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紙の本
誰も書けなかった国会議員の話 (PHP新書)
著者 川田 龍平 (著)
19歳のとき、薬害エイズ訴訟の原告として注目を浴びた青年は、いま国会議員として何を目指しているのか。15年前に感じた政治不信の根源を絶つべく、永田町に身を置き奔走する日々...
誰も書けなかった国会議員の話 (PHP新書)
誰も書けなかった国会議員の話
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商品説明
19歳のとき、薬害エイズ訴訟の原告として注目を浴びた青年は、いま国会議員として何を目指しているのか。15年前に感じた政治不信の根源を絶つべく、永田町に身を置き奔走する日々を素直に書き綴る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
川田 龍平
- 略歴
- 〈川田龍平〉1976年東京都生まれ。参議院議員。東京HIV訴訟原告。元松本大学非常勤講師。著書に「日本に生きるということ」「川田龍平いのちを語る」「龍平の現在」など。
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紙の本
政治の入門書としては最適ではないだろうか
2010/09/22 22:20
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、地方公務員として地方議員に振り回される職員を間近に見ている。公務員の給与減額は簡単に決まるが、議員定数や議員給与の見直しについては問題視されながらもなかなか決まらないことにも不信感を抱いている。そして、勉強不足な議員のなんと多いことか。これで高額な給与を受け取っているとは・・・。そう思っていた。
しかし、著者のように無所属議員として当選し、自分の力でスタッフを雇い、資料を集め、立法府に所属するものとしての責務を全うしようとしている議員にとっては、現在の給与が決して高いものではない、という気がする。
小泉政権下で当選した杉村太蔵氏は、国会議員としての待遇の良さを無邪気に驚き、マスコミの前ではしゃいだために叩かれた。彼は「自民党」という大きな傘の下にいたわけだから、川田議員と比べることはできない。大きな党に所属していれば、それなりに助けて貰える。その代わりに自分の政治理念と異なる判断を強いられることも少なくないわけだ。どちらを選択するか・・・。
現在、政治活動にかける金額より選挙にかける金額が多いように思うのは気のせいではないだろう。政治活動より選挙活動に懸命になっている議員ばかりが目につくのは気のせいだろうか。本書の中で指摘されている中継が入った場での質問が質問にならずにカメラの向こうにいるであろう支持者へのアピールのための舞台になっているというのは本末転倒である。議員の本来の責務は何か。国会は立法府である。
本書はとても自然な言葉で書かれている。そのため幼いなと思われる方もいらっしゃるかもしれない。けれど、これが国民の素直な目線で見た国会議員の世界ではないかと思う。まだ染まっていない川田議員の目線は大切だ。
実は質素な国会議員の裏話も興味深い。テレビに頻繁に登場するような花形議員の裏に地道に活動する議員もいる。その一方で勉強らしい勉強もせず、党の言うなりになっている操り人形のような議員もいる。法治国家として一番大切な機関は立法府である「国会」。そして、国会議員を選ぶのは国民。言わば間接的に国民が法律を作っている(建前かもしれないけれど)。パフォーマンスに惑わされてはいけない。自分の国の運営を託すには誰がふさわしいかを見極めなければ。
現在の選挙制度や両議院のありかたについての記述も興味深かった。また、かつて薬害の原告として官僚・議員を敵視していた著者が議員になること、母親の議員時代に秘書を務めていた頃の葛藤についても書かれている。
簡単なことでさえ難しい言葉で記す人々が多いが、難しいことを易しい言葉で説明できる人が一番本質を理解している人だと思う。本書に書かれていることはまだ国会議員の浅い部分だけかもしれない。けれど、とても易しい言葉で書かれている。ということは、川田議員の本音が書かれているのだと思ってもいいのではないか。
政治の世界の入門書としてお薦めしたい。