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商品説明
【芸術選奨・文部科学大臣賞文学部門(第72回)】軍国主義に命を奪われた父の壊れたヴァイオリンを甦らせようとする弦楽器職人、礼。日本とフランスを舞台に紡ぐ再生と復活の物語。フランス国内で高い評価を得た小説を、著者自身が翻訳したもの。【「TRC MARC」の商品解説】
1938年秋、東京。思想統制によって父を逮捕され、たった一人の肉親を永遠に失った少年、礼は兵隊に破壊された父のヴァイオリンを携えて、父の友人マイヤール夫妻とともにフランスへ渡る。
60余年後。弦楽器職人としてパリに工房を構えるジャック・マイヤール=レイ・ミズサワは、新進ヴァイオリニスト山崎美都理を通じて、踏み込んできた隊の中で唯一、父を救おうとした「クロカミ」中尉の戦後と、死までの人生を知る。そして、礼が12年の年月を費やして修復・再生し、美都理の手に託された形見のヴァイオリンが1938年のその日に父が奏でた曲の調べをホールに響かせたその瞬間、ひとつの円環が閉じ、新しい生が始まろうとしていた……
日本に暮らす日本人である著者がフランス語で書き、出版後、またたく間にフランス国内はもとより各国で高い評価を得た小説、Âme briséeを著者自身による翻訳で贈る。【商品解説】
目次
- 瞑想のとき
- Ⅰ アレグロ・マ・ノン・トロッポ
- Ⅱ アンダンテ
- Ⅲ メヌエット・アレグレット
- Ⅳ アレグロ・モデラート
- エピローグ
- あとがき
著者紹介
アキラ・ミズバヤシ
- 略歴
- 〈アキラ・ミズバヤシ〉1951年山形県生まれ。パリ第7大学博士課程修了。第3期課程博士。
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紙の本
壊された楽器を再生する
2022/12/04 07:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランス語で書かれた物語を著者自身の手で翻訳したこの小説は、日本国家の狂信的暴力性・思想統制により生じたひとつの事件が引き金となる。魂柱まで壊されたバイオリンの再生のために職人トンある主人公の想いは一途だ。音楽を楽しむ人、演奏家、楽器職人などの音楽そのものを形作るものを導き手に、長い時間を超えて人々をつなぎ紡がれた物語であった。以前から気になっていただけに、読み終えて、心が大きな手に包まれたようだ。
紙の本
美しさは壊せない。
2022/02/09 15:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前の日本、日中のアマチュア音楽家が集まって弦楽四重奏を練習していると憲兵が現れ、メンバーを連行していく。戸棚の中に残されたのは第一ヴァイオリンを奏でていた日本人の一人息子と一冊の本、それと踏み潰されたヴァイオリン。
時を経て、フランスで働くヴァイオリン職人は日本人ヴァイオリニスとの活躍を耳にする。
過去と現在、決して破壊されることのない美、人々をつなぐ思いが奏でられていく。