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紙の本
響きあう<輪>
2002/06/24 03:21
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投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
口語表現を大胆に導入し、アウトサイドを既成観念の枠組みの中で描いた二十世紀のポストモダニズムの先駆けとなった小説家の処女作にして外国語に翻訳して理解可能なほとんど唯一と思われる傑作。フローベール(『三つの物語』)に範をとり、その「リアリズム」の核心が感覚(直観)の形式化にあると捉えたとしか思えない集中第一の傑作『メランクサ』について、不思議な緩急のリズムを作る繰り返しのループが、黒人英語の口語表現をセザンヌに代表される印象派の絵画作品からの連想によって獲得された方法意識によって練り上げた結果としての《文体(形式)》に他ならないのだということについても付言しておくべきだろうか。
このループは、ちょうどヴァージニア・ウルフの『波』の冒頭近くで不意に口にされる「環」と響きあう。