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メタファー
2021/12/16 11:11
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投稿者:はらみ79 - この投稿者のレビュー一覧を見る
都内で派遣で働いてるのに、森で暮らしてきのこを積んで暮らしてるって何よ?
という感じで、暗喩的な表現に苦手意識がありましたが、それを主人公の心理描写と上手く絡める松田さんの技量が凄いと思いました。
英語でなくても、何かに固執して人生が上手くいってない時は誰もがこんな感じになるよなぁという気持ちで、どんどん読み進められました
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私的2013年度ナンバーワンの本は松田青子さんのデビュー作スタッキング可能だったので、二作目はとにかく期待度高く楽しみにしていました。
二作目のこちらも素晴らしい。こう来たかと思わず唸りたくなる面白さ。相変わらず世の中の皮肉を摘み取るのがうまい。実に巧妙。ただスタッキング可能のときよりも幾分難しい、というか分かりづらい。どなたかの解説が読みたいくらい。表題作英子の森がちょっと読み取りづらかったかなー。英語の森? にかけてるのかしら。英語ができたとしても時給にして50円ほどしか変わらないなんとも残酷なんですよ、ってね。
表題作以外は分かりやすいです。なかでも、おにいさんがこわいが好き。
スタッキング可能と比べてこの評価ですがとても面白かったです。誰かの解説を読んだ後にまた読みたい。次回作が今一番楽しみな作家さん。
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夜中に風呂入ってるときな思い付きみたいなワードの集まりを見事な織物に編み上げる松田青子さんの二つ目小説。
ところでこのかたなんとお呼びすれば良いんでしょうか。やっぱりせいこさんですか。
英語を使ったお仕事を求めて派遣先をいったり来たりしている娘と、森に住む母のことを書いた表題作および他三作です。『※写真はイメージです。』なんかは、批評的な表現を飛び越えてもはや幽玄です。すべてはイメージって気分になること請け合い。
『英子の森』において登場する森。
登場人物でいうと母とか独り暮らしの人が必ず持っていて、蝶が舞い、小花が咲き乱れ、バラが咲き、女神の銅像が踊る森。その部分が、今までの松田青子さんの小説と比べてがっつり異様な印象を受けました。
森については、それを持つもののコクーンであり、プライドであり、シェルターであるといった、メタファーを読み解くような解説も出来そうな程唐突なファンタジー部分ではありますが、村上春樹と雑誌オリーブ、ananとかを読む我々にとっては、もうそういうのは現実と混じっちゃっていいや、って扱いで受け止められる部分でもあり、あー森、あるね、そういうの、森。メルヘン母とか特に顕著。って具合に妙に納得しました。
でもそれが出てくることによって、何だかこの人の小説が一段階深くなったような気がして、深いぜ、生きるって。なんて感想をもちました。
母の森が崩れるときさー、あんなにメルヘンなのに、その後場面がいきなり晴海の派遣先とかになるんすよ。その気の代わりよう。
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英子の森は英語の森。わたしも森を持つ者なので、現実を突きつけられて動けなくなる場面もあったけれど、それでも最後には覚悟が足りなかった、腹をくくろう、と思えます。『スタッキング可能』のあとはどうくるんだろうと思ってたけど、こうきたか!いい意味で裏切られた気がします。最高!
