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紙の本
松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く (文春文庫)
著者 原武史 (著)
推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究者でもあった松本清張。昭和史研究の代表作「昭和史発掘」と、その成果からつながる未完の遺作「神々の乱心」の二作に秘められた...
松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く (文春文庫)
松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く
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商品説明
推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究者でもあった松本清張。昭和史研究の代表作「昭和史発掘」と、その成果からつながる未完の遺作「神々の乱心」の二作に秘められた清張の遺志を解き明かす。〔2009年刊の増補〕【「TRC MARC」の商品解説】
推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究家でもあった松本清張。
2・26事件など、近現代の出来事に新たな照明をあてた『昭和史発掘』は、
その代表作です。
そして、その成果からつながる未完の小説『神々の乱心』は、
清張が折に触れて「いつかあの話は小説にしておきたい」と繰り返し、
死の瞬間まで情熱に取り組んだ遺作です。
清張が生涯をかけて取り組んだ「昭和」と「天皇」。
2つの作品にこめられた清張の遺志を、作品の熱心な読者であり、
日本政治思想史の研究者でもある原武史さんが読み解きます。【商品解説】
厖大な未発表資料と綿密な取材で埋もれた事実に光を当てた『昭和史発掘』と天皇制という難題に挑んだ遺作『神々の乱心』を読み解く。【本の内容】
厖大な未発表資料と綿密な取材で埋もれた事実に光を当てた『昭和史発掘』と天皇制という難題に挑んだ遺作『神々の乱心』を読み解く。【本の内容】
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紙の本
「『神々の乱心』を読み解く」での鋭い考察に脱帽です
2020/08/16 16:17
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:多摩のおじさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
このコロナ禍でステイ・ホームで家で籠る日々が続く中、某テレビで著者がゲストで「100分de
名著・松本清張スペシャル 昭和とは何だったか」で松本清張の代表作「点と線」、「砂の器」、
「昭和史発掘」、「神々の乱心」を紹介していた中で、偶然に最終回で取り上げた遺作となった
小説「神々の乱心」を視聴し、その主題と構想の偉大さにすっかり魅了され、本書を読む前に
まずは「神々の乱心」の上下巻を貪るように読み進みました。
やはり、それは正解でした。上記番組で大筋は理解したとしても本書で著者のこれまでの研究
の上での知見をもって読んだのでは、原書の持つ小説としての面白さも半減してしまうと思っ
たからでした。
ですから、まず原書を読んでから本書を読むことをお勧めします。
本書は「第一講『昭和史発掘』までの道のり」~「最終講 清張の遺言、予言とは何だったのか」
と清張の創作過程にも踏み込んだ内容が講義形式で書かれているため、気になった講から読むこ
ともでき、また舞台となる当時の宮城周辺、秩父、足利、満州の地図や目次と舞台、主な登場人
物、言及される重要人物や年表の掲載も理解を深める上で助かります。
特に、著者が松本清張と同じく鉄道にも詳しいことも探求の目の深さを増していると思われます。
その上で、著者の以下の鋭い指摘には、脱帽でした。
・清張の天皇観(p.38-39)
・貞明皇后の秩父から始まった戦後最初の地方視察と原書の「大宮さまは、秩父宮が
お気に入りである。・・・引きとめて話したい。」(p.99-101)
・貞明皇后と昭和天皇の確執(p.66-69)
・「神ながらの道」と月辰会の類似点(p.69-72)
・貞明皇后と法華宗(p.72-76)
・秩父宮と二・二六事件(p.108-110)
また、未完で終わった原書に対するその後の展開を考察した最終講の3つのシナリオも著者なら
ではの読みごたえある内容です。
その反面、疑問も若干浮かびあがったことも確かです。
例えば、以下のような点です。
・「この章(華族の堕落)は蛇足なんです。たとえなくても、全体のストーリーはいささかも
揺らぎません。」(p.153)は何故蛇足なのでしょうか?
著者自身が、その後で『入江日記』を引き合いに出し、昭和後期の魔女問題や「真の道」と
「昭和後期の皇室をも射程に入れた、非常にスケールの大きな物語なのでは」(p.154-155)
と言及されているのですから・・・
・「月辰会では・・・を即位させようとする」」(p.184)は原書では、そこまでの記載は無かったと
思うのですが・・・私の見落しでしょうか?
・「堀越正雄 渡良瀬遊水地に捨てられる」(p.247)は「千葉の片貝海岸」(p.189)では?
・「言及される重要人物」に大連阿片事件で登場する平岡定太郎(p.192-193)の記載がない
のは何故でしょうか?
本書を読み終えて、松本清張が昭和11年に起きた二・二六事件と同時期の宮中と新興宗教が
結びついて起きた島津ハル事件や神政龍神会事件、また昭和天皇と貞明皇后の確執について、
西園寺公望の僅かな発言から昭和45年には気づいていたという著者の指摘(p.28)と清張のい
う史料の空白の部分を推理によって埋める「史眼炯々(けいけい)」の鋭さ(p.29)を改めて痛感
させられました。
一方、「特別講『昭和史発掘』を再発掘する」は、主要なテーマの概要をコンパクトにまとめられ、
膨大な「昭和史発掘」を読むに当たっては、助かる内容になっています。
紙の本
やっぱり、もう一度、ちゃんと、松本清張です。松本清張が生涯取り組んだ“昭和”と“天皇”。遺された作品に込められたメッセージがいま明らかに。
2018/05/31 17:26
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会派推理小説という新分野を開拓した巨匠を歴史家、思想家として捉えなおす。解説は放送大学教授、政治学者・原武史氏。未完の大著「神々の乱心」を紹介。「昭和史発掘」で収集した資料を縦横無尽に駆使して国家の深層にひそむものを浮かび上がらせるこの作品には清張最後のメッセージが。遺されたメモを元に原武史さんによるラストの大胆予想。NHK「100分de名著松本清張スペシャル」と合わせて読むとより立体的に。松本清張の世界を読み解いてみませんか。
電子書籍
松本清張の「遺言」『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く
2018/03/29 20:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
松本清張の未完の遺作を原武史放送大学教授読の解説で読み進んでいくと複雑な皇室の裏も理解でき、なるほど、そういうことなのかと頷きながら一気に読んでいくことができる。簡単に人名をメモしながら読んでいくと(メモの必要のない人も)理解でき、「昭和天皇実録」や「神々の乱心上・下」を読んでみたくなります。皇室関連の昭和史を知りたい方には是非読んでみてもらいたい。
紙の本
先見性
2020/08/09 11:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
松本清張さんの先見性がよくわかり、素晴らしいと思いました。推理小説の分野以外でも、超一流で興味深かったです。