紙の本
これは確かに一理ある
2022/10/11 00:00
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投稿者:しおかぜ - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営学者による本であるが、大変分かりやすく、読みやすい。著者の主張は「同時代性の罠」という言葉に集約される。要は、時代の最先端的な経営理論や潮流に、安易に飛びつくな、ということであり、時代を経ても変わらない「本質」を追求せよ、ということ。これは、新しい理論や概念を次々に生産する経営学者としては、大変勇気のいる言説であると思うが、こうした主張は確かに一理あると思う。本には、こうした罠として「飛び道具」「遠近歪曲」などの概念が示され、その具体例を読むだけでも参考になる。「本質とは何か?」と考えるクセを付けるだけでも意味があると思うし、それを改めて認識させられただけでも、この本を読んで損はなかったと思う。
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2020/10/09 逆・タイムマシン経営論 楠木建・杉浦泰
「本質」を過去に求める
騒々しい「今」にちょっと距離を置こう
コロナ禍で在宅の時代に、すこし落ち着いて考えてみることをお勧めする著者楠木建先生の思いが窺える
情報過剰の時代、断片情報に振り回されるのでは無く、
むしろ「過去の事実・歴史」から、「本質=簡単に変わらない」ものを掴み出すことを狙いとする。
「ファクトフルネス」に習えば「パストフルネス」
「文脈思考」歴史→豊かな文脈
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まさに!文脈こそがそれぞれの取り組みや事象に価値を与えるのであって、文脈剥離した事象を鵜呑みすることに警鐘を鳴らしている。常に激動、とか、日本企業、など疑問に思っていたことがバッサリ本質をつかれていて、まさに!
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「新聞・雑誌は寝かせて読め!」。自らも経験した、近過去を資料ともに振り返ると、「何で、ああいうことが言われたのか」、「何で、あんなことに興奮したのか」が、よく見えるようになる。確かに、そうだなぁ。メディアの言説に踊らされずに、本質を考え抜くヒントを与えてくれる本。
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力がついたり、スキルアップにつながったりする本ではない。ズバリ教養の本。
楠木さんの本はいつも教養に富んでいて、ビジネスマンとしての段階があがる。
内容をまとめれば、
同氏の『ストーリーとしての競争戦略』や『好き嫌いと経営』、
リタマグレイスの『競争優位の終焉』同様に
「絶対の経営論なんてないよね~」につきる。
断片情報に興奮せず、多角的&歴史的にみてどうなんだというファクト+経験予測をしないと、すぐに「日本大激動」という見出しに騙される。一喜一憂するひとになるなよーって本。
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まあ、書いてあることはおもしろかったかなー
飛ばし飛ばし読み
ここまでの文量である必要は無さそうです
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タイムマシン経営 :未来を実現しているエリアの手法を持ってくる。
逆・タイムマシン経営:過去の新聞雑誌記事から浮き彫りになる本質
思考の型、センス、知的作法
バスワード:ステレオタイプ的な見方 同時代性の罠
本質の一義的な特徴はそう簡単には変わらない
サブスク 「卒業」できないインフラ的商品に向く 古くから存在
ERP、DX 手段の目的化
POS セブンイレブン1982年 SISブームとは別の世界初のマーケティングツール
戦略が先、ITは後。
事例文脈を理解。
抽象化し、論理で本質をつかむ。
優れた戦略は特殊解。一般解はない。
導入判断。ベネフィット、コスト、リスク、タイミングを思考実験。
いつの時代も「今こそ激動期」
要素がシステムに先行する ~自動車の前に舗装道路
人間は連続的な性格
過去が薄い=文化が浅い から新しいものに容易に移行する
若者は圧倒的にヒマ そもそも不要なサービス 問題解決の過剰
グーグルグラス、セグウエイ、3Dプリンタ
投資家は激動を求める生き物
遠くは良く見え、近くは粗ばかり見える
シリコンバレー 超多産死による高速新陳代謝
日本的経営 50年かけても崩壊しきっていない
昔のことは良く見え、現在進行中のことは深刻に見える
すべてにおいてうまくいってる国はない
移民受け入れは短期的には特効薬だが、コンフリクトに直面する
ミクロとマクロは混ぜると危険
高度成長期は青春期のようなもの、いつまでも続かない。
デジタル化はメディアのファスト化
本質的な論理の獲得が難しくなる
スローメディアの主役は本
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歴史に学ぶ意義は、同感である。ただし、過去のビジネスのバズワードを羅列し、「結局、あれは成功とは言えなかった」と論ずるのは、後出しジャンケンの域を超えず、趣味が良いとは思えない。
