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許されざる者 (創元推理文庫)
【英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞】【ガラスの鍵賞(2011年)】【スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞】国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソ...
許されざる者 (創元推理文庫)
許されざる者
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商品説明
【英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞】【ガラスの鍵賞(2011年)】【スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞】国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、25年前の未解決事件の犯人について懺悔で聞いていたというのだ…。【「TRC MARC」の商品解説】
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。【商品解説】
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電子書籍
表紙の美しさも読後、より迫る。
2019/06/27 01:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
<スウェーデンミステリの重鎮>と紹介されてからもう一年以上・・・「重鎮とか巨人とか何人いるんだろう」と思いながら、別作品の翻訳が出ないのかと待っていたのだが、出る気配がさっぱりないので読んでしまうことにした(そう、ずっと読みたかったのだが、読み終わるのがもったいないかも・・・と手を付けられずだったのである)。
そしたらもう、566ページというそこそこの大作なのにもかかわらず読むのをやめられず。読みかけの別の本に手を伸ばすこともなく、一気に走り抜けてしまった。
かつての国家犯罪捜査局長官のラーシュ・マッティン・ヨハンソンは定年で引退後の生活を送っていた・・・が、ある日突然脳梗塞で倒れ病院に運ばれる。右半身に麻痺は残ったものの、命は助かった。ヨハンソンの経歴を知った主治医のウルリカから、牧師をしていた父親が聞いた告解が過去の未解決事件に関係しているのでは、と相談される。25年前、9歳の少女ヤスミンが殺された事件だが、残念ながら時効が成立していた。警察では捜査できないため、ヨハンソンはかつての同僚(彼も定年している)、介護士、かつての部下(今はスウェーデン警察や公安部などの上層部にいる)らの手を借りながら、アームチェア・ディテクティヴばりに調査を進める・・・という話。
いやー、幼児・子供を対象とする性犯罪者ってこんなにも全世界的に憎まれているというか、死刑のない国でも「無残な死を迎えて当然」と多くの人に思われているんだな・・・ということを改めて感じさせる。勿論ヨハンソンは法律を重んじているので、私刑を決して肯定しない。
『コールドケース』的な物語を重厚で長大にしているのは、ヨハンソンの闘病・リハビリの描写もあるから。
もともとヨハンソンを主役にしたシリーズがあるようで、シリーズ最後の作品を先に読まされてしまったような微妙な気持ちもある。脳に負荷のかかった患者が、これまでの性格とはまったく違うような言葉や言い方をする、というのはよく聞くけど、事前にヨハンソンのキャラを知っていればもっと驚くことになったのかもしれないな、と思ったり。
犯人は後半の早い段階でわかるのだが・・・犯人当てがこの物語の趣旨ではない。
法で裁けない犯罪者に対してどうするべきか、について多く割かれるのが非常に今日的で、日本だったらここまでいくかな?、と考えさせられる。
なるほど、ヘニング・マンケルでもなく、アンデシュ・ルースルンドとも違う、<スウェーデンミステリの重鎮>という呼び名にふさわしい。
“事件”にかかわってしまった基本的に善良な人々は、その後の人生にずっとその影を引きずり、もう元の世界には戻れないということがこんなにも伝わるとは!
そして<つながり>は人知を超えたところにある、とでもいうような運命的なもの(場合によっては神の采配ともとれるような)。
やはり北欧ミステリは面白い。やばい、またはまりそう。
紙の本
頑固一徹刑事の最後の事件
2018/09/30 17:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
時効を迎えた事件の犯人をどうするかというテーマが物語の中核にあるのだけれど、最後まで読んでみると、脳梗塞で倒れたヨハンソンの最後までの日を綴った話なのかなと思いました。この犯人は少女を強姦して殺害したあとも、二十五年間のうのうと生き延びています。逆にいうと、現在進行形で悲劇が起こっているわけではなく。すっかり冷たくなった事件を考古学のように再検討していく様子は、淡々としています。ですが、ヨハンソンが協力者たちとの交流を経て、残りの人生に生きる意味を見出していくという心温まるストーリーが並走しているのです。
紙の本
北欧ミステリの大御所登場!
