暴力の哲学
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暴力の哲学 (河出文庫)
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紙の本
「暴力」という概念を平和思想をベースに考える1冊。
2016/04/21 01:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「暴力」の広義の意味を徹底して述べる「暴力論」的な本ではなく、ガンディーやマルコムXといった、弱者の抵抗の手段の一つ、平和思想をベースにして考える「暴力」論。
ポストフォーディズムの貧しい弱者層の抵抗としての「暴力」から、政治的な意味がぬぐい去られていくテロ問題。たしかに、70年代以前のテロや暴力と、現代のそれとは、根本的に違ってきていますね。強者に抵抗するはずのテロリストたちが、なぜもっと弱い一般市民を平気で巻き込んでいくのか? と長年、疑問でしたが、なるほどね〜。本書を読んで納得しました。こういう時代には、「暴力」そのものの解釈も現代的に定義しなおさなければならないのかも。
提示されているのは、簡単には解決できそうにない難問。じゃあ、弱者はどうやって抵抗すればいいのか?
今さら脱、資本主義なんてことは難しいし、誰もそんなこと、望んでいるようには思えない。
せめて、永遠の野党としての、監査機関が、国内だけじゃない、世界規模で必要なんだろうな。パンドラの底に残っているのが、一般の人々の「良心」だ・・・と言いたいけれど。それは夢物語なんでしょうかねえ。。。
良書だと思います。
紙の本
暴力と非暴力を根底から考察した興味深い一冊です!
2020/06/16 09:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『通天閣 新・日本資本主義発達史』(サントリー学芸賞)など興味深い著書を発表されている社会学者の酒井隆史氏による名著です。私たちはよく「暴力はいけません!」と口にすることはあり、口先では嫌悪しているように振る舞うのですが、実は暴力に魅せられると矛盾した面をもっています。同書は、現代という時代の危機とあらゆる暴力論を検証しつつ「反暴力」を構想していきます。理論として、ファノン、アレント、ベンヤミンなどの暴力論を引き合いに出す一方、ガンディー、ブラック・パンサーなどの実践を総括しながら、暴力と非暴力を根底から考察していく興味深い内容です。同書は、「暴力という問題の浮上」、「暴力と非暴力」、「敵対性について」、「セキュリティ―恐怖と暴力」、「防御と暴力―ポスト人民戦争の政治」、「補論 ヘンリー・デイヴィッド・ソローと市民的不服従について」というテーマで議論が展開されます!
紙の本
言論と力
2017/02/24 11:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「市民社会の衰退」や「媒介の場の消滅」といわれる状況が深化している日本では葛藤や摩擦そのものが暴力的なものとみなされる傾向が強まっている、社会的総体を潜在的な武器と考えると武器は無数である、法維持的暴力と対抗暴力の循環に対して別の力の水準(反暴力)がある。戦争や暴力に言論のみで反対しても、それらが決して無くならないのが人類の宿命であっても、できるだけ抑止する方途は行使すべきであろう。
電子書籍
ゲバゲバ
2021/04/09 08:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「暴力はいけませんといいながらすさまじい暴力がふるわれる」という暴力の逆説の論理を、恐怖と不安の煽りとイメージの洪水でもって、我々の感受性を粗雑にしてしまう危険なカテゴリーを論じている書。