紙の本
結果論としてはやらない方が良かった治療もあるかも?
2015/11/14 14:02
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投稿者:T.H. - この投稿者のレビュー一覧を見る
がんは大概定番治療法に従って治療が行われるが、ものによってはやらずもがなの治療もあるかも知れない。抗癌剤にしても、毒をもって毒を制するというのが現実なのでリスクは大きい。弱毒でしかも効く療法が望ましい。放置というのはどうだろう?
電子書籍
医者の言いなりにならないための本
2021/08/21 10:20
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読めば、日本の医療が世界の基準と異なっていることに驚くと思う。
なぜ、日本の医療が世界の基準と異なっているのか?
このことに、憤りを覚えることだろう。
そして、がんへの対応の一つに、治療の放棄を考慮する必要があろう。
この本を読んで、がんについて考えてみると良いだろう。
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近藤 誠 (著)
ほとんどの人は癌を見つけたらすぐに治療を始めるが、著者は慌てて治療を始める不利益を説く。放置しても癌が転移せず、大きくもならない人が多数いるからだ。放置している患者さんたちの証言は、従来の「たちまち増大し転移する」という癌のイメージを覆す。
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近藤誠氏の前著「患者よ、がんと闘うな」から24年経過し、積極的な治療をせずに観察治療を続けた患者さんの症例をまとめている。おそらく数多く脱落者がいたに違いないが、最後まで経過をみてきた症例を通して、やはり手術や抗がん剤による治療よりも積極的な治療をしない方が自然死として長く生きることができたと近藤氏は自説に確信を持たれたようだ。観察治療も、治療の選択肢の一つであってよいと思う。ただし、近藤氏も最後に述べているように患者自身が確固たる人生観、死生観持つことが必要なことだ。
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近藤氏の本は初めて読んだ。著者の主張はなんとなく聞いて知っていたつもりだったが、実際読んでみると衝撃。親、友人にも早期がんと診断され手術をした事例を見ているので、あれは「がんもどき」だったか?と考えてしまった。氏の著作を全部読んでみたいと思った。
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本当に癌は放置しておくと増えて人間を殺すのか?
早期発見の場合でも、生活の質を落としていなければ治療する必要はない。定期的に検診をし、癌の増大や苦痛な症状が出てきたら治療するという筆者の考え方が基本。
本書では肺がん、胃がん、前立腺がん、乳がんなどのいわゆる固形がんを扱う。血液系のがんは抗がん剤で治る可能性があるので対象外。
本文では、各がんのケーススタディを二つずつ紹介。
自分がガンになったらこれを含め、作者の本を読もう。
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前立腺がんの治療法の一つに除睾術が挙げられているのにビックリしました。もちろん「薬で男性ホルモンの分泌を抑え続ける」のと、「ホルモン分泌の源を切除する」のどちらを選ぶかは本人の考え次第ですが、ふたつの道が示されなければ選びようがありません。
知り合いが前立腺がんのホルモン療法をすすめられた時は「女性ホルモンを注射で補って男性ホルモンの働きを抑える」か「薬で男性ホルモンの分泌を抑える」かの二者択一でした。
生殖期を過ぎた女性が乳がん、子宮がん、卵巣がんを患ったら、切除が選択肢に上がらないことはないのに、男性は違うんですね・・・・。
この本を読むと「経過観察」も立派な療法だと思えて来ます。
ただ、『患者よ、がんと闘うな』も「闘うな」=「あきらめろ」と誤解されたし、今回も『がん放置療法のすすめ』は「すべてのがんを放置するすすめ」と受け取られかねない危うさがあります。印象的なタイトルは、タイトルだけで一人歩きするから、惹句にもなるし、胡散臭いと嫌われることにもなる諸刃の剣ですね。
著者はすべてのがんをいつまでも放置しろとは決して言っていないので、目次だけでもみんなに読んでほしいと思います。目次には「自覚症状が出るまで」放置してよしのがんが並んでいます。
ここに載っていないがんは、近藤誠医師も認める闘う価値のあるがんです。
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本当に、ガン治療で苦しんでいる患者さんを見るのが辛いです。治療しなければ、苦しまないのに 。
知人のお母さん、膵臓癌でしたが、オペせず ある意味オペできず自宅療養を選択して ほぼ最期まで 自宅で過ごされていました。
やはり 実感として 経過観察が、一番良い選択ではないかと思っていましたが、この本を読んで 確信しました。
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「がん」には進行性の恐れのない「がんもどき」があり、これは転移しない。一方、「転移するがん」は、がんが発生したときに既に決まっている。「がんもどき」が「転移するがん」に変わることはない。ところで、「がんもどき」の方が「転移するがん」よりも割合が高いのに、現在の病院では転移進行するがんとして治療を進める。そこには、「がんもどき」と「転移するがん」の識別が困難である医療の現状がある。「がんもどき」はもちろん手術や抗がん剤の治療はすべきではない。「転移するがん」は、、現在の医療では治ることはなく、治療は命を縮めるだけである。従って何れにしても、放置療法が望まれる。以上が、著者が放置療法を進める理由である。目からうろこの情報だった。
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流石の近藤さんです。ほっておいていいがんがあるという考えは間違ってなかったです。人はいづれ死ぬのは当たり前、それを今一度人類は共有する必要があるね、先ずはまわりから…
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"がん"と"がんもどき"の違いがよく理解できた.また、「がん細胞が転移して他臓器にとりついた時期は、通常数十年も二十年も前のことです」という記述は非常に納得できるものだ.そうだとすると、早期検診/早期発見の掛け声は何なのか、不明瞭で不必要なお金の存在があると感じた.
