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こんなおもしろいデザイン、ビジネスに関する書籍はなかった。
ロジカルシンキングだけでは光が見えなくなったビジネスの現場において、顧客の内面に光を当て、顧客とともに自らのビジネスに光を与える示唆に富んでいる。
「デザイン」をモノづくりの範疇しか理解できていない周りの人、コトづくりのデザインでしょ!って言ってる人にも薦めていただきたい。
デザインは関わる人の本質に迫る価値を具現化し実行できる力になると。
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コンセプトからブランディングまで一気通貫でデザインすることが大事でAIに負けない創り手の魂のやうなものはそーゆーところから表出するのではないかなと思うのである。人のマネジメントよりもデザインプロダクトのマネジメントで結果人もマネジメントみたいなのが望ましい。
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google,amazon等の経営の基本!というキャッチコピーと「デザイン」という単語に漠然と惹かれ手に取る。
まずはじめに単なるノウハウ本ではない。
物質の欲が満たされている中でどのようにして愛されるブランド、モノ、組織を作るかの考え方を述べている。
グローバル化した社会では人間の生産性が同じであれば賃金の安い方に仕事がいく。
効率化が進むほど、機能や価値が同じであれば低価格の商品が売れる。
他と違わない商品やサービスで効率化や他の本質的でない付加価値での差によって決まる。
そのような中で革新的なイノベーションを生み出す必要性が高まっている背景から、何をつくるかを考える前に、なぜそれを自分達がやる必要があるのかを考えなければならない、それがデザインの考えのひとつであるという。
なぜなら今社会で必要とされるアウトプット、現代の人が求めているのは驚きや感動、共感である。
驚きや感動を与えるには、自分達がどんな社会にしたくて、本来はこうあるべきだという理想を提示できてこそであり、それはウォンツ(潜在的な欲求)を発見できるかにかかってくる。
豊かな感性でものごとを捉え、社会に隠されたウォンツを発見し、デザインしていく。
本で述べられていた事例では、すでに市場が大きくならないような陶器業界でも時代の変化に合わせてウォンツを発見し商品のコンセプトに落とし込み、現代社会の隠された欲求を満たす商品をコミュニケーション戦略まで
徹底して一貫性をもたせたために、大きな売り上げが出せていた。
このような4つの筆者の体験事例をもとにしてデザインの考えを伝えている。
感じたことはやはりストーリーや背景、理念の設計の重要性。
企業の理念や意志、思いがきちんと伝わらない限り、共感してもらえない理念である限りは意味がない。
そういう意味で企画からコミュニケーションまでの整合性をとるデザインという考えは大切なのだと。
これらのことは欧米の企業では非常に当たり前のように伝わっているように感じる。
googleやamazonのサービスは革新的である以上に理念がひしひしと伝わってくる。
ではなぜ魅力的な理念なのかということを考えたときに、それは個人的には明らかだった。
未来志向性ただひとつではないだろうか。
実感ではないし月並みではあるが、日本の企業が西洋文明のあおりをうけ、効率化やコストカットの方向性にいくために革新的なサービスが生み出せなくなっていると少し思う。
また大企業になればなるほど、歴史が長くなればなるほど
創業当時建てられたビジョンは薄まっているし、大所帯を抱える社員全員に浸透していないように感じるし、
それを維持していくことは難しいかもしれない。
日本人が伝えることが苦手な文化も影響しているのかとも思う。
読み終わった後、どこか自分の中でこうありたいと思っていたが隠れていたことが明確になり、満足してる。
モノ作りに関わらずこれから新しいもの、変化やイノベーションを生み出していく��材に必要な考え方のtipsを得られる本でした。
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姿形のデザインではなく、タイトル通り「デザインマネジメント」の内容、刺激をもらえた。
勝手要約すれば、
世の中をよくしたい・・・ といった意思・覚悟・情熱を持ち続けた中で
