紙の本
九州男児の対義語ってあったかな?
2022/12/22 11:47
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
老舗の陶芸店の跡取り息子康平が殺された。犯人は康平の妻想代子の昔の交際相手。犯行の動機も証拠も明々白々で逮捕後の裁判で犯人は懲役刑となる。しかし犯人は爆弾発言をする。
「想代子から頼まれて殺した」
老舗の店主で康平の父の貞彦は憤り、出任せだと主張する想代子を信じて、孫ともども引き取り同居し、店の経営に参加させる。しかし康平の母暁美は以前から想代子と打ち解け合う仲ではなかったこともあって、信じ切れず、疑心暗鬼となる。
想代子は九州佐賀の出身で、彼の女の身の処し方に控えめ、感情的にならない、男性の意志を読み取りながらの言動が話の中に表れる。どこか心の内が伝わらない、嘘なのかクールなだけなのか、確かに男性にとっては摩訶不思議な魅力であり、女性から見たら猫かぶりと取られるかも知れない。
ミステリらしいオチ。
紙の本
「ザ・イヤミス」
2023/01/18 08:08
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
雫井脩介さんの直木賞候補作(まもなく選考会!)は「ザ・イヤミス」とも言うべき物語。読んでいてもそれぞれの登場人物の身になりながら疑心暗鬼になってしまい、ラストも「あくまで想代子の視点?」という複雑な心境で読み終えました。映像化するなら主演は石原さとみさんかな?
電子書籍
貞彦と暁美
2023/03/22 23:36
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この父母の違い。想代子を、疑う母と、信じたい父…。老舗の陶芸店の跡取り息子康平が殺されて、殺人犯人は康平の妻想代子の昔の交際相手だったのですが、犯人は、想代子に頼まれたとの弁。読んでいて、想代子がどうも好きになれなかった。
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【美しい妻は、夫の殺害を依頼したのか。家族の間に疑心暗鬼が広がって】夫を殺した犯人は、かつての恋人だった。この男が裁判で「妻に殺害を依頼された」と証言。美しき未亡人は、悪女なのか、それとも。
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事件としてはあっさり解決していることなのに、想代子が一体どっちなの?という一点で飽きさせることなく物語を展開させていくところがすごいと思った。
美人だけど押しが強くなく、でも芯はしっかりしている。
こういう女性って男受けしそうだなと思うけど、もうちょっといい人との出会いがあったら、こんなことにならなかったのになぁ。
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※
息子が殺害されたことがきっかけになり、
嫁への疑心がどんどん膨らみ、家族が
疑心暗鬼の深い沼に嵌りこんでいく物語。
義父母から嫁の想代子と孫の那由太に
向けられる疑念は、周りの噂話が後押しして
瞬く間に家族の関係をギクシャクさせていく。
義父母視点からの部分が多くて、
ずっと疑惑の目を向けられている主人公の
感情がやっと最後に説明されて消化不良に
ならずにすみした。
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『白夜行』を彷彿させるサスペンスか!
と思って読み続けたがとんでもなくガックリくるラストだった。なんじゃこりゃあ。
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面白くて一気読み。義父母からの視点から読んでいたから、私もずっと想代子を疑い続けて不気味な気持ちで終わった。最後の想代子視点がなければ、結末も仕組まれて乗っ取られたと思ってしまうくらい上手くいきすぎている。誰のフィルターを通すかによって同じ物事も全く違う見方ができるのが面白いし、自分の生活でもよくある。本人はそんなつもりがなかったとしても、他人からは疑われたり、勝手に傷つかれたり。生きるって大変だなあと思う。だからこそ人は気持ちを伝えることや話し合いが必要。ただ、想代子の場合は何を言っても疑われ続けそうだし、義父母もクロになるまで疑い続けて平行線だったろうなと思った。
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直木賞候補作
鎌倉の老舗陶磁器店の跡継ぎ一人息子・康平に嫁いだ想代子は、自分の息子の世話で店には出ていなかった。しかし康平が想代子の元カレに刺殺されてしまう。そして裁判で最後に被告が事件への想代子の関与を仄めかしたことから、康平の母・暁美と叔母は疑心暗鬼を生ずる。想代子が店で積極的に働きだしたこと、康平と想代子の息子は付き合ってすぐに出来た子供であること、犯人と想代子が最近も会っていたこと、想代子が店で働きだしてから店に様々な事が起こることなど、様々な角度から次々と発生する出来事が暁美の疑念を増幅させていく。
こういった心配事がどんどん増えて行って、話全体に不穏な空気が流れていくのが読んでいて実に面白い。
結末は読者の想像の裏の斜め上を行くものであろうか、私にはこの著者にしては物足りないという気持ちはあるけど。
商売人に嫁いだお嫁さんはいろいろ大変なのだ。
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読んだことないのに
たぶん好みじゃない作家さん
ってずっと思ってた
たまたまプルーフもらったんで
仕方なく読んでみた
…結構、おもしろいやん…
どっちやろ?ほんとはどうなんやろ?
