電子書籍
評判が高かったのですが
2022/04/21 17:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
機会がなくて、なかなか読めず。今までかかってしまいましたが、それだけの価値はありました。もう、おもしろいのなんの!最高です。
紙の本
人間の生業を言語化、分類する仕事の成果
2021/05/28 23:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
説明される香港のタンザニア人の生き方は、知ればしるほど機能的で一筋縄ではいかない複雑さをもつ。
それと自分の価値観とを比べると、何だか私たちが普通とか常識と考えている生き方や価値観が、本当は無数にある可能性のうちの一部にしか過ぎないんじゃないか、などと思い巡らす。
投稿元:
レビューを見る
香港で商売をするタンザニア人の生き様を観察した、論文に近いようなエッセイ。私とは真逆のようにも見える、彼らの生き方や考え方に対する、著者の人間観察がとてもおもしろい。著者も巻末に書いているけれど、彼らの生き様に、今の日本で感じる閉塞感を打ち破るヒントがあるように思えて興味深い。
などという御託は置いといて、とにかくおもしろかった!大儲けしたり大失敗したり泣いたり笑ったりな彼らの生き様に、(次はどんな手を繰り出すんだろう?何を考えてるんだろう?)とわくわくしてしまった。
投稿元:
レビューを見る
香港とタンザニアを結ぶインフォーマル経済、それは愛嬌と度胸と見栄と知恵の人間関係経済でした。グローバル経済ってシティや上海やウォール街を結ぶシステムだと思いがちですが、香港のボロい雑居ビルがいかに東アフリカと極東を繋いでいるのか、びっくりです。それを成り立たせているのがソーシャルメディア。でもイケてるベンチャー発の先進的シェアリングエコノミーとは違う、もっと猥雑なベタなネットワークなのです。純粋に経済だけを取り出したシステムではなく、人間関係の「ついで」にいろいろな経済を埋め込んである有機的な、というか食べ物の匂いが漂うような生活密着システムなのです。これからはモノ経済からコト経済へのシフトだけではなくヒト経済へ移り変わる、との予測を読んだことがありますが、この本に出てくる人々のチャーミングなこと。チョンキンマンションのハメハメハ大王カラマだけではなくフーテンの寅さんみたいな人間味溢れる人々が、暮らしと金儲けを重ね合わせて、日々悪戦苦闘する毎日。いろんなトラブルあれど人と人の関係性を厳密に追求せず、「私があなたを助ければ、だれかが私を助けてくれる」という緩さを常に保つ社会、それが巨大化し硬直化した資本主義をもっとアクティブなものにし得るのではないか?そういう主張をしている本です。人間って負の部分もあるからさ、という寛容性が未来を作る?もうちょっと追求したいテーマです。それにしても著者が、ブチ切れてお金を全部ばら撒いて、あとはタカって暮らしていくエピソードは爆笑!
投稿元:
レビューを見る
内容については著者自身が、「最終章」「おわりに」できっちりまとめている。(さすが学者。例えば271ページ「本書では、香港のタンザニア人たちのやり方にも「シェアリング経済」と似通った方法や考え方があること、そして彼らは効率性や便宜性を「ともに生きること」より優位に置いたり、信頼の格付けを目指すのとは違う回路で実践していることを明らかにした」とか)。一般向けのエッセイでありながら、かなり複雑な議論をしている。それを読者が面白く読めるのは、著者が本書で豊富な体験談を紹介しているからだろう。
投稿元:
レビューを見る
ダイヤモンド20191019掲載
BRUTUS2021合本掲載 評者:小田マサノリ(人類学者、現代美術家)
BRUTUS202215 評者:藤井保文(ビービット)
投稿元:
レビューを見る
人類学者が体験調査した、香港に滞在するタンザニア商人達の生態を記録した本。もっとアングラな感じかと思ったが、想像よりも遥かにまともで正直な人間像が描かれていた。筆者の言う通り、シェアリング経済を地で生活している、非常に面白い生態だった。最後には、ネット上の評判に基づく信用がいかに排他的なものかが書かれていて、非常に深い考察だった。
