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奨学金免除
2022/07/27 15:50
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、魅力的です。結構な金額になりますから……。というわけで、千歳刑務所に勤めることになった是永史郎。いろいろ、苦労も多いけど、事件が、発生し……。なんだか有りそうな……。刑務所のこともよく調べてあります
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北海道の刑務所に勤める矯正医官・是永。奨学金免除ため、三年間、刑務所の医者に。薬欲しさに仮病を訴える受刑者が多い中、ベテランの助手に助けられながらも、奮闘する。受刑者変死の謎、受刑者として刑務所入所した実の父、認知症の母、いくつもの難題に立ち向かう一方で、是永は自分の夢を叶えられるのか。
刑務所内の医者が直面する苦労を描く社会派の内容でもあり、是永の仕事の成長の物語。3年を終え、早く大学病院に行きたかった是永だけれど、仕事と向き合う姿、落ち着いて問題を解決してゆく姿に目が奪われ、読み応えバッチリ。医学の専門定なこととか出てきて、よく調べてるなあと驚いた。実の父との決着はついていないのが残念かな。
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奨学金の返済を免除してもらうために仕方なく就いた矯正医官の史郎だが次第にその仕事にのめり込んでいきます。こういう成長物語、好きです。
病だけでなく、その奥にある罪も治療する姿が良いね。是非とも続編を。
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奨学金の返還免除の条件として、臨床研修の後、そのまま刑務所の医者として3年間働くこと。しぶしぶ引き受けることになった主人公・是永史郎。様々な受刑者を診療しながら、原因不明な出来事を次々解決していきます。
あらすじを見る限りでは、長編かなと思いましたが、他にも事件があるため、連作短編集となっていました。
ミステリーではあるものの、主人公の成長も垣間見れるヒューマンドラマとしても楽しめる作品でした。
受刑者のあらゆる病気や苦悩だけでなく、刑務所ならではの問題、「刑罰とは」など社会問題にも触れていて、色々考えさせられました。
主人公の仕事面では、刑務所の医者や聞いたことのない病名などなかなか身近に感じない出来事ばかりでした。しかし、主人公のプライベートでは、認知症の母がいる、恋人とはなかなか前に一歩踏み出せないなど主人公の葛藤が、身近に感じられました。
1章ごとに異なる受刑者の異変をあらゆる人達を駆使して、解決していくパターンでした。主人公は新人でありながら、成績優秀で知識豊富。新人とは思えないテキパキさなためか、現実っぽくない印象もありました。
最後の方では、衝撃な展開が次々と急に来るので、気持ちがなかなかついていけませんでした。どうせなら、主人公と父親との関係も一区切りして欲しかったなと個人的には思いました。
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主人公は、タイトル通り刑務所のお医者さん。でも本人が希望した職場ではない。しかも、若い医師に対する患者の受刑者は見下してくる。助手の人もベテランで、新米の若い医師には立場が逆転したかの様に次々と経験値から言える指導をする。日々、薬を求めて受診に訪れる患者(受刑者)は詐病を訴えるのが多い中、本当の病気を疑う症状を見逃さない感性が真剣に病の症状に悩む犯罪者を救う結果になる。
主人公の母親は認知症を患い看病で生じるトラブルもある。そんな家庭環境を理解している彼女との恋愛では、級友の女友達とのいざこざもある。医療のメインストーリーの合間に描かれている私生活も苦楽が満載である。
冒頭の場面は、犯罪者が逃亡している情景が描かれており逮捕される瞬間で終る。その場面が中盤になり、診察の状況を一変させる。逮捕された犯罪者と主人公の医師の関係が後半の中では主軸になり、最後には背けていた感情を少し和らぐ変化が読み取れる。
不本意な感情が使命感を帯びて、前向きな気持ちに変化していく様が仕事の面、私生活の面で並行して描かれているところが現実の自分の生活を見直す考えを促される気がする。
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奨学金免除の為、神経内科医への夢を後回しに、しぶしぶ刑務所の医者になった是永史郎。
一人で認知症を患う母親の介護をする姿もまた社会情勢を反映しているよう。
慢性的な刑務関係者の不足、要介護の高齢受刑者の増加など、刑務所もまた一般社会と同じ問題を抱えている。
最低限の保証ということで、医療や介護が税金で賄われていることに理解と反感が共存してしまう。
1つ疑問が残るとしたら、なぜ母は松木なんかと結婚したのかだろうか。
史郎が3年後に刑務医を続けるのか、新たなことに向かって進むのか、続きが読んでみたい。
