紙の本
美術史に関する情報満載の本
2019/01/30 09:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kater - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ数年著名な絵画の展覧会が開催されると足を運んでいるものの、特に美術に詳しいというわけではない私ですが、この本は情報満載で役立ちそうです。「世界のビジネスエリート・・・」というキャッチコピーはちょっといやな感じがしないでもないですが、売るための方便なのでしょうね。一気に読むには私には根気がいりそうですので、時折手に取り拾い読みをしていきたいと思います。
紙の本
ノブレスオブリージュ
2018/06/03 21:51
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あとむん - この投稿者のレビュー一覧を見る
手を出してみたものの、教科書的な形で、興味が全然わかなく頭に入らなかった。。
ただ有名な美術館には行ってみたいなと思った。
宗教的な歴史とかを読み取れるのですね。
電子書籍
世界で
2019/05/27 19:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界で活躍するためには芸術分野の知識が豊富であることが重要なのはわかった。でもたぶん世界で活躍しないけど。おもしろかった。
紙の本
歴史の中で大づかみに
2019/05/23 15:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の流れの中に美術を位置づけているので、美術に馴染みのない人間からすると歴史の本を読んでいるような印象を受けた。もちろんこの分量でマニアックな部分までカバーするのは土台不可能だが、つなぎの部分がきちんと書いてあり、各時代の流れを大づかみするには適していた
投稿元:
レビューを見る
・美術史とは、世界のエリートの、共通言語である
・美術を知ることは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶことでもある
・それぞれの時代の政治、宗教、哲学、風習、価値観などが造形的に形になったものが美術品であり建築
・美術は感性で見るものではなく理性で読むもの
初心者にもとても読みやすい本です。
丁寧にわかりやすく、興味深い話題を交えて西洋美術史について順を追ってまとめてあります。
投稿元:
レビューを見る
週刊ダイヤモンド2017/11月号あたりの広告。
内容紹介
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「美術史を知らずして、世界とは戦えない」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
西洋美術史家・木村泰司氏がビジネスエリート必須の教養「西洋美術史」をわかりやすく解説。
これ1冊で約2500年分の美術、そして関連する世界史の知識が身につく!
日本人は絵画を「感性」で観るものととらえがちです。
しかし、美術の背景には、各時代の歴史や価値観、文化、そして経済状況が表れています。
つまり、美術を知ることは、世界的な教養を学ぶことでもあるのです。
たとえば、古代の彫像がすべて裸だったのは、その時代の価値観が反映されているからです。
また、有名な建築様式「ゴシック建築」には、当時のフランスの政治的なメッセージが隠されています。
さらに、ルイ14世は絵画を絶対王政の象徴として、
またナポレオンは自身のイメージ戦略にそれを利用しました。
こうした美術の裏側に隠された歴史的な背景を知ることで、
これまで以上に美術が楽しめることはもちろん、
当時の欧米の歴史や価値観、文化など、
グローバルスタンダードの教養も知ることができるのです。
本書では、これら美術の裏側にある歴史的背景について、
約2500年分を1冊に凝縮して解説していきます。
これ1冊で、あなたもグローバルスタンダードの教養を身につけられるはずです。
【もくじ】
はじめに 美術史とは、世界のエリートの「共通言語」である
第1部 「神」中心の価値観はどのように生まれたのか?
なぜ、古代の彫像は「裸」だったのか?/ローマ帝国の繁栄と帝国らしい美術の発達/キリスト教社会がやってきた/フランス王家の思惑と新たな「神の家」
第2部 絵画に表れるヨーロッパ都市経済の発展
西洋絵画の古典となった3人の巨匠/都市経済の発展がもたらした芸術のイノベーション/自由の都で咲き誇ったもうひとつのルネサンス/カトリックVSプロテスタントが生み出した新たな宗教美術とは?/オランダ独立と市民に広がった日常の絵画
第3部 フランスが美術大国になれた理由
絶対王政とルイ14世/革命前夜のひとときの享楽/皇帝ナポレオンによるイメージ戦略
第4部 近代社会は、どう文化を変えたのか?
