紙の本
苦難を乗り越えた大逆転の経営方法の紹介です!
2018/06/21 08:49
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、地域から目の敵にされ、常に「地域から出ていけ!」と住民に反対され続けた産業廃棄物を扱う会社を見事に立て直したノンフィクション物語です。5年にも及ぶ苦労の末、糾弾を称賛に変えた一人の女性である著者が語る、苦難は絶対にチャンスに変えられる、目標を高くもって、しかし、同時に自分の弱さを正直に認めれば、必ず人はついてくるといったことは非常に納得させられます。破綻寸前の企業を蘇られた感動の物語です。
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内容自体とても良いのですが、特に、星野リゾートの星野社長が石坂産業見学記を寄せていて、それがすごくいいです。星野社長の話を補助線にすると、石坂社長のやろうとしていること、親子の関係など、この本に書かれたことのすべてに、一本の筋が通っていることが見えてきます。
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1972年生まれの石坂典子さん、ただものではないです(^-^) 「五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る」(2016.9)を読了しました。読了感が爽やかで心地よいです。大変なご苦労(ゴミ屋の娘と呼ばれ、20歳で入社、30歳で2代目社長になって10余年)の中から生まれた「言葉」は、「ストレートでシンプル」なるがゆえに、読む者の心を打ちます。人間関係の基本は、何気ない日常のコミュニケーション、すれ違う一瞬の挨拶が真剣勝負。社長と社員であれ、家族の関係であれ、ウォーキングの仲間内であれ、同じだと思います(^-^)
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nhkラジオで紹介。
凄い人が、いるものだ。
下記4点いいなと思いました。
値段決めは経営。安売りは断固拒否します。
p109
本質的に正しいのは、全員に喜んでもらえること
p186
朝一ほうれんそうのすすめ
p204
自分は何のために会社に来ているのか
p262
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凄い人だ。荒っぽい産廃会社の社員を引っ張る女性社長というのも凄いけど、それより30で社長という年齢にびっくり。よっぽど普段から物を考えてきていないとできない。「やんちゃだった」というのをみてよくある「昔はワルでした」という手垢のついたストーリかと思ったけど、若気の至り的な要素があるとはいえ一人でアメリカ留学してプラプラするという、なかなかのバイタリティ。
ただ本書はもう少し踏み込んでほしかった。「そこもう少し詳しく語って」というところのオンパレード。
自分たちが出したゴミを処理するという社会的な使命がすごい。反省します。『要らなくなったモノはポイと捨てて、誰かが処理してくれるのを待つだけ。しかも、自分には見えないところで、できるだけ自分から離れたところで、そっと処理して欲しいということですか』
2代目社長としての偉業:
『トップダウンばかりでは、社員はなかなか育ちません。しかし、指示待ちになれた社員に突然、ボトムアップを求めれば戸惑います。最初のうちは、トップダウンのしつこい教育も必要でしょう。それで社員が成長したら、その立派な働きぶりを第三者に見せる。そこで褒められれば社員は劇的に変わります。社長業とは舞台監督のようなものだと思います』
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ものすごく共感できた。素晴らしい経営者が素晴らしい会社をつくる。そのロジックあるのみ。
石坂さんは産業廃棄物処理会社「石坂産業」の2代目社長です。
産業廃棄物処理というと、いわゆる3K(汚い、きつい、危険)の典型的な業種で、男性中心の業種というイメージありました。石坂さんは名前のとおり女性です。創業者の父親から社長の座を受け継いだといっても、男性中心の会社であったことから、多くの反発を生み、多くの社員が退社しました。
さらに環境問題の高まりから周辺住民とのトラブルもあり、難しい経営の舵取りが求められました。
そうした中、石坂さんはまさにタイトルにあるように「五感」を研ぎ澄ませ、真剣に仕事に取り組み、多くのアイデアを考え実行し、見事に成長させ、今では多くの見学者を迎え入れるほどの優良企業へと成長させました。
本書は、石坂さん自身がどのように取り組んできたのか、石坂さんの言葉で熱く書かれていて、とても引かれるものがありました。
なかでも関心したのは、以下の考え方です。
・価格競争をしない
ライバル会社に真似できない技術を生み出し、相手から選ばれる企業になる
・顧客にも礼儀を求める
もちろん適正なサービスあってのことですが、マナー違反には厳しく対処する
まぁ、そうは言っても相手のあることです。これらを実現するためには自分たちの企業価値を高め、尊敬されることが必要です。
そうなるまで愚直に取り組んだ石坂さんの熱意には感動を覚えました。
