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- カテゴリ:小学生
- 発行年月:2004.11
- 出版社: 評論社
- サイズ:21cm/138p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-566-01331-6
紙の本
ソフィーと黒ネコ (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者 ディック・キング=スミス (作),デイヴィッド・パーキンズ (絵),石随 じゅん (訳)
ソフィーは一度決めたら何だってやり抜く女の子。ある日、庭に黒ネコがやってきました。大のネコ嫌いのお父さんに隠れて、ソフィーはトムと名前を付けて、こっそり飼っていましたが…...
ソフィーと黒ネコ (評論社の児童図書館・文学の部屋)
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商品説明
ソフィーは一度決めたら何だってやり抜く女の子。ある日、庭に黒ネコがやってきました。大のネコ嫌いのお父さんに隠れて、ソフィーはトムと名前を付けて、こっそり飼っていましたが…。「ソフィーとカタツムリ」に続く第2弾。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ディック・キング=スミス
- 略歴
- 〈キング=スミス〉1922年イギリス生まれ。農業、小学校教師を経て、現在は執筆活動に専念。「子ブタシープピッグ」でガーディアン賞を受賞。著書に「魔法のスリッパ」「奇跡の子」など。
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紙の本
型破りの女の子と存在感のある黒ネコ
2010/03/09 23:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
ソフィーと黒ネコの原題は、"Sophie's Tom"である。
ちょうど猫事典を引くように『キャット・ウォッチング1』と
『キャット・ウォッチング2』を楽しんでいるのだが、
そこに関連する項目を見つけた。
ひとつは、「なぜ、雌ネコは "Queen"とよばれ、雄ネコは"Tom"と呼ばれるのか」
もうひとつは、「なぜ、黒ネコは幸運をもたらすのか」。
黒ネコって幸運をもたらすのか?
読んでみると、イギリスでは黒猫は幸運をもたらすといわれ、
アメリカでは縁起のいいのは白猫、縁起の悪いのは黒猫であるといわれるらしい。
『キャット・ウォッチング』の著者であるデズモンド・モリスもイギリス人なら、
本書もずっと農業に従事してきた著者が書くイギリスの児童文学である。
雄ネコはトムだし、黒ネコは幸運なのだ。
女牧場マンになりたい5歳のソフィーは、クリスマスの日に生まれた。
お誕生日とクリスマスが同時のお祝いで、
双子の兄達にはかわいそうだと言われているけれど、
ソフィーはそんなことは気にしない。
お誕生日もクリスマスも楽しみなのだ。
目下の願いは、牧場のおもちゃじゃなくて、本物のペットがほしいということ。
でも、5歳ではまだ小さいからダメと言われ・・・。
ふてくされて庭を歩いていると黒ネコが現れる。
クリスマスの残りをあげると、ガツガツとした食べっぷり。
きっとオスだと思ったソフィーは、黒ネコをトムと名付けるのだった。
ソフィーはトムを自分のネコにしたいのだけど、お父さんは大のネコ嫌い。
「黒ネコは幸運のしるし」で「右がわから来たら、特に」と言っても、
お父さんのネコ嫌いを知っているお母さんもトムが家にいることは許してくれない。
お父さんはある条件が整ったらネコがいてもいいといい・・・・。
ちょっと変わり者のソフィーの学校生活とネコのいる暮らし。
ソフィーは従来の児童文学のヒロインとはちょっと違った型破りな存在で、それがおもしろい。
本書は、『クリスマスの猫』と同様に、
タイトルに猫がいるが、主人公は猫というよりも人間というタイプの本である。
トムはその行動を細やかに描写されるわけでもなければ、自己内省もしない。
その意味で、猫本、ではないだろう。
だが、タイトルに猫がいる本は、
その主人公にとって猫が大きな意味を持つということである。
猫をめぐって主人公たちが協力し合ったり成長したりするような。
『クリスマスの猫』と『ソフィーと黒ネコ』はそういったタイプの本になる。
そして、この黒ネコ・トム。
細やかに描写されるわけでもなければ、
「ノォウ!」とゴロゴロゴロぐらいしか言わないのに、
かなりの存在感、なのである。
やっぱりタイトルに君臨するだけのことはある
ということは読んでいただければ分かると思う。