「格差」と「現実」を描く決意/産業革命と文化的後進国イギリスの反撃/産業革命の時代に「田舎」の風景が流行った理由/なぜ印象派は、受け入れられなかったのか?/アメリカン・マネーで開かれた「現代アート」の世界
投稿元:
レビューを見る
ベストセラーの裏側『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』 木村泰司著 しぶとい「あこがれ」の図式
2018/10/6付日本経済新聞 朝刊
昨年10月刊行の本書は美術史を「欧米人にとって必須の教養」と唱え、日本人が「世界のエリート」とビジネスする際の重要な「コミュニケーション・ツール」と位置付けた。西洋美術史家の著者、木村泰司氏が古代ギリシャ・ローマ彫刻、ルネサンス、印象派など西洋美術史の要点をかいつまんで解説。「アートがビジネスに役立つ」という切り口の新しさが注目され、初版6千部から8刷5万2千部まで発行部数を伸ばしている。
編集担当の畑下裕貴氏が「素人の自分でも分かりやすい美術史の解説本があれば」と考えたのが刊行のきっかけだ。ビジネス書の版元としてのイメージを生かし「ビジネス書コーナーに置いてもらえる本作りを心がけた。普段は美術書の棚に行かない読者層にもアピールできる」(畑下氏)。結果、美術入門書としては異例の体裁になった。表紙は文字のみ。本文も「読み物としての性格を強調する」ため、わざとモノクロにした。
著者の木村氏も本文で「美術は『感性』で見るものではなく、『理性』で読むものである」と強調する。美術品の背景にある歴史や文化の知識を得られる概説本として、都心のビジネス街で受け入れられた。東京では丸の内や日本橋地区の売り上げが上位を占める。
ただ、本書の内容がビジネスの現場で役に立っているかどうかははっきりしない。「世界のエリート」といっても実際には欧米よりアジアの人々と付き合う機会のほうが多いだろうし、相手が欧米人だとしても、日本美術の魅力を解説したほうがむしろ好印象かもしれない。だが、残念なことに「東洋や日本の美術史をビジネスと結びつけた本を作っても、西洋ほど売れない」(畑下氏)という。「西洋=世界」「西洋=あこがれ」という図式は、しぶとく残っている。
(郷原信之)
(ダイヤモンド社・1600円)
▼著者は企業向けセミナーも手掛ける。続編『名画の読み方』を刊行予定。
投稿元:
レビューを見る
教養として西洋美術史を知っておくことの意義を感じた。古代ギリシア美術から現代アートまで、時代背景も理解しながらの美術史の旅はとても楽しいですよ。
投稿元:
レビューを見る
美術も社会や経済などの仕組みに寄り添うものだってことが、過去からわかりやすく認識できる。作品的にはエドゥアール・マネの「フォリー=ベルジュール劇場のバー」か印象に残った。しかし、ビジネスエリートが身につけるべきってタイトルが、電車の中で読んでると、いけすかない感、もしくはお前ビジネスエリートちゃうやろ感を醸し出してんじゃないかと、ヒヤヒヤしてしまった。
投稿元:
レビューを見る
これで世界のエリートと伍することができるとは思えないけど。ある程度の知識は付くかしらん。歴史的要素に偏っているので、もう少し技法的なことを知りたいと思った。また現代アートについては全く触れられていない。
投稿元:
レビューを見る
美術は歴史的背景含めた教養である点は大賛成なのだが、「ビジネスエリートは自国の美術にも造詣が深い」と冒頭で謳うなら筆者はまず日本美術を語るべきじゃないかと思うのと、内容が著者の知識自慢に寄っており体系立っているようで体系立っていない、要は読み難さがある。
上記の気になる点はあったが、美術好きには興味深い内容であった。特に新古典主義や印象派の当時の扱いや、文化後進国であったフランスがある種の文化先進国(過激派?)に至るまでの歩みは面白い。
