紙の本
覚える歴史でなく、考える歴史で、建前でない本質がスッキリ!
2020/03/20 17:46
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野間丸男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史の話となると、「こんな事があった!」的なことが多い。
テレビ等で見かける通りの話しぶりで、やさしく語りかけるような解説。
専門家の知識と考察で、今までと違った視点の歴史を提案してくれる。
神話の世界、三種の神器、文字・文献資料、外交・軍事史、女性史、資料のウソなど
今までと違った視点で、歴史の本が読める!
自分なりの考えをもって、歴史の空白を見つける楽しみが持てる!
紙の本
一気に読破できる内容です
2020/02/13 06:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ページ数は新書にしてはかなりあります。ですが、一気に読破できる内容に仕上がっています。
各章の項目別記述が、最短で1ページとスモールステップ形式で書かれており、どのページでも読むのをストップすることが可能です。
紙の本
なるほど
2021/05/22 22:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユーヤン - この投稿者のレビュー一覧を見る
神話の時代から三種の神器の謎?
外圧によって日本の歴史が変わる。
わざと相手を怒らせてそれを理由に戦を起こすなど、意外な見方で歴史の見方ができた。
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量産体制に入っている本郷先生の新作。「空白」というお題が良かったか、意外に読ませる(ザクじゃなくてグフくらい?)。
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<目次>
第1章 神話の世界~科学的歴史の空白
第2章 「三種の神器」のナゾ~祈りの空白
第3章 民衆はどこにいるか~文字史料の空白
第4章 外交を再考する~国家間交流の空白
第5章 戦いをマジメに科学する~軍事史の空白
第6章 歴史学の帰納と演繹~文献資料の空白
第7章 日本史の恋愛事情~女性史の空白
第8章 史料がウソをつく~真相の空白
第9章 先達への本当の敬意~研究史の空白
<内容>
本郷和人は書き過ぎである。毎月のように本が出ている。しかし、その内容はあまり重複していない。ということは粗製乱造はしていないのだ。書きたいことが山ほどあるのだろう。東大史料編纂所ではなく、どこかの大学で学生に教えていれば、ガス抜きができるのかもしれないが、よほど溜まっているのではないか?
それはさておき、この本でのポイントは、石井孝や五味文彦、網野善彦らへの尊敬の念。世の中にちゃんとした論理に基づく、資料や論証に基づく歴史解釈が少ないことに対しての怒り?かな。
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持統天皇が伊勢神宮を参拝したあと、明治天皇が公式に伊勢神宮を参拝するまでに千年近く「空白の期間」存在する。
文字の無い時代、文字があっても一部の特建階級の人間だけのものだった時代の「文献資料の空白」女性や庶民などに関して残されている記述が極めて少ないことによる女性史や庶民の歴史における「空白」
その「空白」をいかに科学的な根拠や論理に基づき、埋めていくか。それこそが、歴史研究家の手腕が問われるものであるとする著者が日本史のなかに潜む、九つの歴史的空白を採り上げ、その「穴」を埋めていく試みを行ったのが本書である。
各章における「空白」の使い方には少々無理を感じるところもあるが、否定だけでなくそれに対する自分なりの見解を示す著者の考え方は第九章の研究史の空白で力説されている。先人の研究を無視したり、否定しっぱなしで自分の見解を示さないといった行為を廃し、先達への本当の敬意を示す。今までの研究史をしっかりと自分のものとして受け止め、そこに一つでもよいので新しい知見を付け加える。それが他者に批判されまた新しい知見が付け加えられる。その繰り返しで研究史は発展し、永遠のものとなる。
日本史を俯瞰的に論じ、そこにある「空白」を提示するすることで日本史が論じきっていない課題をあぶり出す本である。 #空白の日本史 #NetGalleyJP
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2020年14冊目