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この本を見つけたのは偶然だった。副題の「産廃会社の娘」という組み合わせに目を引き、「地域に愛されるリサイクル会社に生まれ変わった」の紹介文で関心を持ち、本を手に取って、20年ほど前に所沢で起きたダイオキシン問題で矢面に立たされた会社と知って鳥肌が立った。
著者は、ネイルサロンの開業資金を貯めるまでの腰掛のつもりで、父親が経営する石坂産業に入社した。最初は事務員だったが、仕事に熱意を抱いた働きぶりを評価されて、営業部隊の統括を任されるようになった。1999年に、所沢市で生産された農産物から高濃度のダイオキシンが検出されたとのニュースがテレビで流されたため、地元の野菜が売れなくなって、産廃会社に怒りが向けられた。2001年には、会社の産業廃棄物処理業の許可を取り消すことを求める行政訴訟を起こされた。ごみを捨てる時代を終わりにして、リサイクルする時代にしなければならないという父親の思いや、産廃処理に携わる職人たちのおかげで育ってきたとの自らの思いから、2002年に自らを社長にしてもらうことを直談判して就任した。
2002年、地域に必要とされる会社にするために、売り上げの7割を頼っていた焼却事業から撤退し、解体資材の減量化とリサイクル事業に注力することにした。2003年にISO14001やISO9001を取得。巨額の投資と引き換えにして、減量化・再資源化率95%を達成した。業界の平均は85%だったため、同業者の15%分の産廃も引き受けるようになった。2011年に日立建機と共同開発した電動式のショベルカーを導入したことによって、二酸化炭素の排出量を大幅に減らせるようになり、排出権クレジットを売却することができるようになった。2015年には、廃棄物を材料にした建設資材が公的機関の認定を受けて、全国で使えるようになり、減量化・再資源化率を100%に近づけることができるようになった(現在、ホームページには「98%を達成」とある)。
2008年には、屋内型プラントの内部を見てもらうために、見学用の通路を新設して、工場見学を始めた。見学者が増えて褒められることによって、社員も自発的、意欲的に仕事に取り組むように変わった。今は、年間1万人以上の見学者が訪れている。以前から行っていた近所の道路の清掃を広げて、くぬぎ山地区の雑木林の整備も始めた。この活動によって地元の評判がよくなり、2012年には日本生態系協会のハビタット評価認証制度(JHEP)でAAAランクの認証を取得した。森林を手入れして集めた枯葉を堆肥にしたものを用いた農業も始め、農産物を加工して販売する6次産業も展開した。森林には、子供たちのためのアスレチックパークや体験農園などをつくり、2014年に里山環境教育フィールド三富今昔村と名付けて一般開放した。ただし、森林保全にかかるコストは毎年数千万円の持ち出しで、6次産業も赤字。
著者は、今後のミッションのひとつとして、里山の保全・再生を単独で採算のとれる事業に変えるために、環境教育の事業化を考えている。すでに、旅行代理店と提携した体験型ツアーを企画しており、海外の機関と提携して環境教育プログラムの開発に着手している。これによって、産廃処理と里山保全の現場を持ち、環境教育に取り組む会社としてブランド化しようとしている。
ダイオキシン問題という逆境があったとはいえ、強い理念を持ち、その取り組みを次々に実現させていく実績は見事だ。その行動を背後でどっしりと支えたのであろう父親の姿も文面から伝わってくる。親子のドキュメンタリーとしても読める内容になっている。
石坂産業
https://ishizaka-group.co.jp/
里山環境教育フィールド三富今昔村(新所沢駅から無料送迎バスあり)
https://santome-community.com/
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【自分で決めたことを、自分でやる】
本書の著者、石坂典子さんは、産業廃棄物処理会社である石坂産業の2代目社長だ。この会社は、1992年に彼女の父が創業したものである。題名にもあるように、産廃会社が環境によって抱えることになる多くの問題を、著者の石坂さんが解決し、逆転をするものである。
産廃会社の本社は埼玉県見芳町にある。その町と隣接する、埼玉県所沢市の野菜から、有害物質であるダイオキシンが検出された。それにより、地域の人から嫌な目で見られるようになってしまったそうだ。私も環境問題に関する授業を受けている。そこで、汚染物質のことについて勉強したが、人間や環境に与える影響は強いものである。そのため、地域の人から悪い視線を浴びるようになってしまうと、前向きに行動してみようと思っても、中々動くことはできなくなってしまうと思う。だが、そんな状況の中で、石坂さんは今後どのように改善するべきなのかを考えて自ら動く。それはとても勇気のいることであり、素晴らしいことだと感じた。