小中学生で美術の授業があり当時は作品意図などまるで興味が湧かなかったが、歴史や文化に明るくなったいまだからこそ改めて美術を学びたい気になった。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに上野の西洋美術館にいきたくなった。
宗教との関係やヨーロッパでの絵画の位置付けなど歴史を織り混ぜて解説されてて分かりやすい。
投稿元:
レビューを見る
美術が政治や社会情勢と強く結びついたものだということが分かるし、教養として芸術の知識を身に着けておくことが重要になる。「印象派」という言葉も、「ビッグバン」という言葉と同じようにネガティブな意味から逆に広がってしまったということで、攻撃したりするにしても、下手にキャッチーな言葉を使ってしまうよりも、黙っていたほうが良さそうだ。
投稿元:
レビューを見る
圧倒的な簡潔さとわかりやすさ。歴史的・社会的背景がその時々の西洋美術にどのように影響してきたかがすんなり理解できる良本。個人的には美術そのものの社会的意義を捉えなおす良い機会になった。「世界のビジネスエリート」云々の副題が少々イヤラシイが、中身にはスノビッシュなところは皆無なのでご安心を。
以下読書メモ
第1部 「神」中心の世界観はどのように生まれたのか? -ギリシャ神話とキリスト教
なぜ、古代の彫像は「裸」だったのか? 【ギリシャ美術】
* 理想としての男性美(古代オリンピックは裸で競技)を追及する古代ギリシャ思想を反映した「クラシック様式」
* アレクサンドロス3世の遠征による版図拡大による被支配地域との文化融合「ヘレニズム文化」。理想主義から個性を重視した写実主義へ
* ローマによるギリシャ征服(B.C.146)。クラシック様式の美術品が多く摸刻され現在に残る
* ギリシャ文化のローマに対する先進性。ギリシャ美術の「美の規範」化
ローマ帝国の繁栄と、帝国特有の美術の発達 【ローマ美術】
* 「パックス・ロマーナ」による経済的繁栄
* ローマ人の伝統としての肖像彫刻…ヘレニズム期の写実主義の影響。皺は老成の象徴(古代ギリシャでは老醜)
* コロッセオやテルマエ等の大規模建築物を可能としたローマン・コンクリート。「パンテオン」は西洋建築の源流
* コンスタンティヌス1世「ミラノ勅令(313)」によるキリスト教公認…キリスト教美術の幕開け
キリスト教社会がやってきた 【宗教美術・ロマネスク】
* 5世紀以降のフランク王国との結びつきによるキリスト教布教促進…「宗教美術」=文化的後進圏への布教のための「目で読む聖書」
* 「ロマネスク」=修道院や教会のための美術
* 終末思想に基づく「巡礼」ブーム…巡礼路における宿泊施設としての修道院の整備⇒「都市」の誕生
* 聖遺物崇拝⇒聖堂への巡礼ブーム
フランス王家の思惑と新しい「神の家」 【ゴシック美術】
* 「ゴシック様式」…フランス王家臣支配下地域の建築の特徴を統合、被支配地域に対する威信の誇示
* ゴシックの特徴…視覚的宗教的高揚感を高めるための「神の光」…ステンドグラス
* イタリア伝統様式との統合⇒「国際ゴシック様式」…神の世界から現世へ、ルネッサンスの息吹
第2部 絵画に現れるヨーロッパ都市経済の発展 ールネッサンスの始まり、そして絵画の時代へ
西洋絵画の古典となった3人の巨匠 【ルネサンス】
* 14世紀イタリア知識層のラテン文化のルーツ探求から発した、キリスト教のローマ国教化以降軽視されてきた「古代ローマ・ギリシャ芸術・学問の再興」
* 神と宗教が中心であった中世から、「人間」が中心の時代へ…より人間味ある宗教画登場人物の描出
* 多芸な職人から貴族文化人としての「美術家」へ…ダヴィンチ・ラファエロ・ミケランジェロ ←メディチ家の支援
* 西洋美術におけるラファエロ様式の古典化…のちの「古典主義」の源流
* マルティン・ルターによる宗教改革(1517)、スペイン王カール5世によるローマ劫掠(1527)⇒カトリック・ローマの影響力低下
