紙の本
社長、今や決断の時です!~未来に、自分の子供、孫世代の快適な環境のための投資が出来ますか~
2010/06/10 07:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて企業は自らの経営効率を高め、ライバルに負けない施策を打ち出し、利益をあげることが重要であった。勿論顧客のニーズを的確に捉えるということが必要であるが・・・。
それが企業が存続する術でもあった。
さて今般、サステナブル(持続可能であるさま)という事が言われだした。人間が人間だけの利益を考え開発を進めると、地球環境がその開発により侵され絶滅の方向へと進む、地球環境の維持を考慮し、または地球環境の改善を考えた、自社開発を行い、地球環境のサステナブルと共に企業のサステナブル(継続性・存続性)を考えなさい、という事であると理解している。
本書は、まず近年の地球環境が、地球が誕生して以来、急速に悪化の途をたどっている点を指摘し、本気でサステナブルを考えないといけない点を提案(警告)し、個人の考えを企業という組織の考えに昇華させる困難さを理解しつつ、先行する企業の事例を紹介しながら、今からでも対応すべきとの提言を行っている。
(言葉として適切ではないが)近年の流行でもあるため、サステナブルを経営方針に掲げる企業も増えている。しかしどこまで本気で取組んでいるのかが重要であろう。題目の様に掲げ、従来の延長の姿勢の傍らで実績としてカウントできそうなものをちまちまと計上するという様な取り組みでは、地球環境の悪化を阻止できない。変革が必要である。個人個人の意識の変革、そして企業経営としての意識の改革、それがなされない限り、今回の問題は解決できそうに無い様である。
現在会社の経営層にとっては、死ぬまで大きな問題には直面しないであろう。どれだけ未来に、自分達の子供の世代に投資できるのか?その決断を迫られていると考える。
社長、どうしますか!!?
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システム思考や組織学習の第一人者による、(環境分野に主眼をおいた)社会変革のための書。世界で大きなうねりが生まれていることがびんびん伝わってくる。
時代認識
現代は工業化というバブルの中にいる。大量に生産し、大量に消費し、大量に廃棄する。その螺旋はどこまでも拡大するかに見える。しかし実際は、大量に生産しようにも資源が枯渇し、大量に廃棄しようにも環境が許さなくなるだろう。これはバブルなのだ(!)
工業化社会というバブル時代には次のような世界観があった。エネルギーは無尽蔵で安価である。ゴミはいくら出してもどこかに捨てることができる。生活水準の外揚げをして社会の格差を縮めるには、経済を発展させGDPを押し上げるのが最善の方法だ。などなど。
しかし、バブル後にはこれらと全く異なった世界観が大事になるだろう。エネルギー収入の範囲内で生活する、足るを知る。廃棄物をゼロにする。私たちは次の世代の人々に借りを作っており、それを返済しなくてはならない。人間は自然の驚異の一部に過ぎない。地球の恵みを大切にしなくてはならない。多様性を歓迎し、コミュニティづくりに力を入れる。
すべきこと
大きな変革を行うためには、個人だけでなく組織として学習をして良く必要がある。欠けてはいけない3つの要素に、望ましい未来を切り開く、境界を超えて共同する、より大きなシステムを捉える、というのがある。
勇気づけられるのは、少人数でも大きなうねりを生み出せる、という記述だ。組織の中の20%が動くようになると、一気に事は大きく動き出すと言う。
定常化社会との関連
『コミュニティを問い直す』で広井良典の著作に触れ、『定常化社会』という言葉を知ったが、バブル後の社会と同じことを意味しているのではないかと感じる。社会の教科書に載っていた人口爆発のグラフも、これがずっと続くことはありえないのだから、次にどうなるのだろうと不思議に思った記憶がある。本書などで提示されているようになるのだろうか。違うか。自分たちがどうして行くかの問題か。
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2010.6.14
最初はつまんないと思ったけど、だんだん引き込まれていった。
多国籍企業も頑張ってるんだな。まだまだ捨てたもんじゃない。
こーゆー先進的な取り組みをしている企業に行ってみたいかもって思った。
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限りある資源や自然の回復力といった環境の中で、持続可能な生命活動に向き合うグリーン革命の意識と活動のあり方が概観できる、とても刺激になる本だ。
現在と将来、そして社内と社外の2つの軸からなる「持続可能な価値のマトリクス」は、4つの領域のうち現在の対応になりがちな実情と将来に向き合うことのメリットを痛感させてくれる。
課題対処や問題の解消ではなく、描くビジョンへの創造という前向きな思いを明確にし、力を合わせることの大切さを学んだ。
率先、反対、追従、傍観という「フォー・プレーヤー・モデル」は、この4つの行動タイプのメンバーがバランスされてこそチームが円滑に機能するということで、目からウロコだったが、自分の行動パターンでも意識的に使い分けたいと思った。
資源配分や消費・廃棄などの活動の環境への影響に関しては、グローバルな観点で同意する思いと資源や気候などの自然そのものの偏在性、例えば水資源が豊富な地域で節水する必要性がどれだけあるのかなど、生活圏レベルでのローカルな支店での取り組みの違いもあってしかるべきと感じた。
10-72
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システム思考を環境問題に適用する。
