紙の本
風早を旅して
2021/07/23 12:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キッコロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の雰囲気漂う「百貨店」に魅力を感じる世代です。
いつのまにかこの百貨店の存続を応援したくなるストーリー。
村山さんの姉妹本『桜風堂ものがたり』とセットで読むのがオススメです!
紙の本
『桜風堂ものがたり』の姉妹作
2021/05/31 11:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うえありひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前読んだ『桜風堂ものがたり』の姉妹作と知り、読んでみることにしました。
『桜風堂~』の内容は記憶が曖昧ながら、あったかい気持ちで涙ぐみながら読んだのを覚えています。
『百貨の魔法』でも、時々涙を滲ませながら読むことになりました。
舞台は戦後誕生した星野百貨店。
そこで働く人々とお客様
と、白い子猫が登場します。
人と人との温かなつながりに癒される一方で、登場人物がいい人ばかりすぎる…と冷めた目で読む自分もいました。
「物語の中くらい、いい人ばっかりでもいいじゃない!出来すぎた話だっていいじゃない!」と自分自身を牽制しつつの読了となりました。
紙の本
百貨の魔法
2021/05/27 00:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
金と銀の目を持つ白いネコが百貨店で起こす奇跡のお話だが結子の人生も通して暖かに良き人々の話を魔法として描いていて読んでいて楽しい作品になっていたと思います。百貨店がこれからも存続できたかはわからないが、きっと今も営業を続けている気がしました。
紙の本
地方の百貨店の物語
2024/03/10 08:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
風早の街でゆっくり衰えていく星野百貨店。
そこで特別な日々を過ごした人たちが織りなすやさしい物語たち。
結子は百貨店を受け継いでいくのだろうが、経営的な将来は明るくなさそうだ。
それをうっすら感じながらも、大切と思ってくれる人たちに、大切な品物を届けることで幸せを届けていく場であり続けられるよう、この風早の地で、しなやかに生きていくのでは、と想像させてくれる。
人それぞれ、なんらかの事情を抱えているが、時にはひとに少しの手助けや声かけで勇気づけられたり、何かの想い出を支えにほかの人にも優しくなれたり、いろいろだ。
たとえ、ささいなことであっても、後に自分の支えになっていることに気づくこともあろう。
願わくば、周囲からのそうした恩恵を感じるだけでなく、周囲にもそうした何かをわけていく、共有していくことができれば、もう少し優しい世の中になるのでは、と感じた。
この方の物語を読むと、いつもそんなふうに思う。
むしろ、そこに、希望を感じたい。
短編それぞれは素敵な作品だが、背景等ややぼかし気味のため、もやもやしたところは残る。
これは、個人的な趣味の問題だけど。
紙の本
文体が柔らか
2022/02/21 19:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TOM - この投稿者のレビュー一覧を見る
百貨店で働く人々のプロフェッショナルな姿勢に惹かれます。
この作家さんの本は初めて読みましたが、文章がとても柔らかく、心を撫でられる感覚になります。
エレベーターガールとか小さい時にしか見たことが無かった部署なども出てきて興味深かったです
紙の本
ゆるーい感じの進み方です
2023/06/12 16:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
老舗の百貨店の、本筋の話は面白いですが、この種のファンタジー感は入り込めないです。
現実のつらい経験も嫌な感じだし、自分には合わないと感じました。
投稿元:
レビューを見る
