日本の偽書

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投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、ノンフィクションライターの藤原明氏による、いわゆる「古史古伝」や「超古代史」などと呼ばれる偽書について紹介された書です。著者は在野の方ですが、こうした偽書に関する学術的なアプローチを試みられた好著です。偽書の概要やそれが生み出された経緯などが要領よく解説されているため、偽書入門書としては優れた一冊です。著者は冒頭で、偽書の内容を荒唐無稽なものとしながらも、そのことをことさらに糾弾するのではなく、偽書が生み出された歴史的な背景や意義こそを明らかにする必要があると主張はされています。その意味で、偽書が発行された社会的な状況などがよくわかり非常にためになる一冊です。同書の構成は、「1 人はなぜ偽書を信じるのか」、「2 超国家主義者と二大偽書」、「3 東北幻想が生んだ偽書」、「4 記紀の前史を名のる偽書」、「5 偽書の何が人をひきつけるのか」となっています。

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投稿者：雄ヤギ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書では、「竹内文献」「東日流外三郡誌」「先代旧事本記」などの偽書とされるものを当たり、論理的かつ学術的に解析していく。原文の引用や論文を参照するなど、本格的な内容なので取っ掛かりにくいと言えばそうだが、今の時代に必要な本だと思う。
　ただ単に偽書だと片付けるのではなく、偽書がどうして信じられるようになったのか、製作の意図は何かなども推測し、わからないところはきちんとわからないとしているので、信用できるし、とても面白い。