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商品説明
【渋沢・クローデル賞奨励賞(第36回)】【サントリー学芸賞思想・歴史部門(第42回)】一九世紀フランスにおける理想の監獄とその挫折をめぐって、新聞や学術論文、議事録、回想録や文学作品に表れた多様な論争的言説を掘り起こし、独房で精神を病んだ囚人が〈非理性〉や植民地へと追放されてゆく過程をたどる。【「TRC MARC」の商品解説】
1843年、七月王政下の議会に提出された監獄法案は、少年と老人を除く全囚人を独房に収監するというものだった。囚人の社会復帰をめざす理想の監獄とその挫折をめぐって、新聞や学術論文、議事録、回想録や文学作品に表れた多様な論争的言説を掘り起こし、独房で精神を病んだ囚人が〈非理性〉や植民地へと追放されてゆく過程をたどる。犯罪と近代文学成立をめぐる表象文化研究の稀少な成果!【商品解説】
目次
- 序章
- 1 監獄法案
- 2 監獄をめぐる研究
- 3 監獄をめぐる表象
- 4 本書の構成
- 第一部 「狂った囚人」
- 第一章 一八二〇年代
- 1 概史
- 2 欠如した存在としての囚人と足し算型の処遇
- 3 囚人のための図書コンクール
著者紹介
梅澤 礼
- 略歴
- 〈梅澤礼〉1979年生まれ。パリ第1大学博士課程修了。富山大学准教授。専門は、近代の文学と犯罪学。
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紙の本
囚人と狂気
2024/03/31 12:38
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
革命前後のフランスでは、監獄をどのように扱うかが問題になっていた。
ガレー船の徒刑や処刑が主な刑罰であったなか、懲役刑や禁固刑が導入されるも、大勢の囚人をひとつに閉じ込めると、犯罪集団が結成されたり、性行為が交わされるのではないか、という懸念があった。しかし独房を導入するのは集団で暮らすように人間を設計した神の意思に反したり、狂気に囚われるのではないか、という懸念もあり、結局植民地への流刑という案が採用されるのだが、そこに至るまでに様々な論争が繰り広げられ、精神医学や優生学、監獄学、骨相学、観相学など様々な学問が影響を受けた。
本書では文学作品に表れた監獄の様子から当時の人々の監獄への考え方を読み解き、特にバルザックの作品への理解を一新させる。