* ルネサンス三大巨匠の模倣から、画家独自の個性や技法が強調された「マニエリスム」へ…「トレント公会議(1545~63)」での古典的な宗教美術への回帰、ルネッサンス終焉
都市経済の発展がもたらした芸術のイノベーション【北方ルネッサンス】
* フランス王国支配下のブルゴーニュ公国ネーデルラント地方の港町ブルッヘを中心とした貿易経済の発展、裕福な市民階級の登場…現実(写実)主義、象徴主義、自意識の目覚め
* ボス、ビーデルらの作品の社会的メッセージ性…当時の世相の反映
自由の都で咲き誇ったもう一つのルネッサンス【ヴェネツィア派】
* コンスタンティノープル陥落(1453)によるオスマン帝国の勃興…貿易大国「ヴェネツィア共和国」が衰退するなか、政教分離・法治主義によるリベラルな空気下で美術が興隆
* 大家ティッツァーノにみられる官能性・享楽性
* 18世紀にヴェネツィア絵画の再復興…自由主義、享楽主義が多くの修学旅行者を引き付ける(グランド・ツアー)
カトリックVSプロテスタントが生み出した新たな宗教美術【バロック】
* サン・ピエトロ大聖堂改築資金調達のため「贖宥状」の販売⇒マルティン・ルターによる宗教改革(1517)、プロテスタントの誕生。宗教美術の否定…聖像破壊活動(イコノクラスム)
* カトリックによる対抗宗教改革開始。「イエズス会」認可、世界規模の布教活動開始。「わかりやすさ」「高尚さ」を重視した布教ツールとしての宗教美術(バロック美術)の誕生
* バロックの二つのアプローチ…①ラファエロ源流の古典派、②カラヴァッジョによる革新派…聖俗の混在
* フランス古典主義=アカデミズムの確立、イタリア「ボローニャ派」の台頭
* ベルニーニのバロック建築を中心としたカトリック・ローマ美化運動
* ローマ外でのバロック絵画の興隆…ネーデルラント・フランドル地方…ルーベンス、スペイン…ベラスケス
オランダ独立と市民に広がった日常の絵画【オランダ絵画】
* オランダ独立(1648)、アムステルダムの経済発展。カルヴァン主義による宗教美術否定…肖像画・風俗画・風景画の発達 ⇒「ジャンルのヒエラルキー」確立
* レンブラント、フェルメール…王侯貴族ではなく、市場をパトロンとした肖像画の傑作群
第3部 フランスが美術大国になれた理由 ー”偉大なるフランス”誕生の裏側
絶対王政とルイ14世【フランス古典主義】
* ヴェルサイユ宮殿に象徴される太陽王ルイ14世による中央集権化…美術を国威発揚に利用、公的な様式の要求
* 王立絵画彫刻アカデミー(美術アカデミー)設立(1648)。イタリアに対する後進性の原因となった縁故主義による作品の質低下を防ぐため設立。美術家のエリート意識醸成
* プッサンの美術理論に基礎を置くフランス古典主義…知性と理性に訴えるフォルムと、秩序に基づく安定的な構図。反大衆、教養主義的
* 古典主義以前のフランス様式…ルーヴル美術館:フランソワ1世その他の王によるコレクション。代表作品「モナ・リザ」
革命前夜のひとときの享楽【ロココ】
* ロココ文化…ルイ14世���対王政下の厳格な文化への反動。貴族的・女性的文化の隆盛。恋愛至上主義
* 「ルーベンス派」…フランス古典主義「プッサン派」への反動。理性に訴える「デッサン」ではなく、感性に訴える「色彩」を重視
* フランス革命によりロココ絵画は貴族文化の象徴であるとされ衰退。ただし産業革命後はブルジョワジーからの羨望の対象に
皇帝ナポレオンによるイメージ戦略【新古典主義・ロマン主義】
* フランス革命(1789)によるブルボン王朝崩壊、共和制確立。
* 新古典主義…貴族主義的なロココ絵画への反動。ナポレオンによる古代ローマの理想視と同調。美術の力を定位と帝国のイメージ戦略に活用。アングル「グランド・オダリスク」