投稿元:
レビューを見る
香港の巨大安宿ビルを拠点に個人で交易を生業にするタンザニア人たちに密着、彼らのITに裏付けられた「共有型」「出入り自由型」経済社会を解き明かす。洞察もおもしろく、何より主人公のボスが魅力的。
投稿元:
レビューを見る
私にとってチョンキンマンションと言えば、沢木耕太郎の深夜特急である。
緩くてついでで遊び楽しむ事で回る経済システム。
そんな香港タンザニアの怪しいカマラ達と過ごす著者はどのような人なのだろうと思ってたら、来週の朝日新聞日曜版に載るらしい。
投稿元:
レビューを見る
香港のアングラ経済に生きるタンザニアの
人たちの価値観が、リアルに描かれている。
効率優先の現代日本とはかなり異質に感じるけど
戦後闇市はこんな感じだったのかも。
しかし、そこにInstagramやICTが前提と
されていることから、
近未来なのか前近代なのかよく分からない
カオスな状況が生まれている。
今の日本の社会システムが
上手くいっているとはお世辞にも言えない以上、
こうした異質な社会システムを見る意味は
大きいと思う。
投稿元:
レビューを見る
朝日新聞の書評で魅力的に取り上げられていた。とっても面白そうで中身が気になるタイトルだ。
東京でもよく見かける何を生業としているのかよくわからない異国の人たち。その中の「ボス」とじっくり付き合うことで、彼らのルールや生活を掬い取って解説してくれている。何よりも学術研究者らしくない態度で接することで、学術研究の対象者らしくないボス(カマラ氏)の掴み所のない生態が明らかになった、と思いきや驚くような生態などなく、それこそが私たちの先入観なのかな。
昨今流行のシェアリングエコノミーのうさんくささが、ボスたちが築く人間臭いシステムと比較することで顕になったのが小気味良いね。3.8
投稿元:
レビューを見る
読んだ.そもそもなぜ読むことになったのか思い出せないが,どこかの書評を読んでひっかかり,図書館で予約していたのだと思う.
エッセイという体裁をとった論文であるところの本書は,著者が香港の重慶大厦で実施したタンザニア人および東アフリカ地域出身者による中古車ビジネスに関するフィールドワークの結果の報告書である.報告内容それ自体体験談として相当に面白いのだが,一番読んでいてあつくなるのは間違いなく最終章である.
著者の小川は最終章において,「私が数ヶ月も生活をともにし,フィールドワークの対象として調査を行なったチョンキンマンションのボス,カラマが一体何者であり,自分は彼からいったい何を観察したのか」と自らに問い考察しようとしたとき,既存の価値観や資本主義や人間づきあいのルールや最先端のITシステムがガラガラ音をたてて崩れ落ちて,その崩れた先になおもしっかりとした足取りでたっている何かの姿が一瞬浮かび上がって,そしてまた消えていく.
投稿元:
レビューを見る
アフリカ研究が専門の筆者がチョンキンマンションを舞台に描いているのは、タンザニアから香港や広州などに商売にきているタンザニア商人たちの生活だ。タンザニアから天然石を輸出したり、中古車や衣類などを中国香港から輸入したり。
ところが彼らの仕事や暮らしぶりは、僕たちが思い浮かべる「輸出入業」とはだいぶ違う。
詳しくは自分のブログに書いた
https://link.medium.com/FBHVCRUSP5
投稿元:
レビューを見る
香港に暮らすタンザニア人、長期・短期に滞在し、ブローカーとして取引し、SNSやネットワークでつながり、裏切りと助け合いの間でともに金儲けしながら、ゆるくつながる。シェアリング経済の実践を人類学者がフィールドワークした。
仕事も生活も遊びも雑多でごっちゃで一体になった暮らし、雇用やかたまり時間の売り渡し以前の人間の生活ってこっちが普通だったんでは。研究対象にするなんて、なるなんて、すごいよ人類学者。
投稿元:
レビューを見る
あまり興味持てず、途中で中断。非合法的なとこを、見て見ぬふりをするところや、制度の悪用のようなところが、少し引っかかってしまい、また、ライフストーリーが淡々と流れていく感じもあまり引っかからず、断念。