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商品説明
北海道開拓における地域空間形成において、その基礎となった屯田兵村や殖民区画の空間計画を解説するとともに、それら「基層」群がつくり出した地域空間の構造を描写。明治開拓期の地域空間形成の行動原理を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
近代北海道の地域空間形成のルーツを探るべく,北海道の開拓とは何か,地域形成の空間計画とは何かを問うた論考。2013年度日本建築学会賞受賞の研究である。
明治以降の歴史の変遷のなかで,現在の北海道に残る最大の地域資源といえるものは幾何学的な区画の中に展開する耕地と防風林の存在である。その美しい景観は,わが国最大の農耕地でもある。日本の近代化とは国民国家の建設を目標に殖産興業や富国強兵に表される都市づくり,産業施設の建設が中心となってきたが,実は近代期においてわが国の開拓,農村づくりも盛んに行われ,新たな原野開墾等による農地の増大は100万haを超え,これは現在の日本の耕地面積の1/4 近くに達する。規模の大きい原野開墾が実施された地域は北海道が主となるが,明治期の原野開墾事業は全国に拡がる。中でも東北・北関東には北海道開拓と同様に農村の原野開拓が基盤となり,地域・都市形成が始まったエリアがかなり見られる。日本の近代の地域史とは都市の歴史だけでなく実は都市+農村の計画史として書かれるべき地域が多いのである。
本書は北海道開拓を中心とする日本近代の開拓と農村計画の空間研究と地域(都市+農村)の計画史にまたがる一連の論考である。農村地域空間を歴史的形成のなかで捕らえる新しい方法論(地域空間をレイヤー構造で分析する手法)を展開しながら,歴史の中に埋もれていたともいえる日本近代の農村計画を拾いだすことに成功して,従来の通説を問い直しながら北海道開拓での屯田兵村と殖民区画が,日本近代期における非常に優れた農村計画手法であったことを初めて明らかにしている。また東北・北関東地域の原野開拓についても,従来北海道開拓との関連性について関心のもたれることのなかったが,すぐれた農村計画の手法を有し,北海道開拓と多くの同時性,共通性をもつものであることを明らかにしている。
本書のもう一つの柱である農村計画の分野は,戦後我が国の農地面積の大幅な縮小や日本農業の構造的な問題が山積するなか,計画学として有効な計画の方法論を示し得ない状況が続いている。本論文は農村地域空間を歴史的変遷のなかで捕らえる新しい方法論を展開するなかで,貴重な日本近代の農村計画の手法を拾いだすことに成功している。その方法は計画学としての展望を見いだせないでいる農村計画分野において,その計画手法を再構築する新しい可能性を示している。本書は北海道を中心とする日本近代期の開拓,地域空間の計画史研究の新しい地平を切り開くとともに,計画学としての地域,農村計画の再構築への研究的貢献をなすものである。
【商品解説】
目次
- 序章 研究の目的と方法
- 1.研究の目的
- 2.研究の方法
- 第1章 明治初期開拓の地域空間形成
- 1.明治以前の北海道開拓の底流
- 2.明治初期の開拓政策
- 3.開拓初期の地域空間形成の流れ
- 4.明治初期開拓事業の意味
- 第2章 屯田兵村の配置計画の骨格パターン
- 1.屯田兵村形成とその時代背景
著者紹介
柳田 良造
- 略歴
- 〈柳田良造〉1950年徳島市生まれ。柳田石塚建築計画事務所代表、プラハアソシエイツ株式会社代表を経て、岐阜市立女子短期大学生活デザイン学科教授。博士(工学)。2013年度日本建築学会賞受賞。
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