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商品説明
【サントリー学芸賞芸術・文学部門(第43回)】【梅棹忠夫・山と探検文学賞(第11回)】王侯貴族お抱えの楽師、戦場で兵士を鼓舞する係、祝祭を盛り上げるコメディアン…。エチオピアで音楽を職能として生きる吟遊詩人たちの活動、生きざまを追う。エチオピア音楽文化の動態を立体的に伝える一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
本書は、弦楽器マシンコを弾き語るアズマリ、門付(かどづけ)を行うラリベラと呼ばれるエチオピアの吟遊詩人たちが、歴史的に担ってきたさまざまな役割について振り返ると同時に、人々との豊かなやりとりに基づいて展開させる地域社会での芸能の様子を描く。さらに本書は、両集団のコミカルで深遠な歌詞の魅力、秘密の言語によるコミュニケーション、アーティストへ転身し各国で活躍する姿、新型コロナウイルス感染症拡大のなかでの活動についても紹介する。吟遊詩人の活動や生きざまに迫りつつ、音楽、芸能について、アフリカの地平から相対化してとらえ、考えることを促す。
帯には今福龍太氏(文化人類学者)からのオマージュを掲載。
「アズマリよ。ゴンダールの埃立つ街路の音楽師たちよ。卑にして聖なる道化たちよ。蔑称を引き受け、通念を内なる知恵によって破壊し、諷刺によってちっぽけな世界と壮大な神話とをつなぐ吟遊詩人たちよ。私もまた、マシンコの弦の震えの力強い感触を手がかりに、著者とともに、社会に蔓延する不条理の道を飄々と“流し”ながら突っ切り、朗らかに歌い歩こう!」【商品解説】
目次
- 序
- 1 チュンブルなやつら
- 2 古都ゴンダール、王女が眺めた場所
- 3 生きつづける神話、楽器マシンコ
- 4 権力への従属と抵抗、メディアとしての芸能者
- 5 祝祭儀礼とアズマリ
- 6 精霊との会話の仲介
- 7 農作業とアズマリ
- 8 ほめ歌
- 9 蠟と金、イメージの世界への潜行
著者紹介
川瀬 慈
- 略歴
- 〈川瀬慈〉1977年岐阜県生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。著書に「ストリートの精霊たち」など。
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