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ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級
著者 新井潤美(著)
「高貴な人々」のイメージ・誤解・実情イギリスの20世紀以前の小説や演劇には、アッパー・クラス(貴族だけでなく、ジェントリと呼ばれる地主を含む)の人物が必ずと言ってよいほど...
ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級
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ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級
商品説明
「高貴な人々」のイメージ・誤解・実情
イギリスの20世紀以前の小説や演劇には、アッパー・クラス(貴族だけでなく、ジェントリと呼ばれる地主を含む)の人物が必ずと言ってよいほど出てくる。それは、彼らが政治だけでなく、文化の形成にも大きな役割を占めているからである。イギリスの国民性とされるもの、たとえば冷静さも、もとはアッパー・クラスのものだという。
彼らは、長男がすべて受け継ぐ相続制度によって爵位と土地を守ってきた。一方でこの制度は、相続する長男にも、もらえるものがはるかに少ない次男以下にとっても、それぞれに苦労をもたらした。そしてそうした苦労が、しばしば文学や芝居のテーマともなってきた。
では、アッパー・クラスの人々は、イギリス国内でどういうイメージをもたれ、その裏側にはどういう苦労や事情があったのか? 財産を維持する手段としての結婚、知的でないと言われてきた彼らの教育、次男以下の職業事情、そして奇人伝説の裏話までを、本書は文学や著名な人々の例を通して、背景事情とともに読み解いていく。人気のweb連載に大幅加筆のうえ、イギリス人ですらしばしば間違える、貴族の称号の複雑なシステムの一覧表を収録。
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紙の本
受け継ぐのだって重労働
2023/09/11 12:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生まれながらの、とか、銀の匙をくわえて生まれてくる、とか言われる貴族の跡取り。イギリスの貴族制度は長男だけが継承できるので、二男・三男と娘たちは家名を相続できないし、財産の分与もどれくらいになるか覚束ない。結婚なり仕事をするなりで生きていく。自然、階級の移動も出てくる。しかし、長男は長男で家名の存続、領地や家屋敷の保存、親戚付き合いと気苦労も多い。
そんな英国貴族を実例や文学から描きね解説。
紙の本
意外と読み物として面白かった
2022/05/08 09:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
日経新聞の読書欄に載っていて気になったので読みました。イギリスの上流階級について研究した堅苦しい本かと思いましたが、「ダウントン・アビー」やカズオ・イシグロの『日の名残り』等の有名な作品や、チャーチル、ジョンソン首相等の著名人に触れつつエピソード満載で説明してくれていて、娯楽としても楽しめました。イギリスの上流階級に生まれたら、長男だろうとそうでなかろうと、大変なんだなぁ。
貴族の呼び方に細かいルールがあるというのは全然知らなくて、興味深かったです。映画「マイ・フェア・レディ」の大使主催のパーティーのシーンで、「ロード・~」と呼ばれている部分を「~卿」と訳してあった気がしますが、日本語に反映されていないだけで、きっと聞く人が聞けば身分がよくわかる呼び方なんですね。そのパーティーでヒギンズ教授やピカリング大佐は「教授」「大佐」と紹介されていましたが、彼らはアッパー・クラスではないという設定だったのか?と疑問に思いました。本書では「マイ・フェア・レディ」への言及は全然なかったので、ブロードウェーのミュージカルはイギリスの上流社会について細かく検討されていないから考察の対象にならないということなのかもしれないと思いました。