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- カテゴリ:小学生
- 発売日:2008/05/01
- 出版社: 評論社
- サイズ:20cm/269p
- 利用対象:小学生
- ISBN:978-4-566-01261-5
紙の本
グリーン・ノウの子どもたち (グリーン・ノウ物語)
著者 ルーシー・M.ボストン (作),ピーター・ボストン (絵),亀井 俊介 (訳)
ひいおばあさんの家で、冬休みをすごすことになったトーリー。そこは、イギリスでもいちばん古いおやしきのひとつ、グリーン・ノウでした。グリーン・ノウでは、つぎつぎとふしぎなで...
グリーン・ノウの子どもたち (グリーン・ノウ物語)
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:9,900円(90pt)
- 発送可能日:1~3日
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商品説明
ひいおばあさんの家で、冬休みをすごすことになったトーリー。そこは、イギリスでもいちばん古いおやしきのひとつ、グリーン・ノウでした。グリーン・ノウでは、つぎつぎとふしぎなできごとがおこって…。【「BOOK」データベースの商品解説】
ひいおばあさんの家で冬休みをすごすことになったトーリー。そこは、イギリスでもいちばん古いお屋敷のひとつ、グリーン・ノウでした。グリーン・ノウでは、次々と不思議なできごとがおこって…。〔1972年刊の改訂新版〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ルーシー・M.ボストン
- 略歴
- 〈ルーシー・M.ボストン〉1892〜1990年。イングランド北西部ランカシャー生まれ。「グリーン・ノウのお客さま」でカーネギー賞を受賞。著書に「グリーン・ノウ」シリーズなど。
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この巻だけ読んで楽しんだ、なんていう人を私は信用しません。あくまでもこの巻は前振り、それも決して上手ではない、私はそう思います。で、あの人気作品のルーツ、実はこれだったりして・・・
2008/12/22 19:07
13人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
全二十一章の構成に、亀井俊介の訳者あとがきという構成ですが、私は、ピーター・ボストンの装画が好きです。もちろん中嶋香織の装幀もいいです。ただし、見返しについて、ルーシー・M・ボストン作のパッチワーク・キルト、というコメントはないでしょう。布じゃないなんて野暮はいいませんけど、それにもとずいた図案の間違いじゃないでしょうか。
それと告白しちゃうんですが、実は、一度で設定が読み取れなかったんです。主人公が7歳の少年トーズランドであり、両親はビルマ(現ミャンマー)に住んでいる、というのは冒頭に書いてあるのでわかります。彼が向かうのがグリーン・ノアにいるオールドノウひいおばあさんであることも同じところに書いてあります。
でも、訳者あとがきで亀井俊介が
母親は二度目のお母さんで、どうしてもなじめず、少年は、学校の寄宿舎や校長先生の家で、さみしい毎日を過ごしていました。ところが、こんどの冬休みを、死んだほんとうのお母さんのおばあさんのもとで、すごすことになったのです。
と言っているのを読んで、あれ、それって書いてあった?実は私は、なんで少年が一人でグリーン・ノアに行くのか少しも理由がわからないままに読み進め、これってミステリ?なんて思っていたんです。あわてて読み返すと、たしかに書いてあります。でも、普通であればそういう重要な背景にはもっと頁を費やすはずなのに、8行で終わっています。
逆に、これでもかとばかり丹念に描かれるのがグリーン・ノアの情景です。冒頭の水没した屋敷の周囲などは、恩田陸の小説か、と思ってしまいます。それは、日が経っても全く同じで、水が引けばその様子が、雪が積もればその光景が、あるいは家から出なければ屋敷の中の有様が、そこに息づくなにものかたちの様子とともに、謎を秘めたままに描かれていきます。
この速度、描写のあいまいさがこの小説を、よくある児童書やファンタジーと分け隔てるものにしていることは確かです。少しづつ明かされる先祖の話、その家で起きる不思議なこと、姿のみえない存在。普通であれば、中盤でそれが説明され、次の展開に結びつくのですが、このお話では、どうもそうならない。
しかもです、少年は何の疑問も抱きませんが、このオールドノウひいおばあさん、かなり怪しい。私は、少年も実は死んでいて、ここは死後の世界ではないのか、と何度も思いました。丁度、北京オリンピックを見ながら読んでいたんで、読み落しがかなりありそうで申し訳ありませんが、あのスポーツ世界の緊迫感と比べれば絶対に負ける、そういう物語ではあります。
むしろ、グリーン・ノアのような隔絶された場所と時間のなかで、風の音だけを友に読まれるべき本かもしれません。『しゃばけ』のルーツはここにある?なんて思ったりもして・・・
最後になりますがカバー折り返しの言葉を引用して終わりにします。
ひいおばあさんの家で、
冬休みをすごすことになったトーリー。
そこは、イギリスでも
いちばん古いおやしきのひとつ、
グリーン・ノウでした。
グリーン・ノウでは、
つぎつぎとふしぎなできごとがおこって…。