歴史の空白について。特に気になった章について。
第3章「民衆はどこにいるか」
源氏物語や枕草子などは、日本が世界に誇る文献だと思う。但し、貴族の視点からみたもので民衆の視点からみたものではない。当時は今とは比べ物にならない格差社会だと考えたら民衆の生活は相当に苦しいものだっただろうなと思う。それだけに貴族の風流さが際立ったであろうと。現代のように誰でもblogやSNSなどで気軽に発信できることを思うと時の流れって怖いなと感じました。
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おもしろかった!日本史が実学として役に立つってこういうことだな~と実感できる一冊。ぼんやりしか分かってなかった日本史の流れもすごくよく分かった。
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三種の神器の話が,大変印象に残りました。
今,伝わっている神器が本物かどうかはともかく,我々が決して目にすることができない宝物だけに,歴史の中で果たしてきた役割に,神秘と悠久のときを感じました。
その他のテーマも含めて,ちょっと変わった視点から日本史を考えることのできる,興味深い本です。
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前半に興味深いテーマがあったので購入した。著者の作品も何冊か読んだことがあり、期待値高く入ってしまったので、後半は読み飛ばす箇所も多くなってしまった。著者も短期間に多数の作品を世に出しているので、大変なのだろうと思った。
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歴史を語るには史料に基づくべきだが、史料の空白ともいえる事象が多くある。が歴史家はその空白をその他の明らかになっている事象を基に埋めて、通観すべきだ、という。
それに基づき、神話からの歴史、三種の神器、民衆、外交、戦い、恋愛事情などについて通観している。エッセイの趣。
2020.1.1発行
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興味深かったもの
三種の神器、伊勢神宮と皇室の関係
令和に改元し、関連行事もあり、今にぴったりの本だった。
たしかに参考文献載ってなかった!
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日本史の空白にスポットを当てて、教科書で習う歴史の点と点を結ぼうとするこころみ。とても読みやすいので、サクサク読み進められる。
同じ事実であっても、その解釈、立ち位置によって違うようみ見えてしまうというところが面白い。世の中に出回っている様々な歴史本の解釈を楽しむのも良いが、その中から事実は何か?を読み解くのも面白いのではないかと思った。また、同じ事実でも自分なりの解釈を持つのも一つの勉強になるのではないかと、別の観点でも学ぶことがあって有意義でした。
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歴史家である本著者本郷和人氏は色々な評価がある方だと存じ上げておりますが、私個人としては歴史を面白くさせてくれる稀有な歴史家さんで割と好きです。そして対極である呉座勇一さん、そうバカ売れした『応仁の乱』『陰謀の日本中世史』の著作さんですねぇ、氏は資料を元に陰謀論に与せず淡々と事実のみで歴史を解説、解読してくれる、これもまた面白い歴史家さんで、この方の解説は歴史を読み解く視点以外に地震兵器とかフリーメイスンとか未だ陰謀論に右往左往している馬鹿をあっさり一刀両断してくるファクトフルネス的なハンス•ロスリング的で尊敬しております。
で、呉座氏は本著と全く関係ないです。すみません。本郷氏は正確な歴史資料の無い歴史的事案を自身の思い込み、いや違う、勉強と経験から来る直感で、この事案にはこう言う背景があって、この当時の人間だからこそこのような考え方を持っており、結果この様な事件が起きたと、非常に面白く読み解いてくれます。
今回は『空白の日本史』です。まさに、空白だからこそ色んなタブーについて、自身の思い込み、いや違う、読者も納得する説を解いてくれます。陰謀論じゃないです。ロスチャイルドは出ません。
三種の神器は3セットある話は非常に面白いし(草薙剣はやっぱないよねー)、江戸時代までの奔放な日本人の性については確実に学校では教えてくれないでしょう。