* ロマン主義…色彩と感性、人間の本質的内面を重視。ロマンス語による中世の歴史物語に由来。ジェリコー「メデュース号の筏」、ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」…一般市民が絵画の題材に
* 「公的な美」新古典主義と「人文主義」ロマン主義の間で揺れるフランス美術界
第4部 近代社会はどう文化を変えたのか? ー産業革命と近代美術の発展
「格差」と「現実」を描く決意【レアリスム】
* ナポレオン3世統治下での経済発展により、フランス社会のブルジョワ化・都市化が進展…労働者階級による社会主義運動の広がり
* 社会主義的画家クールベによる「レアリスム(写実主義)」…「石割人夫」。フランス古典主義やロマン主義の「理想化=あるべき姿≠あるがままの姿」への反動、「主題の近代化」
* マネ「鉄道」…三次元からの脱却、何を描くのかではなく「どう描くのか」、現代社会の本質に迫る。「沐浴」「オランピア」現実的過ぎる裸体
産業革命と文化的後進国イギリスの反撃【イギリス美術】
* 英国美術の後進性…エリザベス1世英国国教会(1534)の改革(1559)による聖像破壊活動、宗教美術の禁止。純国産芸家の不在
* 英国独自の発展を遂げた肖像画…王侯貴族社会ゆえのニーズ、亡命フランドル人の影響。「グランド・マナー」…肖像画の対象を神話的に演出。
* 産業革命による中産階級の出現…国力増に伴う田園風景の理想化。ロマン主義の影響。クロード「理想的風景画」
産業革命の時代に「田舎」の風景が流行った理由【バルビゾン派】
* 産業革命による都市部ブルジョワジーの台頭…個性や感性を重視、歴史画より親しみ易い風俗画・風景画・静物画を好む。わかりやすさを好むオランダ美術との相似性
* 「バルビゾン派」…経済成長の反動としての田園の景への郷愁・安らぎ。ミレー「落穂拾い」。アメリカにおける受容⇒印象派の斥候的役割
* 美術アカデミー下の「サロン」の影響力…新古典主義(=アカデミズム)の絶対的優位、美術近代化の足枷
なぜ、印象派は受け入れられなかったのか?【印象派】
* 印象派…対象にではなく、自分の視覚に対し忠実な「色彩分割(筆触分割)法」を用いる。「貴族的」な美術アカデミーに対峙するる「ブルジョワ的」価値観
* 印象派のリーダー的存在マネのもとに集まる画家たち…ドガ、モネ、ルノワール。サロン中心の美術界に受け入れられず独自の「グループ展」設立。当初酷評も認知広がる。「ポスト印象���」への広がり…セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン
* アメリカによる新進性の許容…すでに経済大国となっていたアメリカでのモネの成功が本国フランスでの名声確立へ
アメリカン・マネーで開かれた「現代アート」の世界【現代アート】
* アメリカ人のヨーロッパ、特にフランスへの文化的コンプレックス⇒幅広く美術品を収集、財を未来へ投資するプロテスタント精神・資本主義・愛国心・寄付文化⇒美術館文化の情勢
* 建国以来の純粋なブルジョア社会、大富豪による収集…モルガン、ロックフェラー、アスター、リーマン家。学歴社会ゆえの権威主義
* アートの大衆化(17世紀オランダとの相似性)。ノブレス・オブリージュ(高貴ゆえの義務)・企業によるメセナ活動による芸術活動への経済的支援
投稿元:
レビューを見る
美術館で絵画や彫刻を鑑賞する際に、作品の背景を知らずにもやもやすることが多い。特に神話や宗教などを題材にしたものはほとんどお手上げ状態。ただ単に好きか嫌いかで判断するだけで、とても鑑賞しているとは言い難い。そこで手に取ったのがこの本。西洋美術史の流れを平易な語り口で解説している。取り上げている作品ひとつひとつに言及するのではなく、古代ギリシャから現代アートまでの変遷をわかりやすく語っている。この本をとっかかりにして、さらに詳しく学んでみたくなった。