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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
自由思考というタイトルが面白そうだなあと思い、読み始めました。作者の自由な考え方が、私にはとても気持ちの良いものばかりでした。読み終わったときの爽快感は、自由に生きる事へのあこがれかもしれません。
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中村氏はやはり小説家であり、エッセイストではない。半分以上のエッセイは全く面白くないし、政治や出版絡みの発言は底の浅さを感じる。人間の内面を深く考察しての小説のみが真骨頂であると断言できる。
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読んでみる?
と言われて、実は中村文則の作品は教団Xしか読んだことないにも関わらず…でも勧められたり貸してくれるならなんでも読む主義なので読んだ。
中村文則の作品は暗いイメージがあったので、エッセイも堅苦しいのかと思いきや…
電車の中で必死に笑いを堪えねばいけないくらい前半のエッセイは面白かった。どこか春樹のエッセイと似たところがある。
きっとこの人色々細かくて面倒くさいのだろうなと感じつつもそこもまた魅力だな…というかエロの話ばっかじゃねーかよ!
と思わずツッコミたくなる。
でも中盤から後半に掛けてはエロ話だけでなくしっかりとした政治の話や震災へのエッセイなどどっしりとしていて、全体を通して色んな方面のエッセイが読めてとても満足。
中村文則へのイメージがとても上がった。
他の作品も読んでみようかな。
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ストーカー気質がありハマった人については知りたくなるので、目に入った瞬間買ってしまった。
なんとなく想像していた感じの人だったけれど、それ以上にこじれ、思考の明文化が上手く、読んでいて自分の内面もすっきりできたり鳥肌が立つような文章もあったり。
ふらと読み返すだろう。
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中村文則のエッセイ集。世界のナカムラなのに庶民的というか斜め目線というか“こっち側”でいてくれるのが嬉しい。こういう人がああいう文学的な小説を書くのだから人間の不思議さというか奥深さを思い知らされるwこのエッセイなら俺でも書けると読者全員に思わせるからこそ本物なんだろうな。
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読書をしていれば、必ず中村文則さんの名前は嫌でも耳に入ってくる。そんな著者初のエッセイ集。過去2作しか読んでいないが、あんな独特の作品をどういった思考で描いておられるのか著者の素性が知りたくなる。
エロから政治、文学から宗教まで、なんとも幅広い内容のエッセイだった。その人格も垣間見えて楽しかったし考えさせられた。良い意味でこりゃあなかなかの変態だなぁと。独自の意見もあり、共感出来たり出来なかったり。
古典文学、外国文学は苦手意識があるのだが、とりあえずドストエフスキーと太宰治なんかを読んでみようと思った。難しそうだけど…。
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電車で読むの禁止。
何度かほんとに耐えられなくなって声出して笑ってしまった。
そんな中で、ふと私はひとつの自由な思考を手に入れた。
自分が世界だと思っているものが本当の世界のほんとにほんとに一部でしかないということ。
たとえば会社のような組織に所属していると、そこでの仕事がツマラナイと思えば、転職しようかだとか、あるいは今いるところで面白い仕事ができるようになるためにどんな風に自分を変えていこうかとか、そんなことを思うかもしれない。
会社に所属するっていう枠組みの中で自然に考えてしまう。
でも本当はそんな枠組み作る必要なくて。
何に所属してようが私がそこにいることを選んでいるので、いさせられてるわけじゃないのだ。
だから別に他のことしたっていいし、自分が貢献できるものでフラットに会社に貢献すればいい。
そこにやりがいとか過度に求めるからおかしなことになる(ツライことになる)。
私は自分が会社勤めしてて、今色々思うことがあるから、こういう感想持ったけど、要するに私たちはみんな自分が思ってるよりずっとずっと自由だってこと!
