三十の反撃

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何者かになりたいという気持ちを持ちながら、一方で非正規社員としてごく普通の生活を送る主人公。いまの韓国の若者の姿がよく描かれていた。まだアーモンドを読んでいないので、そちらも読んでみよう。

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“どんなにお金がなくても、月に一度ぐらいは映画や展覧会を観に行って外食するのが、私のポリシーだ。その程度の文化的なぜいたくは、私の自尊心に対する礼儀だ。”（p.71）

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平凡に生きる非正規雇用の女性ジヘが、同僚ギュオクの存在によって自身を見つめ直し社会に小さな反撃を始めるストーリー。反撃の内容はあまりにも稚拙で30才過ぎた大人がする行動ではないものばかりだけれど、共感できないものでもない。ただやはりそれほど感情移入できないのは、日本と韓国という文化と現代におけるポジションの違いからなのかもしれない。
ジヘのモヤモヤした想いや生き方には共感できる部分はきっと誰しもあって、私もそんな昔を思い出しながらよんだ。
それでも人は成長し、離れ、俯瞰し、生きてゆく。

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非正規職、三十歳、その歳生まれた女の子の一番多い名前のキムジヘ。平凡である彼女は世の中にも会社にも諦めていたが、心の底では何者かになりたいと望んでいる。何者でもなく、ありふれた一人であることへの葛藤と、自分らしい生き方とは。八十八年生まれの一人として生きる姿が韓国のよくある若者の姿なのかと思った。

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韓国の３０歳非正規職の女性。この世代は日本で例えると、就職氷河期世代とのこと。正社員になれずとりあえず大企業の子会社でインターンとして働いている。同じ年の男性たちと一緒に社会への小さな反撃を行う羽目になる。社会には理不尽なことがたくさんあり、多くの人が「仕方がない」と我慢して生きていると思う。ハラスメント、男尊女卑、正規と非正規、家柄、才能・・・。自分の力ではどうすることもできないことも。それでもその壁を乗り越え自分の本当にやりたいことを見つけ出していく。ちょっと背中を押された気分になった。変わる勇気に。

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『アーモンド』を書いたソン・ウォンピョンさんの第2作。30歳の女性キム・ジヘの日常を描く。ありふれた名前を持つ彼女は半地下に住み、非正規雇用で働きながら上を目指している。ある日、喫茶店で怒りの声を上げるギュオクと出会い、平凡な毎日が変わっていく。「間違っていることを間違っているというだけでも、少しは世の中が変わる」という台詞が響く。押し潰されてきた普通の人々の小さな反撃に胸が熱くなった。

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アーモンドに続き2作目。
私はこの作家さんの作品が好きだ。
エピソード自体には激しい展開は無いものの、どこか話の流れに惹かれるのか、淡々と読み進めてしまい、退屈さは全くなかった。

気がついたら読み終わっていた。

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自分は「普通」だと思う30歳の女性が、一癖ある同僚との出会いにより社会へ小さな反撃を始めるのだが、決して思い通りにはいかない。
挫けそうになりながらも、もがき続ける…人生とはそういうものなんだろう。
「存在価値とか自分の人生にどんな意味があったのか…そんな悩みを知らずに生きることは怖いこと。」
この言葉が胸に響いた。

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社会というシステムの中、なんのために生きるのかという問い、がんばることに嫌気が差してる主人公は等身大でリアル。
普通なひとりひとりが特別だというメッセージはとてもあたたかでした。

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前作の「アーモンド」が面白かったので本作を購入(著者は韓国のソン・ウォンピョンさん)。1988年ソウルオリンピックの年に生まれて、三十歳になった非正規社員のキム・ジヘは特に目的もなく平凡な生活を送っていたが、同じ年の同僚ギュオクと出会うことで、本当の自分を見つけるために社会へ反撃を始める…日本でいう就職氷河期時代の女性を主人公にした作品で、韓国の文化もいろいろなところに出てきて面白かった。今の日本の状況とよく似ている部分も多いので、共感できる人も多いハズ。

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主人公のジヘは大企業の正社員を夢見ながらも、非正規のインターンとして働く30才の女性。思い通りに行かない日常に理不尽さや息苦しさを感じながらも、声を上げられずに日々を過ごしている。
そんなジヘがギュオクと出会い、少しずつ変わっていく。
彼女の反撃はささやかなもので、それによって世の中が変わることなど無い。
悩んだりためらったり、自分を諦めそうになったりしながら、自分が本当にやりたいことは何なのか、自分は何をしたいのかを模索していくジヘは、欠点や弱さや矛盾をもったごく普通の人で、それゆえに誰もがどこかで共感できるのではないかと思う。
「間違っていることを間違っていると言うだけでも少しは世の中がかわる」というギュオクの言葉が印象的だった。

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「生きるということは結局、自分の存在を疑う(自分の人生にはどんな意味があるのか)終わりのない過程にすぎない」
私はこの主人公の倍の歳になるけれど、彼女の苦しさが我が身のように、いや我が身として感じた。だからいつも溜息を吐きながらも日々をやり過ごしている。本を読んでいる時だけそんな苦悩から解き放されている。