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神経内科医としてのキャリアを目指していたのに経済的理由で奨学金免除の義務を果たすべく3年だけと刑務所の医師、矯正医官となった是永史郎。
刑務所であるから患者は犯罪を犯した海千山千の受刑者。医務の助手は准看護師の資格を持つベテラン刑務官。限られた医療体制に薬剤、検査方法。そんな環境下でも、主人公は研修医を終えて即、単独でしかも総合医的な診断をしなくてはならない。
帯には本格医療ミステリー的な扇情的なフレーズが書かれているが、受刑者の病状を明らかにする過程は、数年前にNHKでやってたドクターGのカンファレンスを彷彿させる。
またミステリーよりも矯正医官としての成長するヒューマンドラマと感じる。学生時代の仲間、刑務所のスタッフ、家族、恋人、そして受刑者たち。物語が進むに連れて、主人公との距離感が近づいたり離れたり。楽しめた。
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02月-05。3.0点。
医大を卒業し、奨学金免除のため刑務所医官となった主人公。3年勤続で奨学金免除。次第にやりがいを見つけて。。
面白い。章立てだけど連作短編みたい。続編が読みたい。
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短編の連続で面白かった。刑務所内ミステリー。主人公が矯正医官で、プライベートも大変で気持ちを寄せやすい。父親と、恋人とこれからどうなるのか、続編が楽しみ。90
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全体的に話の濃度が薄い。良くも悪くも後味が残らずに読める。もっと入れ込んだ話かと思って読み始めたから期待外れ。
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個人的に将来の親の介護について考えることがあり、タイミングよく主人公の気持ちに重ねた。
理不尽に怒られて病気だからと思えるのは言うほど楽なものではない。ましてや父親がさらに重荷をかけてくる中で彼は本当に凄いと思う。
介護疲れで手を汚してしまう報道が増える中、色々と考えさせられる話だった。主人公の成長、また滝川との距離についてもきちんと後半に向けて考えられてて良かったと思った。彼がきちんと向き合う人だからまわりも付き合ってくれるのだと思う。
職場のプリズンと彼の過去のプリズンがうまくあわさっていたと感じた。
ただ性犯罪者について本当に刑が軽すぎる。再犯率も高いことももっと考慮されるべきだと思う。この場を借りて主張したい。
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刑務所で3年間矯正医官として働けば、奨学金返済が全額免除される──。そんな甘言に乗せられて千歳刑務所に勤めることになった是永史郎。だが、彼の希望する神経内科のキャリアにはならない仕事に嫌気が差している。そんな史郎の日々に起こる事件を追った4篇の連作短篇集。
つまらなくはないが、岩井さんにしてはイマイチだった。なんだか連ドラ化前提の原作本みたいで、どれも似たようなパターンに終始する。それでも一定の水準には達しているんだからすごいな。ということは多分好みの問題で、一般的な評価はこの作品の方が高いのかもしれない。
本作で入手可能な岩井さんの著書はすべて読了した。1作毎にジャンルも文体もバラバラでとんでもないが、どれを読んでも唸らされるすごい作家だ。今年連載が4本始まるということで(さすがに雑誌を買ってまでは読まないが)とても楽しみだ(^^)。
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「病が人を、罪に追い立てるのか?」
刑務所を出てからの再犯率の高さを考えると、最後の彼の考え方も良くわかります。
ただ、信頼関係を築きかけていたのに、このお別れの仕方は悲しいと感じました。
東野圭吾さんの「さまよう刃」を思い出しました。
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刑務所の医師として受刑者の治療にあたる主人公が関わる様々な事件を取り上げた連作ミステリーだが、もう一つのテーマは認知症の介護。
通り一遍ではなかなか書ききれない難しい問題と思うが、辛くて厳しい現実を暗くなりすぎずに正面から捉えていた感じがして小説としては良かったと思う。
登場人物の関係性はちょっとご都合よく作られた感があるが、医学生時代の仲間たちの裏話がもう少しあってもいいかも。
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神経内科の専門医を目指しながらも、奨学金返還免除のため刑務所で矯正医官として義務的に仕事をこなしていた。認知症の母親の介護、小さな頃に別れた父親との刑務所内での再会。受刑者との向き合い方を通して医療とのかかわり方も変わっていく。さまざまな人間関係の中でいろいろな心情が切なかった。