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紙の本
総会屋とバブル (文春新書)
著者 尾島 正洋 (著)
闇社会の住人でありながら、株主総会で経営陣を攻撃し、震え上がらせた総会屋たち。野村証券など一流企業が、なぜ彼らの呪縛から逃れられなかったのか。論談同友会など総会屋たちの証...
総会屋とバブル (文春新書)
総会屋とバブル
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商品説明
闇社会の住人でありながら、株主総会で経営陣を攻撃し、震え上がらせた総会屋たち。野村証券など一流企業が、なぜ彼らの呪縛から逃れられなかったのか。論談同友会など総会屋たちの証言からバブル経済の裏側を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
かつて「総会屋」と呼ばれる男たちがいた――。
彼らは闇社会の住人でありながら、上場企業の株主総会に株主として出席し、経営陣を震え上がらせた。壇上の経営陣にイチャモンまがいの質問を突きつけて締め上げる「野党総会屋」がいれば、怒号のようなヤジをとばして彼らの質問を妨げる「与党総会屋」もいた。企業側が、彼らに利益供与をすることと引き換えに、株主総会の円滑な進行を望むことは自然な流れでもあった。
21世紀となった現在では信じられないが、名だたる超一流企業が株式市場のハイエナたちに喰い付かれていた。キリンビール、伊勢丹、イトーヨーカドー、味の素……。
「企業をまわって集金すれば、月に3000万円。最盛期は年収が3億円をゆうに超えていた」と、日本最大の総会屋「論談同友会」の元幹部は言う。
バブル経済に踊っていた金融業界にいたっては、総会屋に喰らい尽くされていたと言ってよい。ガリバーの野村證券は総会屋を優遇し、損失補填を行っていた。第一勧業銀行は歴代トップが大物総会屋との関係を続け、違法に融資された額は300億円にものぼるという常軌を逸した沙汰だった。
なぜ一流企業の経営陣は、闇社会の“呪縛”に絡み取られてしまったのか? 論談同友会の元幹部らの証言をもとにバブルの裏面史を描き出す。
【目次】
第1章 総会屋の源流とバブル前夜
第2章 日本で一番長かった株主総会
第3章 狙われた流通業界
第4章 「社内総会屋」と呼ばれた男
第5章 損失補填スキャンダルと稲川会
第6章 野村証券の蹉跌と第一勧銀の呪縛
第7章 山一証券の崩壊と新井将敬の自殺
第8章 三菱グループの“汚れた原点”
終 章 消滅していく総会屋【商品解説】
野村証券など一流企業が、なぜ総会屋の呪縛から逃れられなかったのか。論談同友会など総会屋たちの証言でバブル経済の裏側を描く。【本の内容】
著者紹介
尾島 正洋
- 略歴
- 〈尾島正洋〉1966年生まれ。埼玉県出身。早稲田大学政経学部卒。産経新聞社警視庁キャップ、司法記者クラブ、国税庁記者クラブ担当などを経て退社。フリーのノンフィクションライター。
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裏面史というほどのことはないと思うが
2019/11/24 14:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在の日本では考えられないが、1989(平成元)年、株式の世界時価総額ベストテンに日本企業が7社もランクインしていたバブル景気のピークにあった。元新聞記者であった著者が、20数年の総会屋取材を通じて、総会屋の視点からバブル期の日本経済の裏面史を描くことを目的とした著作である。当時のバブル期を経験していない読者が、バブル期を知る目的とするならば、本書はその期待に応えてくれるであろう。ただし、バブル期を知っている読者にとっては、記述の大半は当時の新聞をにぎわした内容であるように思われる。総会屋の以下のような肉声は、当時の新聞記事にもなかったように思えるが、これが経済の裏面史といえるか、少々疑問である。■対等合併というと聞こえはよいが、実はそれぞれ出身会社の派閥が温存され、派閥争いが絶えない。派閥があると社内の不祥事などの情報が漏れてくるから総会屋にとっては良い会社といえる。■〇〇グループは国内最大の財閥系総本山という自意識があり、ほかの企業グループとは、違い、自分たちは別格だとプライドが高い。だから、総会屋やヤクザのような連中と付き合いがあることを世間に知られるなんて許せないのだろう。ましてや、自分たちの不祥事やスキャンダルなどを株主総会の場で、総会屋から突き付けられるような失態は、決してあってはならないわけだ。だからこそ、我々にとって重要なスポンサーたりうる。■3億円のCB(転換社債)を購入する、たちまち6億円で売れた。儲かるとは予測していたが、これほど儲かるとは思わなかった。とにかく札束が重たかった。なぜ10万円札がないのかと思った。
1993年から1994年にかけて相次いで企業テロ(阪和銀行副頭取刺殺、富士フィルム専務刺殺、住友銀行支店長射殺)が発生、この内阪和、住友の2件は未解決のままで時効を迎えた。この事件が未解決になった背景には、企業が事件捜査に非協力的であることが一因と当時の新聞でも報道されていたが、こうした企業テロの真相を深く追求してこそ裏面史の面目躍如と思われるが、こうした記述は一切なく、物足りなさを感じた。ただし、最終章の総会屋の要求を拒み続け、総会屋の質問にはすべて対応した大手食品会社の取組みは、一服の清涼剤であった。