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商品説明
寺山修司は、何をしようとし、何をなしとげ、そして、何をされたのか? 寺山修司の文学・演劇・映画を全力で支えた、彼の秘書兼マネージャーである著者が、24年の沈黙を破って語りはじめる寺山修司の核心!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田中 未知
- 略歴
- 〈田中未知〉1945年東京生まれ。演劇実験室「天井桟敷」の初期メンバーで、制作・照明を担当。演劇実験誌『地下演劇』の編集長も務める。作曲家、楽器作家。著書に「空の歩き方」「質問」など。
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紙の本
円環の破断
2007/05/23 15:55
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:今野裕一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
円環にある「私」を破ろうとすれば定型からでて街にでなくてはならない。
対峙する、向き合うという姿勢をとる。だから寺山修司は劇場という閉じられた円環から出ようとしたのだ。納得がいく。寺山修司は中心を空洞にしたまま、終焉に様々なトリックをばらまきながら生きていたから、なかなか論じるのが難しい。この本はその手がかりになる。
寺山修司が死んでからもう少しで四半世紀になる。そしてまた5月が巡ってくる。
「寺山修司と生きて」を読みながら久しぶりに寺山修司を考えた。
今は、それぞれが自分の世界、「私」を囲込みながら世界と向き合うということになっていると思う。その世界はあくまでも「私」がチョイスした世界なのだ。限りなく「私」に近い。だから多面体である寺山修司を印象は、対する「私」の分だけ存在することになる。
田中未知の書いているシーンに私も居た。しかしピック・アップされている事柄が異る。僕は『観客席』で三浦雅士が、寺山修司のトリックに引っかかったり、夜想の『アルトー』号の寺山修司の記述、そのアルトーの引用部分に引っかかったりすることに印象があったが、田中未知の寺山修司と三浦雅士の関係はそんな風ではなかった。かくいう私も「私」によって寺山修司とあっていたのだ。
それでもこの本は、より寺山修司に近づける手引き書になる。ドキュメントでしか近づけない存在。素敵だ。