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10年前の「ストーリとして競争戦略」という本と出合ってから楠木さんのファンになりました。声が渋くて、かっこい風貌の方ですです。
ちょっと道に迷ってきたなと感じて、方向性というか物事の全体図をとらえたい時にこの本を読んで気持ちがすっきりしました。長期的な視点を考えるヒントを与えてくれる一冊です。
すぐに何かに役に立つという本ではないので、星4つにしました。
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過去の記事を結果が判明している現在に、内容を検証し思考のバイアスを説明した良著❗️特に時代を抽象化するマジックワードに翻弄された企業、経営者について記された内容は、時代の転換であると言われている今こそ確認すべき内容だと思います❗️
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まずまず面白かった。
飛び道具トラップ、激動期トラップ、遠近歪曲トラップなど、人が時代のはやり言葉や空気に流され、「隣の芝生は青く見える」に陥るさまを具体例を交えて軽妙なタッチで鋭く指摘している。これらのトラップは、経営論にのみあてはまるものではなく、ほかの領域でも気をつけるべきことだと思う。
もっとも、著者自らも言っているように、本書の~トラップも飛び道具トラップとして疑いの目を向けることも必要だろう。また、最後は、少しだけ説教くさくなり、やや読み切るのに苦労した。
それでも、本書を読んで、コロナ禍で新しい生活様式がいたるところで求められている今こそ、正しいものを見定める目を養いたいと感じた。
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近歴史を振り返ることで冷静に物事の本質を見極める大切さを伝えてくれる一冊。
世の中には3つのステレオタイプがあり、物事の本質を曖昧にしてしまっている。
1.飛び道具という空間的トラップ
2.激動期という時間的トラップ
3.遠近歪曲という空間的かつ時間的トラップ
上記のトラップを防ぐためには下記の3つが必要になる。
A.物事はそう簡単に変わらないことを意識する
B.物事は自分の文脈を位置付けて考察する
C.物事は具体→抽象→具体で検討する
これからのビジネスとプライベートで生かしていきたい考え方になった。
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久々に超面白かった。恐らく山口周氏の「ニュータイプの時代」で紹介されていたのだと思う。楠木氏の著書は他も読んでみたい。
・飛び道具トラップ
AI、サブスク、ビッグデータ、DX、SDGs
・激動期トラップ
今こそ激動期、ことごとく外れる未来予測
・テンゼロ論
ソサエティ5.0
・技術は非連続、人間は連続
・「大きな変化」ほどゆっくり進む
インフラは30年にしてならず
要素はシステムに先行する
・遠近歪曲トラップ
隣の芝生は青く見える、シリコンバレー礼賛
・半世紀にわたって崩壊を続ける日本的経営
日本企業もアメリカ企業もない、マクロへのすり替え
アイリスオーヤマ、「ピンチはチャンス」ではなく「ピンチがチャンス」
・一人あたりGDP、ルクセンブルク最高
・海外スターCEO
・文脈剥離がトラップを生む
・具体→抽象→具体
物件を抽象化して内包する論理を突き止めれば自社の経営に生かすことは十分可能
・新聞雑誌は寝かせて読め
ファストメディアからスローメディアへと熟成
情報ではなく論理を読み取り、論理を愉しむ
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楠木さんの本は、「ストーリーとしての競争戦略」に次いで、2冊目ですが、
本のテーマとか文体から何というか"センス"のようなものを感じます。
(大してセンスのない自分が言うのもどうかとは思うけど。)
※ストーリーとしての競争戦略
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4492532706#comment
まず、選んだテーマがとてもユニーク。
過去に流行った経営バズワードを今一度思い返して、
検証してみるという企画はありそうでなかった企画。
楠木さんらしいカジュアルな文体で、過去のバズワードが深掘りされていて、
面白く、かつ、勉強になりながら、読み進めることができます。
中には、自分がまだ経営の「ケ」の字も知らない頃のバズワードなんかが取り上げられていて、
「へー、日経ビジネスにはこんな感じで取り上げられていたのね」というのもありましたが、
バイアスを除いて客観的に物事を見る訓練にはなります。
一方、著者も言っているとおり、ここで選ばれたバズワードも
著者のバイアスを通じて選定されたものばかりで、
実際にどれくらい日本人がバズワードに踊らされていたのかは、
もう少し客観的に知りたかったとは思いました。
今では、DXとかSDGsとか両利きの経営とか脱炭素とか…、
ありとあらゆるバズワードが飛び交っていますが、
将来にわたって生き残る本当のキーワードはどれなんでしょうか。
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読みやすい文章で、過去の経営の失敗や時代の流れ、思考などを歴史に基づいて紐解いて行く。という文章構造。
言われてみると、気づきは多いが、渦中はなにも気づかない。 きっと今のこの時代も、未来から見れば何かしらの状況だったと、結論づけられるのであろう。