裏日本史たがらこそ面白いんです。新事実によりこの本郷氏の説が変わったとしても、こう言う面白い解説、評価を知って少しでも日本史好きを増やして頂き、後で呉座氏に修正して頂ければよろしいのではないでしょうか。
因み日本史専攻であったパパの娘は理系です。
本当にありがとうございました。
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令和2年コロナ騒動がやってくる前の2月頃に読み終わった本ですが、年末の部屋の大掃除で見つけた本です。この数年追いかけている本郷氏による本であることと、タイトルの面白さに惹かれて購入したのを覚えています。
この本では、なぜその事件は起きたのか、納得のいく説明がなされています。一つ一つ、膨大な文献を読みこなして達成された物だと思います。多くの時間を費やした上に、わかりやすく解説してくれた内容を読める幸せを感じます。
以下は気になったポイントです。
・平安時代から江戸時代にかけて歴代天皇が伊勢神宮を参拝したという記録は残っていない、飛鳥時代に持統天皇が参拝した後、再び明治天皇が公式に参拝するまで、約1000年の時間が空いている。神道には1000年近くの空白の期間が存在する(p4)
・日本の神話に登場する神の種類は大きく2つに分けられる、一つは、天照大神を中心とした高天原の神々「天津神」、もう一つは、出雲の大国主など天孫降臨以前から日本にいる土着の神々「国津神」(p20)
・天武天皇は近畿につながる道に3つの関をおいた、1)北陸道を抑えるため、福井県に置いた「愛発関」、2)東山道を抑える岐阜県の「不破関」、3)関東と近畿地方を結ぶ東海道には、三重県に「鈴鹿関」、この3つを総称して「三関」という)(p28)三関の東、という意味で「関東=関の東側で田舎で辺境の地」という言葉が使われ始めたのは700年位から、関西という言葉が使われるようになったのは、明治時代以降である。関の西側は自分たちの日本なのでわざわざ呼称する必要がなかったから(p29)
・陸の奥にある場所=陸奥、陸奥に隣接する「毛の国」=上野(群馬)、下野(栃木)や「越の国」=越前(福井)、越中(富山)、越後(新潟)であった。(p31)
・紀元前660年1月1日こそが日本建国の日となった、1回目の辛酉(かののとり)の大革命では神武天皇の即位、二回目に聖徳太子が国を作ったとして、神武天皇即位を起点とした「皇紀」が誕生した。これは太陰暦なので、太陽暦に直すと2月11日となる。明治6年(1873)を紀元節とした(p47)
・中世における日本では、どう考えても神道より仏教の方が優勢であった。天皇の息子=親王は宗教界に入る際には、仏教の道に進む。摂関家や貴族出身の僧侶がたくさんいた。仏教の道に入ってから、入道新王や法親王になった人物はごまんといるが、反対は誰もいない。(p65)
・太平記を素直に読むと、三種の神器は、北陸にある1セット、後醍醐天皇から北朝に渡された1セット、天皇が吉野に持っていった1セットの合計3セットある。北陸に渡った1セットは戦乱の中で失われてしまい不明、南朝の後亀山天皇が北朝の後小松天皇に渡したのが、もともと難聴が持っていたものか、北朝から奪ったものか不明である(p77)本当の三種の神器を持っている南朝の天皇こそが正統であるという明治政府の見解が今まで引き継がれている(p78)
・神と仏の両者が手を携え、国家を守る「鎮護国家」、そして天皇の健康を守る「玉体安穏」という考え方が日本では親しまれている���他には「本地垂迹」これは、日本の有名な神様と仏様を同一視するもの。例えば、天照大神は仏の姿になると真言宗の一番偉い仏様である「大日如来」、逆に大日如来が日本に姿を表すときには天照大神の姿をとると考えられた(p87)
・秀吉がキリスト教を嫌い弾圧に踏み切ったのも、一向宗とキリスト教の教義が非常に似たスタイルであったから。阿弥陀様とキリスト、どちらも対象は違えども頭を下げる相手は現実の天下人でないので。この思想は江戸幕府にも受け継がれる(p93)
・日本から宋への往路では、材木を重石にできるが、問題は帰路。重石代わりに用いられたのが、宋銭であった(p124)
・摂関政治では、摂政や関白になれるのは「母方の親戚」である、祖父が権力を持つこともあれば叔父や伯父が権力を持つこともある。ところが平安後期になると摂関政治に代わって登場するのが院政である。院政は母方ではなく、父方の祖父、つまり天皇の祖父である先の天皇が天皇家の家父長として力を持つという形式を取る。これは婚姻形態が代わった(婿取り婚から嫁取り婚)のとほぼ同じ時期である(p208)
2020年12月29日作成