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魅力的な装丁に一目惚れ。
しかしまあ、なんとも独特な世界観。
今まであまり触れたことのない不思議な物語だったけれど、
こんな視点でこんな風に書く人がいたんだ、と新鮮に読めた。
ちょっぴりダークでほんのりシニカル。
普段読む本とは何かが違い、違和感みたいなものを感じたけれど、これはこれで悪くない違和感。
だからこそ面白い。
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元ヨーロッパ企画女優さんの小説集第二段。
現代を生きる一般的な女子目線寄りのシュールな世界観や、ヨーロッパ企画の演劇を思わせるチョイ脱線感のちりばめられ方は相変わらずクセになる◎
特に後半の作品は、この世界観の最後に星新一ばりにハッとなるのがプラス。
松田さんのペンがレベルアップしてるのが素人でもわかるくらいでした。
ちなみに、無数のよしき事件を引き起こした『おにいさんがこわい』、世にも奇妙な物語が好きな人にはオススメです(怖くはないよ笑
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取っ付きやすいカテゴリの作品ではないはずなのに、全篇ともするりと楽しく読めてしまった。
もちろんこれは、褒め言葉です。そして個人の感想です。自信と責任を持って発信したい個人の意見です。
「森」が意識のメタファーだなんてことは疾うの昔から知れてることですが、
こんなにシュールでガーリーで、ちょっとばかり毒のあるいい森を作ることは、
言葉について、言語について考え続けてきた人にしかできない高等な言葉遊びでしょう。
もし今度、ちょっと気になる誰かが現れたとしたら、
「今度、うちの森に遊びに来ませんか」と誘ってみたい。
その誘いに応じてくれる人とは仲良くなれそうだ。
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読んだ2014年当時、正に主人公の娘と同じように英語の仕事に固執して、キャリアに悩んでいた。だから「それじゃお守りじゃなくて呪いよ」というフレーズが刺さった。
2022年に再読。今は拘りなく英語に関係ない仕事をしている。
改めて読んでみると、英語が出来ることがアドバンテージのはずなのに、そのせいで派遣の仕事を転々としていることの皮肉が伝わってくる。
また、今更ながら英語への皮肉とは別で親の子供に対する執着についても皮肉られていることに気付いた。
主人公の母は夫や義母のような道を歩んでほしくない一心で娘に英語教育を受けさせているけど、それは「あの人たちのようになってほしくない」が動機であって、娘にどうなってほしいかではない。
もっと言えば娘がどうありたいかという尊重の姿勢に欠ける。
別に英語に限らず、「せっかく就いた仕事だから」「ああはなりたくないから」みたいな理由の動機はお守りじゃなくて呪いに変わり、自分の「森」が腐っていくから気をつけてね、というメッセージを感じる。
難点は主語が「英子」「娘」「わたし」と混ざってり、誰の目線で語られた文章か分かりづらい。(使い分けられているのかもしれないけど、意図は分からなかった)
これ以外に収録されている短編はいまいち印象に残らなかったので星3つ。
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星新一を21世紀にしてガーリーにして。「森」を「マンション」や「戸籍」に置き換えたりしてみたけど、やっぱり「森」なんだよね!!高学歴ワープア、母娘関係、現代のリアルな問題なのに、帰る場所は、「森」!!
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非常に独創的な作品の数々。私には合わなかったので感想を書くのがすごく難しい。『※写真はイメージです』はイメージがゲシュタルト崩壊しそうな勢いがある。
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はて。どうしたものかと戸惑う不思議な感覚。
エンヤをはじめて聞いたときのような、少し現実味に欠ける浮遊感。
もう一作品は読んでみないと。
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英語好きあるあるが満載でおもしろかった。
やっぱり、何事も、囚われや、執着はよくないんだな。
人生を狂わす。
紅茶など描写が上手
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もうすこしわかりやすいほうが好きだけど、もやもやした生きかたを、なんでもひとくくりにして安心してしまう世の中を憂いているような感覚は、そこを表現してる心意気は、じわりと伝わった。
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分かったような分からないような不思議な感じの本でした。
博士と助手は、人の嫌らしさたっぷり。分かってるのに分からない振り、ピュアな振りして傷つける感じ。あと、なんでもネットで簡単に解決しちゃう感じ。いつか弊害がでる感じ。
分からないけど。スタッキング可能も読みたい。
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英語の仕事に執着する人々とそれぞれの森、表題作の英子の森
*写真はイメージです、おにいさんがこわい、スカートの上のABC、博士と助手、わたしはお医者さま?
この人の文章って匿名性が強いと言うか顔やキャラが浮かばないんだよなあ。悪い意味でなく。
おにいさんがこわいとわたしはお医者さま?がすきだった。