有名高校への英語 国立大付属高校一流私立高校受験対策用 新版

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：BCKT　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　著者は，オンライン検索しても，出生地や生年，勤務先など基本属性まったく不明。受験英語が本業のようで，氏名検索すると，この種の著作がじゃがじゃが出てくる。紹介は奥付にも表紙カバーにも無し。何故だ評論社？（バカにしてるのか？） 収録「有名高校」数は「国立・私立をふくめておよそ40校」（２頁）。手許のは92年改訂新版１刷。売れたのかな？
Ａ.単元別文法・作文編
Ｂ.発音・語い編
Ｃ.読解編
Ｄ.長文総合問題
　単著だとしたら，素晴らしい整理力だ。いわゆる「有名高校」の過去の入試問題を，よくもまぁここまでしっかりとまとめ上げたもんだと素人ながら（ウラをとってないが現時点では素直に）感心せざるを得ない。取材「有名高校」は関東（開成，麻布，慶応，筑波大付属駒場，早稲田，青山学院，海城，東京学芸大付属など）と関西（灘，甲陽学園，関西学院など）が中心だが，地方の修道（広島県）や愛光（愛媛県）や久留米付設（福岡県）やラサール（鹿児島県）はしっかりと捕捉してある（選択された問題数の面でいえば，地域の偏向がそのまま掲載の偏向になっている）。本書は新版で92年の初版だが，旧版（刊行年不明）からの継承もあるだろうから，ほぼ10年前までの20年間（ということは02年から見ると30年前！）の過去問渉猟の成果だと言える。素人の懸念を払拭するためにはっきりと申し上げるが，英語の入試出題は古くはならない。時代によって，発音や強勢位置が変わるわけではない。長文のテーマが時代とともに変化している点を挙げて反論するだけの学力がある生徒なら，この問題集を購入するには及ばない。
　価格（2000円）の価値は，問題数と問題質からみてあると言える。自力学習できる生徒なら，通塾費用を考えれば破格だ。しかし，自力学習できない生徒に需要があるだろうか？ 販路を狭くしている障害は，まさにこの価格だ。勉強熱心な生徒というものは，しつけが行き届いているので（？）得てして書籍購入にも吝嗇の傾きがある。学校で購入するにしても，年間予算（＝他教科（教員？））を気にしなければならない。第三版刊行の際には，ソフトカバーで縮刷版でもつくって，1000円にはできないだろうか？ （989字）