「既成概念に疑問を持ち、本質やなぜの追求を突き詰め、繰り返せば、輪郭はシンプルになり、判断基準や何のために生きているかがはっきりする」,「多角的、長期的視点が全体最適を考えることにつながり、加えて消費者の暮らしに寄り添うこと」で、「根っこにあるテーマ、共鳴する物語が見い出せる」
概念を変えるには「常識の束縛から逃れるためのエスノグラフィの活用,忘却の大切さ,幅広い知識=教養/社会の仕組みの理解,外部協創による自らの能力の知覚・・・」
そのための姿勢や行動,意識,組織は「体験の積み重ね,実際に行動,他人の情報に頼らない,効率を求めるのではなく 後退したり迂回したりして答えを探し続けなければならない,小さな積み重ねを地道に,リリース/フィードバックを繰り返すことで必要要件が研ぎ澄ます(これが成長戦略につながる),内発的動機を高める(これは楽しむこと、ワクワクできることが大切),組織は役割重複を避け、人の弱みを中和、志を同じに、やりがいとエネルギーを高める方向に・・・」
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外観だけでなく、心の奥底に眠る価値を形として取り出し、創造的なシナリオにまとめあげ、確実に実行するという行為がデザインである。仕事が深く、楽しく、創造的になるという効果もある。
目指すところや心意気は何となくわかりますが、広義のデザインという、日本語にはない言葉のイメージがうまく掴めなかった。紹介されている製品はいずれも魅力的でしたが。
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・デザインはなぜから始まる。総合的に計画、設計すること
・プロタ゛クトがうまれ死ぬまでのスパンで考えて全体を設計する
・デザインとは創造的計画であり発明。リフレーミング(再定義)である。柔軟的思考で、既成概念にとらわれず別の角度からものごとをみる(欠点は長所にもなる)
・デッサンは足でかけ。全体最適。
・デザイナーはアーティストではない。
・大事なのはウォンツをみつけること。人は新しいものが好き。また楽しくなければいけない
・ヒアリングは可能性を広げる。
・物語をつくる。コンセプトメイキング
・多様性は必須
・講義より読書。読書より体験
・ロジックだけではだめ。今はフレームワークに頼ってはいけない。みな同じフレームワークをつかっているので、同じ結果しか出ない。MECEな整理は現実にはありえない
・センスとは、ユーザの物語をわがことのように感じて共感することができるセンスやユーザ体験をその目線に立ってデザインすることができるセンスのこと
・共感できる物語をつくる。右脳も左脳も大事
・ロジック+センス+ラブ。ラブは多様性から生まれる。多様性あるメンバーだけではマルチディシプリン。共通の理念、言語があってはじめてインターディシプリンになる
・同じ目線が大事
・デザインマネージメントはおわらない(デザインマネージメントは経営マネージメントである)
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・デザインとは意匠だけでないより広範囲なものである。
・コンセプトや見せ方の価値は、物や情報があふれる現代でより高いものに。
これがデザインが今日求められる理由である。
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凄く面白かった.
デザイン思考に関する本だけど,フレームワークの解説などではない.
3~4つほどの,筆者の代表的なプロダクト事例についてのストーリーを解説付きで展開していく中で
自然とデザインマネジメント的な視点を身に付けていく感覚.
この本自体がよくデザインされた追体験による学びの場となっている.
事例もハラハラするようなものばかりだった.
「物干し竿屋さんだけど,新商品をデザインして欲しい」と言われても,どうしよもないだろう..という依頼に対しても,
生活者の深くに潜む Wants をすくい取り,
それをプロジェクトのミッションに落とし込み,
プロダクトデザイン群に落とし込み,
チーム・組織やセールスのデザインにまで反映していく,
というデザインマネジメントの働きに本当に驚嘆した.
さらにそれらの成果はストーリーとなって,さらに次のプロダクトに反映されていくという循環.
いろんなフレームワークはまた別途学ぶとして,
ひとまず筆者としては,以下の3点を抑えて欲しいとのこと.