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癌の研究をずっとされてきた近藤医師が、最終的に辿りついた「癌治療法」は、特に何も治療行為をしない「がん放置療法」だったということを、実際の症例を踏まえて、この本で紹介しています。
彼の本を初めて読んだのは、かなり前のことなので、近藤氏もそろそろ高齢なのかと思ったら、本に書いてあった通り、来年(2014)にも定年を迎えられるとのことです。最近、近藤氏が何冊か本を出されたなと思っていましたが、現役の間に自分のしてきたことの「まとめ」をされているのですね。
この本の中で印象的だったのは、本当の癌は進行速度が本当に早く、見つかった時には既に他の臓器や体中に広まっていて手遅れということです。そういえば、私が子供の頃の癌のイメージはこのようなものでした。
最近の検査によって癌と診断されるものの多くは「癌もどき」であり、それは、この本で提唱されている「放置療法」で、つまり何もしなくても消えてなくなるということです。本などで時々紹介されている「癌が消えてなくなった」というのは、これを指すのだなと私は理解しました。
最初の部分に、すべての癌は、「本物の癌」か「癌もどき」のどちらかに属し、本物は初発がん発見のはるか以前に転移している、他方、がん発見当時に転移がない「もどき」は、放置しても初発巣から転移が生じないことが確認できた(p11)と書かれていて、この本の神髄だと思います。
以下は気になったポイントです。
・本書が対象とするのは、肺がん・胃がん・膳立腺がん・乳がんなどの、「固形がん」であり、急性白血病や悪性リンパ腫のような血液系がんは、抗がん剤で治る可能性があるので、対象外となる(p14)
・本物と「もどき」は顕微鏡で見ると、細胞の形が同じなので、病理検査で区別することができない(p26)
・転移がある本物のがんの場合、PSAは途中で落ち着くことなく、直線状に上昇する(p44)
・宿主を死なすことはない、ラテント癌をわざわざ見つけ出してきて治療へ駆り立てるのがPSA検診(p51)
・米国では2011.10.8に全ての年齢の男性に対して、PSA検査は勧められないと勧告案が出された、米国でも日本でも、PSA検診は医療機関の経営や医者の経済的利益にあまりに大きく組み込まれているので、自発的に止めるのは難しい(p52)
・子宮頚部の上皮肉がんは、そのように診断されても99%が「もどき」(p59)
・5ミリの腫瘍の癌が1センチになるのと、2センチが4センチになるのは時間は同じ、ただし後者は急に大きくなったと感じてしまう(p95)
・2009.11月にアメリカでは、マンモグラフィによる乳がん検診は40代の女性には勧勧告した(p102)
・私たちの体には60兆の細胞からつくられていて、1個の細胞には、2万個を超える遺伝子が存在している、癌細胞は、そのうちの複数のがん関連遺伝子が変異して発生する(p104)
・本物の癌と、がんもどきは、正常幹細胞から癌幹細胞が発生する時点で決定づけられている、がん発生後に、遺伝子変異が重な��て悪性度が高まるというのは誤り(p109)
・がん細胞の遺伝子は、正常細胞の遺伝子と共通しているので、「非自己」と認識されることが殆ど無い、がん幹細胞が、がん腫瘤に育ったということが、免疫がガンに負けた証拠になる(p136)
・食事療法で注意する点は、痩せすぎ、コレステロール値を下げることはいけない(p137)
・ガンは遺伝子の病気なので、ストレスで癌になるというのは、信憑性に疑いがある(p172)
2013年4月7日作成
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現代医学の無力さ、医療界のおかしさを感じた本。
各癌ごとに、標準医療での生存率と、実際に著者が診た放置療法のケースが対比されていて参考になる。
著者は研修医時代から教授になるまで強力な抗がん剤を用いた治療を行っていたが、患者の寿命がかえって縮まっていると、目の前の現実を直視して再構築したのが、がん放置療法。これを大学病院が認めたというのが凄い。この方法だと病院収入は1人700円になってしまうから、全国的に広めるのは難しい。この方法が試みられないのは、病気を放っておくというのが日本では倫理的に許されないこと、医者自身も癌は切って治すとしか思っていないこと(養成制度や研修の問題)、診療加点制ゆえに経営がなりたたなくなることなどがあるだろう。著書は淡々と事例ケースを読みあげているが、このような背景が読んでいるうちに頭をかすめてしまう。
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近藤先生、すごい。
このような内容の本を書いていると、周囲からの反発もかなりのものと思われる。でも、近藤先生のような考えをもつ医師を求めている人は多くいる。願わくば、現役を続けてほしいです。
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よく、医療や経済とか専門分野で一般人が常識と思っていることと対極のことを主張する諸所の本がある。
専門家同士が反対のことを主張し、最終的には素人である我々に決定させることがよくある。というか、世の中のほとんどがそういうことになっている。私から見たら”何のための専門家なんだ”と思う。
本書も”がん”は、早期発見、早期切除、だめなら薬物療法、放射線療法等。という我々(私だけかな?)の常識に対して、”がん”はみつかっていても、基本的には放っておけという内容。
著者の主張は、”がん”には本物ともどきがあり、もどきは放っておいてかまわない。本物も見つかるときには、すでに転移しているのだから切除しても意味がない。抗がん剤も毒でしかない(その理由は良くわからなかったけど。)という内容。だから、無理に切除とかの外科的治療をすると、生活の質(QOL)が低下するので、放っておくのがベスト。それで死ぬのであれば、何をやっても死ぬという内容。
本書だけ読むと、そうかな?とも思うが、実際に自分がもしがんを言われ、治療を勧められたら、どうするだろう。
それ以前に専門家同士で素人にもわかる指針を出してもらいたい。(ムリか?)