多くの人が思いつき、手を付け、挫折しただろう。
本書は、結果としてシステム思考を活用しているかというとそうでもなく、環境問題の啓蒙書とビジネス組織論の折衷みたいな本となっているが、扱うテーマの解の見えなさから考えてもこれくらいできれば上出来だろう。
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今後の環境変化に対して企業(組織)が如何にして適応していくかを組織学習をベースにした変革を記した著。組織変革を生みだす方法論を提起している。特に昨今の気象変動に伴う組織対応の在り方は重要な視点である。
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ピーターセンゲのポスト工業化社会に向けて、私たちは何をすべきか、を論じた本。買ったのは随分前だが、読み進めるうちに、震災以降に起きた社会の変化がオーバーラップしてきた。様々な連帯からイノベーションは生まれる、全ての人が主体者になる、身の丈以上の事に想いを馳せる、行動する。この本から得られるメッセージは多い。再読必須。
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システム思考ができれば、とりあえず、メーカーの売り文句「節電」「節水」...etcではなく、何が地球として、我々が生きていくのに重要なのかもう一度考えられるのではないかなぁと思いました。
また、人を巻き込むお話は、やっぱり規模が大きいので、なんとなく遠い目になってしまいます。でも、この問題に限らず、大きなプロジェクトにはきっと必要なスキルだと思います。
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辞書並みにでかい本。
だけど、それほどに開設することが多いチーム改革。ひとつひとつを丁寧にこなす必要はないが、重要なのは意識の居場所。
それを動かすのがチームのリーダなのです。
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珍しく飛ばし読み…。環境問題に限定した感じが(関心はあるけれど)ちょっと興味を損なったか。イノベーションは小さい所からも起こる、というようなぐっとくるメッセージもあったけど。
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組織と個人による変革/
The Necessary Revolution:
How Individuals And Organization Are Working Together to Create a Sustainable World ―
http://www.nikkeibook.com/book_detail/31602/ ,
http://www.naturalstep.org/
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持続可能な未来を目指すにあたり、以下の主張が何度も繰り返されている。
・危機への直面をきっかけに、脅威を取り除こうとする受け身な「問題解決」は長い目で見ると傷口を広げかねず、あるべき姿、望ましい理想に現状を近づけ実現する「創造」という発想へシフトするが未来を切り開く鍵となる。
・課題(現状と理想のギャップ)が大きいほど、1人の知恵や力量でできることは無くなっていくため、誰かがトップダウンで引っ張るのではなく、ある程度軋轢を受け入れながらも対話により複数の組織が協働することが不可欠となる。
読み始めはワクワクしていたのに、どうも後半ダレてしまった。
500ページ程度難なく読めるぐらいの体力は欲しいすなあ…(軟弱)
要再読。
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「学習する組織」のメソッドを、地球環境レベルの持続可能性に関する問題解決に活かすための理論と実践の書。「システム思考」をもって「境界を越えた協働」を行う個人と組織が、「望ましい未来」を切り開く。
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「出現する未来」で、経営学の世界、さらには資本主義の世界を超越してしまったピーター・センゲの新著。で、原題のタイトルが、”the neccesary revolution"(必要とされる革命)とくると、かなり期待が高まる。お、ついに、持続可能な世界に向けた社会革命にむけたセンゲの21世紀版、「共産党宣言」か????
と思い、翻訳が待ちきれず、原書を買って、パラパラ読み始めるが、今ひとつ、元気がでない。
で、翻訳がようやくでたので、読んでみたけど、やっぱり今ひとつかなーーー。
知らない事は基本的には書いてない。
センゲの学習する組織関係の本を読んで、また彼が最近はビジネスより持続可能な社会変革に関心をもっていることを知っていれば、当然、そういうことが書いてあるだろう、と思われることが、書いてある、というわけ。
なんだか、ぶっ飛んでしまった「出現する未来」から、一歩、後退というか、一般のビジネス系の読者にも分かるように、説明しなおした、という印象かな。
でも、今や、マイケル・ポーターまでが、CSR経営を論じる時代である。原題のタイトルに比べてのインパクトがないな。
多分、この本のよいところは、さまざまな企業などで持続可能性に取り組んだリーダーたちの物語なのだろう、と思うのだが、訳の調子のせいかな、今ひとつ、感動的という感じにはならなかった。
難しい本ではないが、今ひとつ、本を読むペースがあがらず、読むのに1ヶ月近くかかってしまった。。。。
ぜひ、つぎは、「出現する未来」のその先、あるいは、そのフィールドブックみたいなのが、でるといいな。。。