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商品説明
ヴィクトリア朝英国の最盛期に富豪の長女として育ち、詩人・トラヴェラー・考古学者として多彩に生き、不倫の恋を奪った大戦を情報活動で支え、イラク王国の創建に参加した、ガートルード・ベルの生涯と業績に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田隅 恒生
- 略歴
- 〈田隅恒生〉1931年兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業。丸紅(株)、丸紅紙業(株)を経て、93年退職。
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紙の本
強烈な個性の生涯の活動の記録を読むのは面白い
2006/06/22 21:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アラビアのロレンスは映画にもなり有名だが、ガートルード・ベルという女性のことは知らなかった。小学生のときは偉人伝というものを何冊も読んだ。伝記、評伝というのか、子ども向けの偉人伝というようなものとはまったく異なるものではあるが、強烈な個性の生涯の活動の記録を読むのは面白い。
ビクトリア朝時代から第一次世界大戦後の女性には制約の厳しい時代に、中近東(トルコ、シリアからイラク、イラン)で考古学から政治まで、活躍した女性の生涯と業績の紹介である。今度のイラク戦争で荒廃したイラク博物館の創設、第一次世界大戦後のイラク王国設立におけるイギリス政界とイラク現地との仲介業務、それ以前の古建築物の考古学的調査、ベトウィンの風俗記録、それらの業績はびっくりするようなものだ。それだけの業績を上げるには、やはり強烈な個性が必要なのであろう。その背景となる子ども時代、学生時代(現代の学校教育とはかなり異なる)から記述されている。
当時の人びとの情報交換は手紙のやり取りが主であり、主人公からの両親や知人宛の手紙がまとまって残されている。それらや公式文書を整理した伝記が、イギリスでは何度か発行されてきたらしい。この本の特色は、子ども時代から晩年まで均等に記述したことであるという。
自然科学の研究成果は専門誌への投稿による発表であるが、人文科学の分野では著書の発行が研究成果発表の場であるようだ。この本も一応一般向けではあろうが、中近東現代史研究の成果でもあるのであろう。