なんだそっかって分かって、私は孫悟空の頭の輪っかが取れたようなそんな気持ちになった。
こんなこと、この本には全く書かれていないのだけど、この本を通じて中村文則の考え方をたどることで、私は自然にそう思えたのだと思う。
この人の頭の中は、自分が考えるべきことと思いたいことでとても自由なのだ。
そんな彼を救ってくれた太宰治、ドストエフスキー、そして福島。
どれだけ感謝してるだろうと思う。
本当の自由な自分でいられる、受け止められる世界があるというのは、本当に本当に、誰もが希求することだと思う。
この人が今の日本にいてくれてよかった。
国家からさえも自由になることが、逆説的だけど今の日本には本当に必要なんだ。
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過去に何作か読んだことのある中村文則さんのエッセイ。自分がエッセイを読んだときのあるあるとして、目の前にその人がいるような感じで勝手に親近感を覚えてしまう、というのがあるんだけど、今回もご多分に漏れず。
僕自身は分は文学を志しているわけじゃないけど、言葉で何かを表現する物として感じたことはいろいろとあった。特に、表現者として自分に決定的に欠けているのは「社会」に対する関心の薄さなのではと痛感した。ニュースを見ないわけじゃないし、世間を賑わせている社会情勢くらいは耳にする。けど、選挙の詳しい仕組みとか未だに説明できないし、世界情勢とか今の政治がどうとか日本社会がどうとか景気がどうとか言われても、何が問題で何が原因になってて、どうなるべきなのかがしっかりと理解できていないせいで、いつだって口を噤んでしまう。
ネット中心の時代となった今、そこかしこに偏った意見が散らばってる。その中で自己判断を下す勇気も無ければ、そこまで関心も持てていないのが事実。小さな箱庭の中で収まる作品を書き続けるのならそれでもいいのかもしれないけど、もっと大きな作品を手掛けたいのなら、それじゃだめなんだろうなぁと。
そういえば「罪と罰」について書かれた項だけ読み飛ばしました。まだ読んでなくて、ちょうど読もうと思っていたところだったので。
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05年芥川賞受賞の人気作家・中村文則氏の、デビューから現在までの17年間に発表された雑誌連載やインタビュー、受賞コメントなどを一冊にまとめた著者初のエッセイ集。
本屋で立ち読みした際、1つ目の「見知らぬ男」に衝撃を受け即買い。こんなのが続くのかと思いきや、爆笑必至の下ネタエッセイあり、真面目な文学論、政治思想ありで内容は多岐に亘る。中村文則さんの作品からは想像できないほどユーモアに溢れた
、いやふざけ倒した文章があり、中村さんの人間性を多面的に知ることができてファンとしても楽しめた。
暗くて隈がすごくてスケベで、でも小説家という仕事に対して誰よりも誠実に、そしてプライドを持って対峙する著者の姿が見えてくる。文章もまとめて、ますます好きになった。
最後に、あとがきで著者が「教団X」の登場人物の言葉を引用している。
「誰に何と言われようとも、私は全ての多様性を愛する。/共に生きましょう。」
ん〜なんて素敵な言葉。中村文則さんの小説はその時の彼そのものなのだなぁと、エッセイ集を読んで深く思えた。
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時々楽しく、時々考え込みながら、時々涙しながら読みました。
読み終えて思うことは、この方が書くことは信頼できるなぁということ。
これからも沢山の言葉を紡がれるのを楽しみにしています。
大学時代のお話(特に罰ゲーム)最高でした。
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15年ほど前に福岡で大きな地震があった。ある女性と食事しているときに、「その時もっと揺れろって心の中で思ったんだよね〜」と話したら、はぁ?意味わからんと若干引かれ、雰囲気を台無しにしてしまった。中村文則のエッセイ集「自由思考」を読みながらそんなことを思い出した。屈折してたんですよ。
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中村さんの小説は大好きでよく読んでいるのですが、エッセイを読むのは初めてでした。
日向よりは日陰を生きてきたという中村さんの暗さのあるエッセイ。でも真面目な中村さんのエッセイ。ドストエフスキーについてのエッセイ。これらは、小説や中村さんのイメージから想像できたものでした。
私が意外に思ったのは、政治や社会問題についてもかなり言及されていたことでした。作家さんがこんなに政治に意見を持っていることに驚いたのですが、現代社会をきちんと見ているからこそ、今の時代にあった小説が書けるんだなとも思いました。
また、暗さって一般的には良くないとされているように感じているのですが、“暗さとは非難されるものではなく、世界に対して疑問を持つことと同義であり、その暗さを内面にしっかり持って、大切なものにしようと思ったのだった。(p247)”とあるのを読んで、素敵な考え方だなと思いました。やっぱり“文学は国や政治や時代を越え、人を救う。(p287)”し、こんな中村さんだから、中村さんの本に救われてきたんだと感じました。
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中村文則がエロからONE PIECE、政治etc
幅広く語ったエッセイ。
政治思想等については、デリケートな問題であり、
拒否反応してしまう方もいるかもしれないし、
私の様に共感する人間もいる。
だが、それで筆者から離れる様な事態があるならば悲しい。
自由で柔軟な思考を大切にしたい。
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文章にキレがある訳ではない。だが、この人のもつ本来的な誠実さに溢れている。特に、政治的な立場を(おそらく)あえて鮮明にしていることには頭が下がるし、それに続かなくてはならないという気にさせられる。
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すごい真面目なのかと思ったら意外とそうでもないようなエッセイだった。具体的には、AV見てるとかエッセイに書いちゃうような人なんだ!?って驚いた。でもアダルトビデオの名言とエロ動画の話は面白かった。
あと、ほっぺに悪が入ってる、も面白かった。
読みながら笑ってしまった。
そんなに太ってるというか、ぷにぷにだなんて思ったことなかったけど、本人は気になるのだな。
暗いんだなってことと小説がすごく好きなんだなというのがよく伝わってきたし、権力への批判や姿勢についてもやっぱり信用できるって思った。立派だと思う。
でもやっぱりちょっととぼけたエピソードのエッセイの方が読んでて面白かった。(僕の隣に人が座らない、とか)
大袈裟に書くとかじゃなくて真面目に淡々と書かれていて、メタい感じでもなくパロディ的オマージュみたいなものも使わずに文章だけで笑わせてくるのがすごい。文章の力というか中村文則の文才というか技術の凄さを感じました。