白だが、米国以外の国も利用することになるのは当然なのでどこの国がこの兵器使ったの?って問題にならないかが不安になる。
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ドローンの誕生から現在までの歴史が書かれたもので、アメリカ国内でどのように重宝されるように至ったかということも記されている。いまや無人暗殺機としてアフガニスタンやイエメンなどで飛行するようになった武器についての基礎知識みたいなものを、その歴史を楽しみながら知ることができた。
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アメリカにおいて軍事用無人機がその性能を認められ広まり始めるまでを描いた良書。
佐藤優が巻末に無人機の本としては最良と書いているので本当にそうなんだろう。
なお本書の無人機は遠隔操縦であり自立判断のAI系とは異なるので、そちらに興味がある方にはお薦めしない。
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[無人革命]ヨム・キプール戦争、ユーゴスラビア内戦、そしてアフガニスタンとイラクにおける対テロ戦争を経て、今や軍事の構図を変えた感のあるドローンの歴史と、それに携わった人々の歩みを記した作品。傍流中の傍流だった技術や考え方がいかに革命をもたらしたかが詳述されています。著者は、国立航空宇宙博物館の研究員や「ダラスモーニングニュース」の記者を長年にわたり務めたリチャード・ウィッテル。訳者は、英語と独語の翻訳を多く手がける赤根洋子。原題は、『Predator: The Secret Origins of the Drone Revolution』。
無人機が本格的に実践投入されてからまだ日が浅いこと、そしてその技術が日増しに一足飛びの進歩を遂げていることを踏まえれば、本書で明かされるドローンの歩みに驚嘆されずにはいられないはず。その歩みの一つひとつを、それこそオペレーションレベルまで紐解いて記録した著者の苦労はいかほどだったかと思います。できるだけ中立的にドローンの進歩をわかりやすくまとめた一冊としてオススメできる作品です。
ドローンがもたらした政治的、軍事的、倫理的変化についてはもちろんのこと、技術的な発展についても極めて詳しく解説がなされているため、その側面からドローンについて考察を深めたい人も、本書の内容には大いに満足を覚えるはず。それにしても以下の著者の一文は、不穏な響きも含めて何か極めて予言的なものを含んでいる気がします。
〜無人機技術はすでに人間の死に方を変えた。それはいつか、人間の生き方を変えるかもしれない。〜
解説は作家として活躍されている佐藤優氏です☆5つ
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祖国のために無人機の開発を始めたが国有企業イスラエル航空産業と利害が一致せず新たな拠点をアメリカに求めた天才エンジニアのエイブ・カレム。エール大学出身で自ら飛行機を操縦する冒険野郎にして逆張りで財をなした投資家のニール兄弟。ドローンの開発は米軍が主導したというよりも彼らイノベーターが推し進めたものだった。インターネットやGPSを開発したことでも知られる国防高等研究計画局DARPAが資金提供したとは言え、空軍はパイロットのいない航空機を重視せず、海軍と陸軍がバラバラに開発をしていた。
1989年冷戦の終結とともにブッシュ大統領は5年以内に640億ドルの軍事費削減を承認した。オスプレイなどの計画も廃止され無人機の市場はなきに等しく、それでもカレムの会社を買収したニール兄弟は「麦わら帽子は必ず冬に買え」と言う自分の投資の黄金律を信じていた。
転機が訪れたのはボスニア戦争で、今では当たり前になった映像のストリーミング技術は当時はまだ手品のような技術だった。1995年当時でも画像解析者は白黒写真を好み、ライブ映像ではなく静止画の解析を重視していた。このような風土のため偵察ビデオを潜在的利用者に送信するためのインフラはまだ存在しなかったのだ。プレデターのサラエボ上空の映像は500マイル離れたイタリアのNATO司令センターCAOCで見られるようにするため衛星を通じてヴァージニア州のハブに送られ、海底の光ケーブルを通じてナポリの南部司令部と司令センターに送られた。プレデター作戦センターの電話が鳴りっぱなしになり、司令官らは様々な目標の映像を要求した。
プレデターが偵察機から殺傷兵器へと変わる第一歩はレーザー照準器の搭載からだった。1998年アルカイダによるアフリカの大使館の爆弾テロをきっかけにCIA長官チャールズ・アレンはビンラディンを逮捕または殺害することを生涯の目標とした。クリントンは報復措置として巡航ミサイルを使用したが、標的とされたのはただの薬品工場だった。これ以後CIAはコラテラル・ダメージ=民間人の犠牲を出さないことに苦慮するようになる。2000年9月、アフガン上空のプレデターのカメラがビンラディンらしき人物を発見した。しかしクリントンにミサイル発射を説得するにはただ見つけただけではなく、ミサイルが届くまで標的がそこにいることを示さなければならない。これを解決するのがドローンが"撃つ"ことだ。技術的な課題は次々解決され、法的な課題も解決されていった。
最後まで残った課題は誰がプレデターの運用に責任を持ち、ミサイルを発射するかだ。レーガン大統領による「暗殺の禁止」命令は生きていたがビンラディンに対する攻撃は自衛行為として決議された。2001年9月4日ブッシュ政権初めてのアルカイダに対するNSC閣僚級委員会が開かれCIAも軍も引き金を引くことに対する責任を負おうとしないし、どちらも、プレデター武装化計画の資金を出そうとしないというのが議論の内容で当面プレデターによる暗殺は見合わせ、CIAは偵察活動にのみプレデターを運用することになった。
