- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2021/03/26
- 出版社: 集英社
- レーベル: 集英社インターナショナル
- ISBN:978-4-7976-8065-2
電子書籍
熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
著者 志村真幸
知の巨人・南方熊楠は、熊野の山中での幽体離脱や、夢で父親に珍種の生えている場所を教わるなど、奇妙な体験をくりかえした。アメリカ留学時代には当時流行していた心霊術にも関心を...
熊楠と幽霊(インターナショナル新書)
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熊楠と幽霊 (インターナショナル新書)
商品説明
知の巨人・南方熊楠は、熊野の山中での幽体離脱や、夢で父親に珍種の生えている場所を教わるなど、奇妙な体験をくりかえした。アメリカ留学時代には当時流行していた心霊術にも関心をもち、文献を買い集め、日記にも怪光を見た記述、予知めいたメモ、おかしな夢の記録が残っている。論考や雑誌記事には、世界各地の妖怪の比較、呪いや魔除け、幽霊、魂の入れ替わり、残虐な伝説についての文章が多数ある。それらの資料から、熊楠が幽霊や妖怪をどう考えていたのかを探ってみる、渾身の意欲作。サントリー学芸賞受賞後、第1作!
目次
- 第一章 幽体離脱体験/第二章 夢のお告げ/第三章 神通力、予知、テレパシー/第四章 アメリカ・イギリスの神秘主義と幽霊/第五章 イギリス心霊現象研究協会と帰国後の神秘体験/第六章 熊楠の夢/第七章 親不孝な熊楠/第八章 スペイン風邪、死と病の記録/第九章 幽霊や妖怪の足跡を追う/第一〇章 水木しげる『猫楠』と、熊楠の猫
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紙の本
等身大の人間である熊楠の生きざまと、不思議体験の考察の両方ともが面白い
2021/02/28 23:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けいちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
博物学、民俗学の分野で多大な功績を残した地の巨人である南方熊楠。
本書にもあるように、私自身も含めた多くの人は、水木しげるの「猫楠」での超人的なイメージが強いかもしれません。
「猫楠」でも息子の熊弥との関係は描かれていましたが、本書では父親である弥兵衛との関係や、熊楠が自身を親不孝者と思っていた節があること、自身の精神状態への不安など、等身大の人間としての熊楠が描かれています。
熊楠が生きた時代はアメリカやイギリスで神秘主義が流行っていましたが、熊楠は「オッカルチズムごとき腐ったもの」としてオカルトや、宗教を装ったインチキを激しく糾弾していました。その一方で、英国不思議研究会(心霊現象研究協会)には興味を持ち、自身の幽体離脱体験などの不思議体験に対しては分析考察を試みています。
現代においてはコロナ禍における社会的不安もあり、似非科学や陰謀論が蔓延し、一部ではカリスマ的な人が詐欺まがいのビジネスを行うなど、熊楠が生きた時代と空気感が似ている気がします。スペイン風邪やペスト、コレラなどの流行り病があったことも現代と似ています。
「オッカルチズムごとき腐ったもの」が流行っている中で、流行に流されずに、冷静に自分に起こっていることを分析する熊楠の態度は、現代社会を生き抜くうえで参考になる部分があるように感じました。
熊楠は決して超人ではなく、家族との関係や、自分自身の健康や精神状態に不安を持つ、等身大の人間です。本書ではそんな一人の人間の生きざまについて知ることができる、読みごたえのあるとても面白い一冊です。
そして、ろくろ首や河童、幽霊や心霊現象などに対する熊楠の考察も知ることができて二度おいしい一冊でした。
電子書籍
熊楠と幽霊
2021/06/22 19:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
南方熊楠は生物学、民俗学の分野での功績が多く認められているが、同時に夢や幽霊などのオカルト的な内容についても興味を持ち、日記や論文に残していた。本書は科学的思考の持ち主である熊楠がなぜそのような内容に興味を持ったのか、どのような時代背景があったのかをわかりやすくまとめている。
冒頭にあるように、熊楠自身の手による文章を引用すると分かりにくい部分も多く、多くの人に手にとってもらえるようにと著者による現代語訳がされている。他の文章や記述もとてもわかりやすく書かれている。
紙の本
ちょっとがっかり
2021/09/27 11:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊楠と幽霊の関係については、もっとおどろおどろしいものがあるのかなと思ったが、極一般的なことに終始していた感じで少し残念。