・ロジック:思考を積み重ねる.ストーリーを紡ぐ
・センス:知覚・知識・連想. 視点の広がり
・ラブ:心に響く・快・情熱
あと,番外的に マズローの5段階欲求仮説について触れていたけれど,
「自己実現欲求」の意味として「その人がなり得るもの全てになろうとする願望」と引用していた.
なるほど,自分の可能性を「実現」するという意味だったのか.. 今更知った.
可能性への挑戦,大切ですね. この本の文脈で言われるとよりよく分かる.
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デザインマネジメントのプロセスが具体的に書かれており、とても参考になった。また、発注者の方々も広く読まれていそうなので、教養としても読んでおいて良かった。
難をあえて言えば、具体的な話の多い終盤は大変面白いのだが、序盤と中盤は啓蒙的な感じが強く読みにくかった。特に中盤の筆者来歴の部分は、客観的な視点が少なく、自慢話ととられても仕方がないのではないか。現場で実績を積んだ作者の信頼感をアピールする章だと思うので、もう少し広い視野からの振り返りの方が良いように思う。
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デザインマネジメント
[ ]ひな形は便利だが、企画業務は全て違う内容やプロセスであるべきだ。なぜなら独自の提案に二番煎じはないからだ。
[ ]一般的データの分析からは感動を与えることができない。なぜなら同じ情報源に頼っており横並びになりがちだから。
[ ]情報分析ではなく多様化した世界を最適化する総合力
[ ]本来新商品とは企業が持続可能な活動を行うための手段
[ ]そのゴールがどこにあるかはスタート時点てはわからない。結果的にゴールしていたりする。革新的な発明とはそういうものだ。
[ ]デザイナーの役割は表層的な色や形を決めるオペレーターではない。
[ ]計画とは将来への意志であり、現在から飛躍し、無理があり、現実不可能に見えるものでなくてはならない。現在の延長上にあり、合理的で現実可能な計画はむしろ予定と呼ぶべきだ。
[ ]発明は世に出た時点で成否よ判断は下せない
[ ]wow!
[ ]ダニエルピンク ハイコンセプト
[ ]ユーザー接点を人任せにしてはならない
[ ]既存のやり方を忘却しつつ借用はするしたたかさ
[ ]確信を得るために調査はある
[ ]ロジック、センス、ラブ
[ ]物語はストーリーとナラティブに訳し分けることができる。
[ ]未完成によるものづくりはナラティブをつくるうえでも有効で、市場投入後のトレース、改良が必然になるし、多くの人が参画したものづくりはブランド作りにも役立つ
2014/10/29 20:48:33
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構成に若干わかりにくい部分もあったけど、基本がわかってよかった。
デザインマネジメントって、目的をより一歩抽象化して、事業の本質を振り返るということだと理解。
ついつい、今まで積み上げてきた手段とかこだわってしまうけれど、
例えば、鳴海食器ならば、高級ボーンチャイナで…ではなく、食器を通じて価値を提供、幸せを提供、もっというと、食卓に笑顔を、みたいな。
そういう本質的な部分を確認してから、自分の会社・持てる資源を再確認して、積み上げていく…という理解。
ちょっと違うかもしれないけど。
議論は、今をベースにするとちょっと拡散しがちだから、こうした本質から積み上げていく習慣を大事にしたいと思う。
そして、本質が共有できたら、「つくる」部門だけでなく「売る」とか「宣伝する」でも、同じコンセプトでやること。
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OSOROやNESTAの事例があって、デザイン思考の実際の過程が詳しく書かれていてよかった。
後半のデザインマネジメントやコラムも参考になり、為になる1冊だった
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筆者はデザインの仕事とは、見えない誰かにラブレターを書くことと似ていると思う。いやデザインに限らず、仕事とはそういうものではないだろうか。
「どうにかして自分の想いを届けたい」
…