星野百貨店を愛するひとたちの、さまざまな想いが浮いたり沈んだりしている建物の中を泳ぐ・・・、そんなイメージがうかんだ。
キラキラした夢ばかりじゃなく、かなしさや、さみしさもある。それが、ちょっとした偶然やほかのひとの手助けによって、消化・昇華されていく感じ。
魔法の子猫が、そのとき一瞬、走り抜ける――
賑やかでかわいらしい装画の力もあって、イメージがゆたかに湧いてくる物語。偶然なのか、魔法なのか、どちらでもすてきだな、と思いながら読む。
魔法や夢見ることに憧れつつも、思い切れずにいるいさなの姿が印象的。
「『夢を信じる力』を与えて欲しいと願いたいな」
自分にとっての百貨店をみんな思い返しながら読むんじゃないかな。それから、働く場所への思い入れについても考えてしまう。もちろんこんな、愛さずにはいられないお店なら最高だけど、ハコが美しくなくても、魔法の伝説がなくても・・・共に働く人と気持ちを通わせ、同じ目標を持っているなら、この星野百貨店の人々のように職場を愛して誇りに思うことができるだろうな。夢ものがたりかもしれなくても、そんな理想は心の中に持っていたいな、と思った。
投稿元:
レビューを見る
ノスタルジックというか古色蒼然というか、後ろばっかり見ているお話だなぁ。星野百貨店が陽炎みたいなコンシェルジュと一緒に記憶の彼方に儚く消えていく未来しか思い浮かばなくって辛い。
投稿元:
レビューを見る
接客業に携わるものとして、読んでおこう…と思って手にとった本。
夢を実現させる場所として、キラキラした…けれど土台がある素晴らしい百貨店が描かれていたところはとても良かったし、読後感も良かった。何度か泣きそうになったし。
たぶん、現実の百貨店もここまで美しく?ないにしても同じ感じはあり、それが実は斜陽の原因かなとも感じた。
商売って、もっと泥臭いものだっていうことを日々感じているので。
でも、金目銀目の白猫に会ってみたい。
何を願おうか…
投稿元:
レビューを見る
閉店も囁かれる風早の街のシンボル「星野百貨店」を舞台とした百貨店で働く人や、百貨店を訪れる人々の物語。
「桜風堂ものがたり」で作者のファンになった者にとっては、久しぶりの再会と言った感じで、懐かしさも感じる作品。
コンシェルジュの結子を中心に、エレベーターガール、宝飾品売り場のフロアマネージャーなど、視点を変えて、星野百貨店にまつわる思い出などが描かれる。
子供の頃は当たり前にあった百貨店も、地方から姿を消して久しい。
長引く不況の中、どこの百貨店も経営が厳しいのかもしれないが、様々な人の思い出や夢や希望の詰まったデパートがこれ以上なくならなければいいなぁ、と単純にそう思った。
自分自身も最近足を運んでいないデパートに、行ってみようと思う。
今回も心が優しくなれるお話をありがとうございます。
銀河堂書店の続編も読みたいけど、以前「これで終わる」と書いていたので、この作品で名前だけでも出て来たのはちょっと嬉しい。
投稿元:
レビューを見る
生まれ育った九州の田舎町に、春の花の名前がついた百貨店があった。現在は廃業してしまったが、戦後15年後の昭和35年に建てられた百貨店で、物心ついた頃には既に町の中心部で皆が集まる場所となっていた。私も幼稚園児や小学生の頃は屋上の遊具で遊び、中学生になったら制服制帽でのど自慢大会を見に行き、高校生になると参考書を買ったり学校帰りに買い食いをしたりと、生活の中に自然と入ってきている場所だった。
当時は町一番の高い建物だったのだが、実際には私が子どもの頃は屋上のある4階建ての建物で、4階には周囲を一望できる食堂があった。レストランではなくいわゆる銀皿食堂で、当時としては珍しいハンバーグ定食やスパゲティーなどが置いてあった。
この百貨店での一番の思い出は、母と二人で食べた昼食だ。自営業で家族の多かった我が家では、母と二人で出かけることはほとんどなかった。どういう理由だったのかは覚えていないが、母と二人で百貨店で買い物をした後に食堂でお昼ご飯を食べたことがあった。私が小学校低学年の頃だろうか。当時珍しかった「スパゲティミートボール」を目を輝かせながら食べたのだが、正面に座った母は何も食べずにニコニコしながら私の顔を見ていて、何だか照れ臭くて怒ったような笑ったような顔をしながら食べたのを思い出す。
