わが妹、ヴァージニア 芸術に生きた姉妹

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投稿者：une femme　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ヴァージニア・ウルフは、とてつもない才能の持ち主というイメージだったが、当然のことながら、彼女も、苦悩しながら制作していたということを、姉の視点から、描かれた本書で、知ることになった。また、物語が進むにつれて、書き手のヴァネッサが、どんなときにも、絵を描くことから離れず、支えにして、逞しく生きている姿に、魅力を覚えた。姉妹それぞれの生き方や物の見方が、絵を描くことと、小説を書くこととの違いとも重なり、面白い。

　彼ら（姉妹）の恵まれた環境や、成功には、羨ましさも感じるが、彼らの、芸術に対する苦悩には、辛さを覚えることもある。完成された作品の裏にある、彼らの日々は、励ましにもなり得るように思う。

　全体的に、やわらかい文章となっていて、読みやすい。ただ、描かれる出来事が、断片的に語られるため、物語のなかの時間の経過が辿り難かった。年代を書き込むか、せめて、章に題を付けてあればと思った。