って割とワクワクしながら読み終えた
自分にしては
早く読めたほう
こんな不思議な女性には
残念ながら出会ったことない
いやむしろ有り難いことにか
キャラたってんなぁと思うけど
出会いたくないな怖いもん
ラストの嫁視点は
ちょっとぬるいぜ!
って思ったけど安心して寝られる
謎のままだったら怖くて眠れん
評価の基準がいまだ定まらないが
星は4つ
読み終わるのが早かったのは
総じて高評価にしてんなぁ…
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老舗陶器店夫婦の息子が殺された。
犯人は息子の嫁とかつて同棲していた男。
法廷で「あの女(嫁)にそそのかされて殺した」ような意味深な発言をする。
そこから始まる陶磁器店夫婦、親類らが嫁に注ぐ疑惑の目を中心に物語が展開されていきます。
『クロコダイル・ティアーズ』と言う怖いイメージがあるタイトルや嫁の謎の言動から「黒革の手帖」のような女性、計算高く獲物を狙っているような女性像がイメージでき結末に向け一気に読まされた感じです。
著者の作品は3作目。
真相にたどり着くまでの登場人物の心理描写に臨場感があるうえに、さらに起きる事件の連続にミステリアス感が深まり最後まで引き込まれる作品が多いです。
この結末、賛否ありそうですが、予想外であったからこそ人の見方の視点に立って考えると「思い込み」って怖いなぁと。
人は思い込みを持つとその人の言動を自分の思い込みの中に当てはめていきがちです。
やっぱりそうかと、、これってよくあるだけに良くも悪くも、側面だけ見ずに常にニュートラルにしておくことが大切だと感じた一冊でした。難しいですが、、
それだけに読んだ方それぞれの感じ方が楽しめる本です!
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Amazonの紹介より
この美しき妻は、夫の殺害を企んだのか。
息子を殺害した犯人は、嫁である想代子のかつての交際相手。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。犯人の一言で、のこされた家族の間に、疑念が広がってしまう。
「息子を殺したのは、あの子よ」
「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」
未亡人となった想代子を疑う母親と、信じたい父親。
家族にまつわる「疑心暗鬼の闇」を描く、静謐なサスペンスが誕生!
題名を日本語に訳すと「ワニの涙」。目の潤滑のために涙を流しているということで、悲しんでいるという訳ではありません。これが、偽善者が悲報に接して噓泣きをするような、偽りの不誠実な感情表現のことを指す言葉だそうです。(Wikiより)
果たして本当に悪女なのか?「火の粉」や「望み」などを彷彿させるような、人を疑うことへの警鐘や心を右往左往させるような揺れ動きを仕掛ける手法がうまいなと思ってしまいました。
小さな疑惑を持ったら最後、何でも裏があるのではと思ってしまう心理にとても共感しました。
現実でも、関係者ではないのに、ネットの信頼できない情報などちょっとでも疑惑が入ると、「シロ」から「グレー」な印象へと変化してしまうので、何とも耳が痛い気持ちになりました。
序盤では、様々な登場人物が登場し、こんガラってしまうのですが、相関図を作ることで、整理がつきました。
陶磁器を扱っている貞彦。その妻・暁美。
貞彦の父・嘉男。
貞彦の息子・康平。その妻・想代子。
貞彦の孫(康平の息子)那由太。
暁美の姉・東子。その夫・辰也。
基本的に暁美や貞彦の視点で、物語は進行していきます。
疑われている想代子の視点は、最後まで語らないので、ずーっと疑いの目で読んでいました。
最後に登場するのですが、なるほどこういう思いだったんだと妙なスッキリ感がありました。
それまでの心のモヤモヤ感が気持ち悪くて、ある意味不思議な感覚がありました。
犯人が判決までの間、なぜ想代子が加担したと言わなかったとかがあるため、想代子はほぼシロだと思っていたのですが、想代子の行動が怪しくもあったこともあり、暁美の気持ち同様に疑うばかりでした。
大きな盛り上がりはなく、沸々と静かな時間は流れているものの、内情では心のマグマが爆発しているかのような時間が流れていて、結果的には凄まじい家族ドラマだと思いました。
明確に真実が語られているというわけではないのですが、多分こうした事実だろうとは読み解けます。その状況での想代子の人生は凄いなと思ってしまいました。
もし実写化するのであれば、想代子は木村多江さんがピッタリだと勝手に思ってしまいました。
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疑心暗鬼の恐怖とはこういうことですよ、を上手にまとめた教科書的小説。想代子の作為か不作為かが、最後まで明らかにされないところも良いが、ラストの隈本との対峙だけ違和感が残った。
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真実はどこにあるのか分からない余韻を残す。雫井さんらしいなぁ。悪口を書いたノートやタイトルでもある「うそなき」など、なんとなく気になります。
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終始モヤモヤとした作品だった。
ラストに全てを解決するような、もしくはそれを示唆するような展開があるのかと思っていたのだが…。
読み手が男性か女性かなど、誰の心情に沿えるかで感想が変わってきそう。