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商品説明
ヘッポコ助産所ではぐくまれる母とオカマと私の物語。第9回坊っちゃん文学賞大賞受賞作。期待の新人誕生!注目のデビュー作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【坊っちゃん文学賞大賞(第9回)】神様、私はなにを祈ればいいでしょう? 年末、久しぶりに帰省すると、そこには母と、明るくたくましいオカマのお姉さんがいた。ヘッポコ助産所で育まれる、母とオカマと私の物語。〔「空ちゃんの幸せな食卓」(ポプラ文庫 2013年刊)に改題,2013年刊は大幅改稿,書き下ろし「空ちゃんの幸せな食卓」を加える〕【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ゆくとしくるとし | 5-82 | |
---|---|---|
僕らのパレード | 83-204 |
著者紹介
大沼 紀子
- 略歴
- 〈大沼紀子〉1975年岐阜県生まれ。法政大学卒業。フリーライター。脚本家。
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紙の本
心は森なんだ!
2007/01/27 12:33
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
第9回(2005年)坊ちゃん文学賞受賞作「ゆくとしくるとし」と中編小説「僕らのパレード」を収録。
受賞作は雑誌掲載のときにも読みました。文章もテンポもうまいし、物語の意外性もあるんですが、いつもラストが不本意。なんでそんな展開にしちゃうかな。
どうもこの作家とは根本的に相容れない。
でもそれまでは十分に楽しめました。特に「僕らのパレード」がいい。
6歳違いの姉が突然、口をきかなくなってしまい、その療養のために一家で岐阜の田舎に引っ越します。この家の母親は結婚と離婚を繰り返し、僕は4人目の父親通称「よんちゃん」になついていたんですが、お別れです。
このよんちゃんが「僕」に人生に役立つ教えを授けてくれていて、「僕」はいつもよんちゃんに助けられます。
「笑われることはステキなことだ」
「心は森で、そこには動物がたくさん住んでいる。森にいろんな動物がいるように、心には怒る、イライラする、ムカつく、悲しいなど感情の動物がいる。もちろんうれしいも、楽しいも、やさしいも。森に1種類の動物しかいないなんてことがないように、心にもちゃんと『やさしい』が住んでいる」
たまに失敗してしまいますが、それもまた愉快。
さらに物語には、美大中退のパン屋のお姉さんが出てくる。彼女は「道に迷ってしまう」病気で、家と自分を必ず糸で結んでいないと迷子になってしまう。「僕」は彼女に弟子入りし、深く関わっていきます。
人間の悲しさや生きにくさが伝わるんですが、それを「僕」はいつも解決します。