2018/05/18 16:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tolk - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳者押しですが、収穫でした。
解説にもありますが、本国スウェーデンではとても人気があるのに、この『許されざる者』が、初めて日本語に訳されたものだそうです。
テーマは重いですが、軽妙な語り口と『ミレニアム』やアストリッド・リンドグレーンなどスウェーデンを代表するネタがちりばめれており、くすっとさせられます。
他のシリーズの翻訳も出版されることを期待します。
紙の本
読むうちにだんだん面白くなっていく
2019/05/11 13:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バニー - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっと堅苦しい話かと思ってたけど、そんなことなかった。
よくしゃべるし、自分の思い通りにならないと気が済まない子供っぽさのあるじいさんという感じ。悪態もよく吐く。
でも、周りからはすごく慕われている。
人を見た目や立場で態度を変えたりしないし、とても人思いであると思う。
自分の行動に気に病んでる人がいれば、それを払拭してくれるような助言をしたりしてくれる。
ただ、最後までしっかりケリをつけて欲しかった。
知らぬ間に片が付いてしまっていたのがすごく不満。
紙の本
本邦初翻訳の作家さん。鳴り物いりです。
2018/11/12 22:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
スウェーデンミステリー界の重鎮とのことです。
大学で学んだあと、国家警察委員会で十年ほど務めます。
同時期にスウェーデン統計局のコンサルや、社会省の
科学アドバイザーなども請け負っていますのでフリーランス
なのでしょうか。
日本では馴染みのない働き方ですが、いろいろな仕事を
引っ張れる才能があるのですね。
しかし警察委員会での仕事でスキャンダルに巻き込まれて
解雇され、運命が動き出します。
三十代中盤で小説を書き、同時期に博士号をとって
ストックホルム大学の講師の職を得ます。
のちに犯罪学教授へとステップアップしていきます。
かなりの略歴ですね。
犯罪学に関する多数の著作を中心に、趣味の本や
TVシリーズの脚本も手掛けています。
このTVシリーズが、躍進に重要だったようです。
数々の実績をひっさげ、五十代後半から小説の再スタートを
切ります。犯罪学の人なので、ミステリーに関する造詣は深く、
過去のTVシリーズや小説ではいろいろなタイプの警察官や
刑事が登場しています。
その集大成的な作品が、許されざる者なのです。
巻末の解説を読みながら、小説の場面を思い起こすと
大量の個性的な配役に意味合いを感じずにはいられません。
登場人物それぞれについて、きちんと書いてあります。
文章はすーっと入ってくるのに、物量の多さに消化不良になるという、
なかなか骨の折れる一冊でした。とても不思議な感じです。
それにしても、最初から最後まで張りめぐらされた物語の完成度に
驚くばかりです。犯人と探偵がクローズアップされる作品が多い中で、
わき役たちがこんなにも光っている作品はなかなか出会えません。
この作品によって次の翻訳への道が開けることを期待したいですね。
登場人物それぞれが持っている物語を、ゆっくり読んでみたい
気持ちになりました。
この作品は最優秀の警察官が登場します。ラーシュ・ヨハンソンです。
定年で引退した元長官の別名は、角の向こう側を見通せる男です。
殺人捜査の黄金の三か条を信条としています。
状況を受け入れろ。
無駄にややこしくするな。
偶然を信じるな。
示唆に富んだ言葉だと思います。
脳血栓で倒れ、運び込まれた病院での生活と、自らの生命線である
犯罪者との戦い。時効を迎えた無念の少女犯罪を、
自分の人生をかけて雪辱を果たすという物語です。
元長官の名のもとに集まってくる現職警官たち。
警察のプライドがかかっているのに、手を出せないもどかしさを
ヨハンソンが導いてくれるという展開です。
犯罪に関わった人たちの人間性が垣間見えるのも魅力的です。
他の作品もぜひ読みたいですね。