紙の本
雪に撃つ
2023/09/22 16:54
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
札幌雪まつり会場を中心に、今までと比べると比較的狭い行動範囲だったが、佐伯の洞察力、仲間達の連携の良さは相変わらずで、安定感は増していた。ハラハラ感は少なめだったかな。
本編とは関係無いが、札幌のホテルの喫茶室での、暴力団撃退法は、面白かった。本当の話なのかな、なるほどー、と笑ってしまった。
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雪に撃つ 道警・大通警察署
2022/10/26 16:21
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう9弾ですね。独特の展開です。札幌市民として地名、背景が描かれ非常に興味が惹かれました。本作品の展開はもう一つワクワク感がなかったです。百合、佐伯は別れるのでしょう。原点に戻って手に汗握る展開を期待します。
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さっぽろ雪まつり開幕前日に北海道警察本部大通署管内で起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。
無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束し激化していく。
虐待、不正、外国人労働者──佐伯たち刑事らの執念は届くか?
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気に入っているシリーズの新作というのは、「遠方の友人知人の消息を知る」という感じで愉しく読むのだが、本作もそういう例に漏れない作品で、とにかく大変に愉しかった。
作品の主な舞台は札幌である。多分、中央警察署がモデルと見受けられる大通警察署に、盗犯担当の佐伯刑事と部下の新宮刑事、少年課の女性警察官である小島刑事が在る。そして機動捜査隊に在る佐伯刑事の古くからの仲間である津久井刑事、更に津久井の上司である長正寺警部が居る。こういう人達が主要な作中人物である。
シリーズ初期の作品は、警察部内での厄介事が在って、そういう中で仲間達が密かに奮戦するというような内容だったが、次第に意外な展開を見せる事件を公式、非公式に手を携えて仲間達が解決に向けて奮闘するという感じの内容になって行っている。本作もその後者、幾つかの出来事が結び付いて行く中、仲間達が奮闘して事件を解決へ導くという体裁である。
冒頭、長万部駅の辺りで、用事で他地域に出掛けた女子高生の孫を迎えに出た男が、「煽り運転」のような乱暴な走り方をする車に戸惑いながら、「酷く訳アリ?」と見受けられる外国人らしい女性が列車に乗れるように駅へ送るという挿話が入っている。
それから数日後、札幌で<雪まつり>の開幕前日、所謂「前夜祭」となっている日に舞台が移る。
佐伯刑事と新宮刑事は、自動車の窃盗事件の現場に駆け付けていた。キーを付けてエンジンも停めずにコンビニに珈琲を買いに出た男が乗っていた、会社の車が盗まれてしまったのだという。自動車盗難事件として捜査に着手することとなった。
小島刑事は、過去の事件で知り合って、現在でも交流が在る人物から相談を受けた。釧路に住む知人の高校生の娘が家を飛び出し、釧路から夜行バスで札幌に出たらしい。おかしな事態にならないように保護しなければならない。保護者に、釧路の警察署に届けるように促し、小島刑事は高校生を探し出そうと活動を始めた。
津久井刑事は妙な通報を受けて現場に駆け付けていた。近くを通ったカーチェイスのような車をやり過ごすと、乗っていた車の様子がおかしいので停車すれば、何やら「弾痕?」のようなモノが在るというのだ。発砲事件らしい。そして関わった車というのが、佐伯刑事が対応しようとしていた盗難車である可能性が在るということになった。
主要劇中人物達が、各々の担当する事案に普通に関わろうとしているのだが、それが思いも掛けない「裏」を持っていて、やがて収斂する…
「雪まつり」が開幕しようかという慌ただしい感じ、賑わった感じの1日を背景に、思いも寄らない拡がりの在る事件が展開している。アップテンポに挿話が折り重ねられながら展開する物語だが、何か「映画…」のようで強く引き込まれてしまう…
個人的には、札幌の地名が出て来ると「あの辺…」と判るので、読んでいて情景が凄く思い浮かび易く、何となく力が入る。このシリーズとしては、雪が降り頻る場合も在るような時季を舞台にした例はこれまでに無かったと思う。本作は、雪が交る中、「雪まつり」の時季の風情が描き込まれていてなかなかに好い。
とにかく愉しい!!