私が本書の中で印象に残った言葉がある。それは第四章に書かれている「自分で決めたことを、自分でやる」である。また「自分で考えたことを、自分で実行し、成果が上がる喜びを味わう」と書かれている。皆はこのような経験があるだろうか。私は、自分でやると決めたら、やると決めている。だが、それを実行することに時間がかかってしまう。特に勉強となると、取り組むのが遅くなってしまう。周りの意見を聞くことはとても大事なことではあるが、まずは自分で考え、行動し、成果を出す。それを周りの人に認めてもらうということは、とても達成感があるものだと思う。そのため、石坂さんは自ら地域のために動き、多くの人とコミュニケーションを取る場を儲けた結果、地域の人から認められ、今ではリサイクル会社となっている。
私は、本書を読んで、環境問題、ゴミ問題への意識が変わった。ゴミは減らす意識をしていても、どんどん増えていく。また、ゴミの分別ができていない人もいる。桜美林大学でも、ゴミの分別は徹底して行われている。まずは、ゴミの分別から、毎日意識して生活していきたいと思う。
本書は過去にNHKラジオで紹介されている。また、この産廃廃棄物処理会社は、年間1万人以上の人が見学に来ているようだ。本書を読めば、環境問題に対する意識が変わるだろう。環境に興味がある人はもちろん、学生にも是非読んでもらいたい。
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産業廃棄物の関連の仕事をしているので、この本を読んでみました。
石坂社長の行動力、勉強量がすごい。
また、やると決めたらとことん突き詰めていくやり方もすばらしい。
自分としては、石坂社長の考え方、動き方を少しでもいいからマネできるようがんばっていきたいです。
また何か新たなことにチャレンジしている石坂社長の本が楽しみです。5年毎くらいに本書いていただけるとありがたいです。
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どんなジャンルでも「二代目」というのは苦労が多いと思います。
隣の芝生は青いというようにはたからみれば黙っていても社長になれる境遇はうらやましく見える部分もありますが、本人にしてみればかなりのプレッシャーにもなるんでしょうね。
この著者は自ら社長になることを名乗り出て、そこから様々な逆境と苦労を乗り越えて企業としての成功にたどり着きました。
なかなか真似できるような事ではなく、すごいというよりはよくここまでくじけずに続けてこれたなあと思いました。
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親父が読んでいた本で、実家に帰った際たまたま見つけたので借りて読んでみた。
著者は、産廃会社を経営するの女性社長。
自らの別な夢のため、お金を稼ぐ腰掛け程度の気持ちで父親が経営するの会社に入社。入社数年後、ダイオキシンなど環境問題に関しての風評被害にあい、会社存続の危機に陥る。それをきっかけに、自らが会社のために出来ることは何かを考え、社長になりたいと父親に直談判し、お試し社長に就任。現在は、引き継いだ当初よりも売上、人員を倍増し経営している。
著者本人の、苦労や努力がにじみ出ている。だからこそ、説得力があり読んでいて感情移入出来る。
経営を引き継いだからといって、簡単に会社を変えれるわけはなく。いろいろな失敗や衝突を乗り越えながら、著者本人も成長し、会社も成長し続けているように感じた。
会社撤退運動を起こされたが、地元のために会社として何が出来るのかを考え抜き。
実行出来る度胸と先見の明(勉強する努力)がある。
何事にも、真剣に努力している人はカッコよく見える。
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ちょっとした思いつきだけでは、大きな共感は得られません。小さなアイデアを出発点に、地域の歴史を深く学び、世界の人たたが持つ問題意識と照らし合わせた時、大きな変化が生まれました。
廃棄物とは、誰が出すのでしょう。どこから出るものでしょう。私たちの社会から「汚れた廃棄物」が絶えず出てくるのは、どうしようもない現実で、そんな現状を批判するだけでは、何も変わりませんし、変えられません。
だから、力を合わせて取り組めることはないか、一緒に考えてほしい。
社会貢献というと、海の向こうの貧しい国に何かを贈るといったイメージを抱く人も多いですが、そればかりではありません。むしろ足元を丁寧に見直し、身近な利害関係者を幸せにし、世の中のためになる切り口を考える方が、実り多いアイディアが出るような気がしてます。
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上司に勧められて読みました。読みやすい文章ですが物事の本質をつくようなところもあり、考えさせられました。
本自体の話から逸れますが、廃棄物処理に文句を言う人はゴミを捨てる資格がないですね。そういった短絡的な思考に陥らないよう注意したいと思います。
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大枠は、二代目社長さんのこれまでと考え方。
他の方の感想に無かったもので、
個人的に、好きな箇所は
「子供たちにiPadでスケジュールみられて、週に夕飯を一緒に過ごす日が少ないとブーイング」
仕事だけでなく、母親としてもご活躍されている姿は頭が下がります。