9月11日の朝11ヶ月前に自爆テロ攻撃で部下17名を殺された戦艦コールの元艦長リッポルドはアレンに誘われCIA本部を訪れた。アレンにCIAのアルカイダ��策を聞かされたリッポルドは「アメリカがあの男と戦争をしているのだということを、アメリカ人は理解しないでしょう。アメリカ国内で重大な事件が起き、何千人とは言わないまでも何百人もが死ななければならなくなるまでは」と語った。CIA秘録によるとCIAにはアルカイダによる飛行機テロの断片的な情報はかなり上がってきていたので、問題はプレデターではなく集められた情報を分析するCIAの能力だったようなのだが。
9月17日ブッシュは暗殺禁止令を緩和し、CIAに武装プレデターを使用する権限をCIAに与えた。しかし、中程度以上のコラテラル・ダメージのリスクのある目標を攻撃するには大統領の承認が必要で、CIAに変わりプレデターを操縦する空軍がビンラディンを発見した場合には大統領の承認は必要が無い。さらに米軍や同盟国軍が関わっている場合にはCIAは事前にトミー・フランクス陸軍大将と協議しなければならない。
オマルを標的にしたプレデターの最初のミサイル発射の様子は臨場感に溢れるが一方で指揮系統の混乱を示している。CAOCにいる連合軍航空司令官ウォルドは当初プレデターの映像を見ることすらできず、オマルを建物から追い出すために発射された最初のミサイルについて事前に知らされず激怒した。フランクスとCIAは標的の近くにあるのがモスクに近すぎるとミサイル発射を見合わせた。当初の混乱の中ウォルドには誰がミサイル発射を命令したかもわからなかった。プレデターの映像には熱心な視聴者が1人いた。ブッシュ大統領その人だ。
この本は基本的には武装ドローンを評価しており、コラテラル・ダメージについても評判の悪化を怖れるCIAがいかに気を使っているかのように書かれている。誤爆された側はたまったものじゃないのだが。
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民間での実用が先行して規制が後追いしているドローン。これだって
首相官邸屋上のヘリポートに誰も気づかないうちにドローンが停まって
いた事件がなければ、誰かが怪我をするまで考えなかったのだろうな。
アメリカでもホワイトハウスの敷地内に落下し、警戒態勢が敷かれた
のは記憶に新しい。
無人機ドローン。現在は民間での活用やそれに伴う規制がニュースに
なることが多いが、元を辿れば軍事技術の民間転用だ。
戦争はイノベーションの母である。こうして毎日のように利用している
インターネットも、害虫を退治する殺虫剤も、ドローン同様に軍事技術
の研究からの産物だものね。
搭乗するパイロットを必要としない航空機があれば兵士の犠牲を出さ
なくて済む。そんな無人機が作れないものだろうか。始まりはイスラエル
での開発だった。天才的なプランを持っていたイスラエル人の航空技術
者が新天地を求めてアメリカへ渡った。
当初は諜報機関も軍も「玩具じゃないか」とバカにしていた。特に偵察機
や爆撃機を操縦するパイロットたちは自分たちの腕を上回る無人機が
出来るはずがないと、鼻で笑った。
しかし、ボスニア紛争で無人偵察機が実用化されたから開発に拍車が
かかる。そして、アメリカの陸海空軍の間で始まる主導権争い。
偵察機としての役割を満足に果たすことの出来た無人機に、次に期待
されたのは攻撃機としての機能だった。そう、9.11アメリカ同時多発テロ
の後に一躍脚光を浴びた「プレデター」の誕生である。
本書はドローン開発の歴史を詳細に綴っているので、いかに戦争が
様々な技術開発の土壌になっているのかが分かる。
それにしても「プレデター」とはよく名付けたものだ。「捕食者」。それは
ターゲットを発見し、地球の裏側からの遠隔操作でターゲットの命を
奪うことが出来るのだもの。
ただ、これがアメリカ大統領令で禁止されている「暗殺にあたるのでは
ないかとも思うんだよね。CIAがキューバのフィデル・カストロ暗殺計画
を実行しようとしていたことが表沙汰になって、「暗殺はいけません」と
なったはずなのだけれど、テロを未然に防止する為ならば暗殺も単なる
「殺害」と言い換えられるのか?
アメリカの無人機が殺害したうちの9割が誤爆だったとの報道もあった。
開発者にとっては夢の平気だったのだろうが、誤爆された方は堪らない
よね。
アメリカはこの無人攻撃機の輸出に力を入れるらしい。買わされるの
かしらね、日本の自衛隊は。そんな懸念を持ちながら読み終わった。
この無人機の登場で戦争の在り様さえも変化したことまでフォローして
おり、情報量も豊富なのだが翻訳がとことどころ日本語の文章として
おかしいとことがあるのが残念だった。
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読んだ。良かった。最低の邦題でどん引きだった(スルーしてた)のだが、はらぺこ氏の書評を聞いて購入。
こんな邦題つけるセンスの無い出版社が悪いし、5頁の解説しか書いてない佐藤優の顔写真入りの帯とかあり得ないだろ。
UAVの急激な発達と米軍で使用されるようになった裏には映画に出てくるような強いキャラクターが何人もいたのね。
とても良い書籍だったのだが、「warship」を「戦艦」という定番の誤訳に加えて、
米軍の特殊部隊「ネイビーシールズ」を「シール部隊」という誤訳は新鮮だったw