私にとっての百貨店は、買い物をするだけの場所ではなく、子どもの頃の懐かしい思い出が詰まった場所なんだなと思う。
村山早紀さんが書かれた「百貨の魔法」は、百貨店が舞台となったファンタジックで心温まる物語だ。書店の平台に置かれている場所も多く、いまとても人気のある物語の一冊なのですでに読まれた方も多いのではないだろうか。
----------------------------------------------------------------------
風早の街の西にある星野百貨店は、戦後間もなく建てられた百貨店だ。戦災で焼け野原となった風早の街の復興に一役買った星野百貨店も、時代の波に飲まれて経営が苦しくなり、東京の大手百貨店の傘下に入った。しかし、従業員削減や福利厚生施策の見直しなどの経費削減策の多くを受け入れず、そのため大手百貨店も経営から手を引くのではないかという噂が飛び交うようになってしまった。
それでも地域から愛される星野百貨店には、『魔法を使う猫』の伝説があった。金目銀目の白い子猫で、百貨店のステンドグラスに書かれている子猫が時々百貨店内を歩いているという話だ。その猫に出会って願い事をすると、一つだけ願いを叶えてくれるという伝説だ。
そんな不思議な子猫の伝説がある星野百貨店でに、ある日突然コンシェルジュが配置されることになった。コンシェルジュとして勤め始めたのは、百貨店内のことを熟知した不思議な雰囲気の芹沢結子。彼女と星野百貨店とを軸として、百貨店に勤めるエレベーターガールや宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフなどに不思議な出来事が次々と訪れてくる。
----------------------------------------------------------------------
この物語は、日本全国の色々な場所にある(あった)百貨店と同じく、戦後の焼け野原から復興を願って建てられた百貨店が舞台と���っている。そんなレトロな雰囲気が昭和生まれ育ちの私にはノスタルジーを感じる一冊だったが、若い方には魔法の国の素敵なお話として感じられるかもしれない。
ラストはコンシェルジュの秘密と星野百貨店の創業者に訪れた奇跡で幕を閉じるのだが、読後に心の中が暖かくなるような素敵な感覚を味わえる一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
風早の町の話はいつも優しい。丁度この話の百貨店に行く時のように、少しだけ自分を飾って品よくお店にふさわしいようにと背伸びする様な緊張している様な誇らしい様な綺麗な優しさがある。現実には暗澹たる出来事が続いていても、風早の町の物語には綺麗な希望があり、優しい人達がいる。いつでも行ける、素敵な町だ。
投稿元:
レビューを見る
かつて、あるテレビ番組の最後に決まって表示される、とても印象的な言葉があった。”Miracles do exist"。そして、その番組の一つのコーナーを成す、感動のエピソードが特に好きで、どれほどベタでも、いかにも作り話っぽくても、ただ単純に心振るわされていた。本作を読みながら、そんな感慨を新たに抱いた次第。『桜風堂』と世界を一にする物語ということで手に取った本書だけど、同作同様、ちょっとあざといくらいに盛り込まれる優しい物語に、純粋に酔わされました。件のテレビ番組にしてもそうなんだけど、思い切り感動させにきている作品に対して、単純に感動できる感性で良かったな、と。負け惜しみってわけじゃないけど、そんなことを考えながら、満たされた気持ちで読了したのでした。
投稿元:
レビューを見る
百貨店の持つきらびやかな雰囲気と広々とした空間。
それをここまでイキイキと表現できるのだから文章って凄い。
そこで働く人たちの人生は、温かくて優しくて少し切ない。
そんな彼らに寄り添ってきた星野百貨店が愛されないはずがない。
館内に住むと噂の魔法の猫が見せる夢のような物語。
投稿元:
レビューを見る
創業50年になる町に溶け込む百貨店には出会えればなんでも一つ願い事を叶えてくれる猫がいる
人と人の繋がり方や優しさに心が洗われるような話でした