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商品説明
柳田国男の作品を繙くと、日本列島は繰り返し災害に見舞われている。それら災害の記憶は、河童、天狗、海坊主といった妖怪に仮託され、人々の間に受け継がれてきた。各地に残る妖怪の足音を取材し「災害伝承」を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
妖怪は私たちのうしろめたさの影なのか?
民俗学の祖である柳田国男の『遠野物語』『妖怪談義』『山の人生』を繙くと、日本列島は、大地震だけでなく、飢饉、鉄砲水、旱魃など、始終、災害に見舞われ、河童、座敷童、天狗、海坊主、大鯰、ダイダラ坊……の妖怪たちは、災害の前触れ、あるいは警告を鳴らす存在として、常に私たちの傍らにいた。
安政の大地震などは古文書も記録がなされているが、毎年、そこかしこで起こる災害の記録は、おどろおどろしい妖怪に仮託され、人々の間に受け継がれてきたのだ。
著者は、遠野、志木、生まれ故郷の辻川(兵庫)、東京の代田などをたどり直し、各地に残る祭りや風習などを取材しながら、ほそぼそと残る「災害伝承」、民俗的叡智を明らかにする。自然への畏怖、親しい人の喪失、生き残ってしまったうしろめたさ、言葉にならない悲しみと妖怪たちからのメッセージに耳を傾けてみよう。
【商品解説】
目次
- 序
- 一 河童は死にかかわるものである事
- 二 天狗が厄を祓うと今でも信ぜられている事
- 三 やろか水や白髪水を人びとは怖れたという事
- 四 鯨や狼が江戸の世にもてはやされた事
- 五 一つ目の巨人がこの列島を跋扈したという事
- おわりに
著者紹介
畑中 章宏
- 略歴
- 〈畑中章宏〉1962年大阪生まれ。著述家・編集者。多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員、日本大学芸術学部写真学科講師。著書に「神社に泊まる」「柳田国男と今和次郎」など。
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