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久し振りの道警シリーズ、9作目。
いつも北海道のイベントを絡ませながら描かれる話だが「さっぽろ雪まつり」はまだだったのね。
いつものように佐伯+新宮と小島と津久井がそれぞれ関わる事案(自動車窃盗事件、少女の家出、発砲事件)がひとつに収斂していく作り。
それぞれのじっくりした捜査・行動が雪まつり開催前日の短い時間の中に詰め込まれていて、札幌市内の通りや長万部、伊達などちゃんと場所を知らないところを地図で確認しながら読む。
今回も3つの話のつながりは分かり易いものの、それでも全てが大通り七丁目広場になだれ込んでいくところはなかなかのサスペンス。
前作の感想に『作者の熟練の捌きで進む物語のテンポやお馴染みの人間関係を楽しむのが、このシリーズの一番の興趣』と書いたのだけど、津久井は長正寺班の中心メンバーになり、新宮も一人前になり、佐伯と小島の間はどうしてああなってしまったのか…。
解説に、シリーズが十作で一区切りがつくのか、みたいなことが書いてあって、なんだかやきもきする。
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佐々木譲の小説らしく、複数の事件が時の経過と共に重なっていくという構図で少々難しかった。札幌の土地勘があればさらに面白いと思った。
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久々の道警シリーズ。真夏に雪まつり舞台の警察シリーズ読むのは、ちょっと入りこめなかったが、安定の内容でした。
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この方の作品は久々に読みます。
いつもは暗い感じの印象を持っています。夜のバーに集まって作戦会議をしたりしているからだと思います。夜の印象が強いんです。ただ、この作品は雪祭り前日を中心に描かれているせいか、明るい印象を受けます。雪や氷の白、光の反射、ライトアップが感じられます。
いつものメンバーがそれぞれに事案を抱え、それが最終的につながってくるというストーリーはいつも通りです。ただ、何かスッキリしない感じを持ってしまいます。
割と大きな自損事故現場からその当事者たちが消えてしまうなんてことが、明るい住宅街でありえるのでしょうか?今までなら、多少無理な設定があっても、暗いからという理由で納得していた部分が、この作品を通して明るさが設定の無理さを鮮明にしてしまっている感じを受けています。
また、この事件のバックに潜むものが大きいということですが、そこもスッキリとしない部分です。議員の陰が見え隠れするだけで、そこはお預けになってしまいます。他県のことなのでそれは筋が通りますが、逆に、作品としては、そこは明かされないのかとややスッキリしない感です。
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北海道警察シリーズ
外国人技能実習生を悪用する経済やくざが
福岡で実習生殺害事件を起こし、その様子
が撮影され逃亡した外国人を福岡の暴力団
の始末屋が拳銃持参で札幌にくる
雪まつりで混雑する市内を、外国人実習生
を非合法に逃亡させようとするNPO法人
この構図に高校生が問題ある義父から逃亡
家出をするが、シェルターのような団体と
外国人NPO法人の動きが重なり合い作品
としては読者の混乱を誘う(うまいの?)
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道警シリーズ9作目
さっぽろ雪まつり前日から当日にかけて、窃盗、家出、発砲事件が重なり繋がり…さらに外国人労働者の問題も絡んでますます複雑な事件に
同時刻にそれぞれの事件を追う刑事たちの様子が組み合わさりながらどんどん進んでいくのでスピード感あり!(少々混乱することも)
佐伯さん、やはり優秀な方…昇進しないのかな?小島さんとは?家族のことも…と気になるところで終わってしまったな
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【読間】
久しぶりの警察小説単品。
そして久しぶりの道警シリーズ♫
まだ30数ページだけれども、もうこれ(↑)だけでわくわくが止まらない。今日中に読み終えてしまいそうな勢いで・・・
【読了】
↑と言いつつ、読了までに1ヶ月弱かかったという(苦笑)
(仕事の多忙さで読書自体ができなかったという面もあるが)中盤で何となく中弛みした感があり…。
(札幌大通りの地名がわんさか出てきて、土地勘皆無なもんで置いてけぼりになったということかと分析)
とはいえ流石の佐々木譲、後半の疾走感と哀愁漂うエピローグは◎♫
★37ポイント半
2023.05.03.古
※新宮くんの恋にニンマリ
※佐伯の決断に、自作へと惹かれる。
※初期三部作以降、何となしに物語の“重み”が減ったなと感じながら今作までシリーズを追ってきたが、巻末解説文を読んでスッキリと疑問が解けた。
・・・と言うことは次作で完結?
それは寂しいな。。。。
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道警シリーズ第九弾。
今回は、外国人技能実習生にまつわるお話。
道警シリーズは安心して読めるのだが、緊迫感、ドキドキ感が物足りなくなってきたのは私だけだろうか。
読み飛ばすような速読法が悪いのかもしれないが、話の深みがなくなってきた気がする。
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北海道警シリーズ第九弾。外国人技能実習生絡みの話。背後の黒幕までは捜査が及ばず、少し物足りない。北海道警はこのメンバーしか働いていないのかと思ってしまうほど、相変わらず佐伯、新宮、小島、長生寺、津久井達がよく働く。佐伯と小島の関係、佐伯さんストイックすぎ。新宮の恋が実るよう期待。
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佐々木譲の道警シリーズです。自動車窃盗犯を追う佐伯、発砲事件を起こした車両を追う津久井、釧路から家出して来た少女を札幌で保護しようとする百合。 それぞれが別の事件を追いながら、観光客でごった返す雪まつり会場へと舞台が移っていく。 背景に描かれるのは、外国人研修生への不正な扱い
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北海道警察シリーズ第9弾
「さっぽろ雪祭り」が舞台です。
なんか、札幌の地理を知らないとよく理解できない(笑)
百合が追うのは少女の家出。
佐伯が追うのは自動車窃盗事件。
自動車窃盗事件は、発砲事件となり、事件は一つに収束していきます。
いつもの安定パターンでよいです(笑)
そして、その裏側にあったのは外国人労働者問題。
ヤクザが絡むのね。
外国人研修生のパスポートを取り上げて、低賃金で働かせるという現実。
そこから脱出させようとする団体、阻止するヤクザ。
さらに、今回はヒットマン!
さっぽろ雪まつりを舞台にいつものスピード感でした。
しかし、正直、前作のほうがエンターテイメントとして楽しめました。