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- カテゴリ:一般
- 発売日:2017/09/14
- 出版社: ふらんす堂
- サイズ:19cm/102p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7814-0993-1
紙の本
あかるい時間に 詩集
著者 丸田 麻保子 (著)
雨で川の淵に落ち葉が集まるのをみている 雨はこわいものと知りながら 濡れないので安心している 濡れた幹に触れようとして まだ指がないことを思い出す(「川の淵に」より) 第...
あかるい時間に 詩集
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商品説明
雨で川の淵に落ち葉が集まるのをみている 雨はこわいものと知りながら 濡れないので安心している 濡れた幹に触れようとして まだ指がないことを思い出す(「川の淵に」より) 第1詩集。【「TRC MARC」の商品解説】
◆第一詩集
こんなふうに、ひとりの詩人が、そして一冊の詩集が、ひとつの大事なことのために存在するという例は、最近では稀である。秀逸なアイディアで良質のユーモアをたたえて書かれている「餃子物語」や「一月」のような作品にも、この核心の変奏となっている側面があると私は考える。(栞より・福間健二)
夢の詩に挟まれたこの複雑な、説明が到底追いつけない既にしっかり立ち上がった作品世界に、これ以上わたしが無駄な言葉を付け加えるのも憚られるから、まずはその真価が恐ろしく発揮され始める2章の終わりまで、できれば止まらず、しかしじっくりと読んでもらいたい。(栞より・暁方ミセイ)
◆収録作品より
もう外も、すっかり暗くなったのだと、部屋のなかにいるのだと思っていた。見えないけれど耳で決めてこれは雨だと思う。乗りこんだ覚えのない船のなかにいつしか自分はいて、足下がおおきく揺れだすとは、そんな夜があるとはだれも教えてくれなかった。
いいえ、船ですらなかった。夜にもなっていなかった。雨も降っていなかった。まだあかるい時間に、部屋もからだも激しく揺さぶられていた。窓の外の景色がどんどん変わっていった。自分は夢のなかにいて、見慣れた風景に水がなだれこんできた。そう思っていたかったが、水はこんなにも現実だ。誰の顔も思い浮かべなかったが、空には星が瞬いていた。
「あかるい時間に」より【商品解説】
目次
- 1 その場所で
- ドクダミ 8
- 川の淵に 10
- その場所で 14
- 森のカラス 16
- 水を運ぶ 18
- あかるい時間に 20
- 2 縦のままで
- きょうだいは 26
著者紹介
丸田 麻保子
- 略歴
- 1969年、東京生まれ。
『あかるい時間に』が第一詩集。
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