ここで思うのは、相手と親密なコミュニケーションを図ろうという努力や、目の前の課題に取り組む姿勢、目的を達成するための取り組み、成功しなかったときのフィードバックは、本来仕事という場でも純粋な心と行動をもって実践すべきなのではないか、ということ。
■新しい価値の創造に必要な要素
1.ロジック=本質を見つめ直しリフレームする
2.センス=知覚を統合して知性をもって表現する
3.ラブ=数値化できない人間の本質に迫ること
■デザインマネジメントの役割
1.課題の発見と抽出
2.既存フレームの再構築
3.新たな価値の発明
4.そこに至るための複合的な情報処理
■デッサンは○○で描け
A頭 B腕 C足 D手 E心
→C足
デッサンで重要なのは、描き始める前に多くの情報を取得することだ。そのために自分の五感を研ぎ澄ませて、目の前の現象を作り出す要素について実感を持って確認する。例えば、モチーフの前後関係、質感や色、太陽光なのか人工的な光なのか、光の角度や反射はどうなっているか、影の落ち方はどうか、などである。モチーフの周囲をぐるぐると歩き回りながらその構造を確認したり、モチーフに触れてみて質感を確かめたりするとよいのだ。窓の外を見て太陽の位置や季節によって異なる光の色を感じ取ることもよいだろう。こうして、座った場所から一方向的に見ているだけでは捉えきれない多くの情報が目の前にあることが分かってくる。だから「デッサンがうまい人」とは自らの足で多くの情報を得ようとする「フットワークの良い人」のことなのである。
なぜわざわざデッサンの話を引き合いに出したのか。ここで言いたいのは、何事も一方向から見るのではなく、周辺の環境を含めて、観察し、多角的に考察することがいかに大切かということだ。誰かに教えてもらった情報だけを頼りにするのではなく、自分の目で確認し直観的に捉えることによって、本来やるべきことの輪郭が浮き上がってくるものなのだ。そしてデザイナーはデザインの職種に就く前にその訓練がされている。すなわち多角的に情報を集め、それを再構築することのスキルを身に付けている人たちなのである。
筆者は、企業がどれだけデザインを大切にしているかを知る指標として、組織図を見せてもらうことがある。組織図は企業の理念や方向性をとてもよく表す情報であり、トップの近くにデザインセクションがある場合は経営の中にデザインを必要としているなと感じるし、トップから離れて事業部の末端にある場合は、計画段階ではデザインの視点を取り入れていないのだろうな、と感じる。
あまり知られていないかもしれませんが、宗一郎はデザインとデザイナーをとても大事にしていた。技術者には「技術だけじゃダメだ。デザイナーになれ」とよく言っていました。
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「デザインマネジメント」
1.購読動機
新しい事業を運営するにあたり、事業とは?顧客とは?提供価値とは?の定義を再度認識したうえで展開したかったためです。
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2.デザインマネジメントのデザインとは?
意匠を指すのでありません。
ひとことでいうならば、なぜ? とその実現です。
なぜ、その事業をするの?
なぜ、その顧客ゼグメントなの?
なぜ、提供価値がそのような様式になるの?
この、なぜ? を明文化すること、かつ外部に正確に認知してもらうように、事業を展開することです。
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3.デザインマネジメントの要素
著書と多少の差異はありますが、3つです。
①ロジック
②センス
③wow!
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これをつなげると以下の文脈となります。
事業のデザインマネジメントとは?
①ロジック
顧客を誰にするのか?なぜそのゼグメントにするのか?
提供価値を何とするのか?
の基本を定義すること。
②センス
①を顧客そして社会に正確に認識してもらうために、自社そして自身の五感を使い、表現すること。
③wow!
結果として、顧客そして社会の五感を刺激し、wow!の流れを生み出すこと。
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4.自身に置きかえて
自身の業務の今と未来に置き換えました。
次の一手も、なぜ?の基礎からずれないように展開します。