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商品説明
非商業的な方向の中で、創作劇か翻訳劇かを問わず、「劇」という芸術形式に対する革新を持続的に目指す演劇「新劇」の通史。第1巻は、「翻案劇から翻訳劇へ」「プロレタリア演劇の盛衰」など、明治から終戦までを描く。【「TRC MARC」の商品解説】
第一級の基礎資料
演劇界の重鎮が生涯のテーマとした表題作を世に問う、渾身の近現代演劇史。本巻は昭和20年の敗戦までの歴史を辿る。
わが国の新劇は、明治期、ヨーロッパ近代劇の翻案・翻訳作品を上演したことから始まる。その端緒を担ったのが川上音二郎だった。その後明治後期、坪内逍遥や島村抱月らによる文芸協会の創立、小山内薫や二代目市川左団次らによる自由劇場の活動などが、その基礎を築いていった。
そして日本で初めて、小山内薫らを中心に現代劇専門の築地小劇場が結成されたのが大正13年6月。今から1世紀近く前のことだった。新劇はここから多くの物語が繰り広げられることになる。
その中で忘れてならないのが、政府からの弾圧によってさまざまに変遷を重ねた演劇運動の歴史だろう。その中から現在でも活動を続ける文学座や俳優座が誕生し、同時に多くの劇作家や俳優が獄中の人間となっていった。
著者の筆致はあくまで事実に即して淡々、膨大な新聞記事や劇評、文献を駆使しながら舞台の姿を追っていく様は、歴史の真実を語って迫力に満ちている。【商品解説】
西洋演劇の翻案・翻訳によって産声をあげ、小山内薫らによる築地小劇場で基礎を築き、政府の弾圧の中変貌する現代演劇の姿と歴史を劇界重鎮が開陳。【本の内容】
著者紹介
大笹 吉雄
- 略歴
- 〈大笹吉雄〉1941年大阪生まれ。早稲田大学第一文学部卒。演劇評論家。サントリー学芸賞、朝日舞台芸術賞選考委員。「最後の岸田國士論」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
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