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築(きずき)ちゃんとゆうちゃんの、みずみずしい交流が愛おしい。
『あたり前だと思うと、がまんできちゃうものなんだよね』とか、『加減の分かる装置』特に、心の加減の。とか、すごくよくわかって、うるうるしちゃう。きぃちゃんとゆうちゃんの共同生活は、きぃちゃんがゆうちゃんちにニートするような形だったけど、二人で居る時はとても楽しかったんだなと思う。だから、きぃちゃんがゆうちゃんの家をでなきゃいけなくなって、はじめて関係を見つめ直せたんだと思う。恋愛じゃなかったって。そう思えるのに離れるのが必要だったなんて、なんて純粋なんだろう。久し振りに胸がきゅんとなる。
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20歳の私が読めば間違いなくはまっただろう。
胸がキュンとなって感情移入できただろう。
私はいつからこんなに現実的で夢のない女性になった?
きいちゃんと自分の違いに愕然とする。
どこか危なげで繊細でほっておけないきいちゃん。
きいちゃんをひたすら優しく見守り、温かく包み込むゆうちゃん。
二人の世界は二人だけで完結している。
時々周りの人が関わる事もあるけど、でも基本は二人。
閉じた空間の中でお互いがお互いだけを必要としている。
サルコ、ピョートル大帝、くしゅ。これらの話は『長崎くんの指』の不思議な世界を思い出した。
経験したはずの出来事が夢か現か分からなくなる世界。
でも主役はあくまできいちゃんとゆうちゃん。だから『長崎・・・』ほど強烈な印象は受けない。
いつまでも二人だけでいる事が出来るのか?それは実際に読んでみて下さい。
私はあぁ、やっぱりと最後に思いました。
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20歳のきいちゃんが出会った奇跡のような相手との生活。そのつきあいがこのような形で終わるとは。
夢物語のようなエピソードがちりばめられている。
作成日時 2008年05月18日 08:46
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2008.07.17. 東さんの言葉の選び方が好き。ただな…ちょっと甘すぎた。いや、すごく甘かった。練乳くらい。あんなに優しいゆうちゃんなんているんだろうか。ラストはやっぱり、という感じだけど、少女漫画みたいで良いかと。
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ゆうちゃんときいちゃんがだいすきです。
かわいくて やさしくて、ふたりの会話に
心が ほわほわ あたたかくなります。
ずーっと ずっと 一緒にいてほしいのに
結末だけが やっぱり ちょっと 残念でした。
でも、また いつか 出会ってほしいなーとか
勝手に 思ってしまいました。
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内容(「BOOK」データベースより)
さようなら、までの12章。二度と戻らない二人だけの時間。「きいちゃんが眠れないんなら、なにか話をしてあげる」ゆうちゃんがくれた、やさしい不思議な物語たち。
2008.9
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突拍子もないやわらかさが、『椰子椰子』なんかの川上弘美の感じと似てるなーと思った。
ゆうちゃんみたいな男の子がいたら良いなあ、と思っていた、け、ど。
こんなに苦しい別れってあるだろうか。
『会いたいから、会わない』。
苦しすぎて、泣きたいのに涙が出ないような、胸のぎゅうぎゅう。
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部室で寝転がりながら読んでいると、涙がぼたぼたと。
読みやすい文体。
身近にこういう人いない人は、いらいらするのかなぁなんて。
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初めて東さんの本を読んだのだけど、なかなか良いです。
こんな男いないわよ!と言いたくなるくらい、ゆうちゃんが優しすぎる!
終わり方がすきでした。他の話も読んでみたい。
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自分がない、というのは酷い状態だ。
相手がいるか・いないか、ただ今、私を思っているか・いないか、で、
私の満足・不満、自足・不在が決まるのだから。
*
『薬屋のタバサ』の彼女と、築と、どちらの方が幸せだろうって、初め考えようとした。
間違っているのだけれど。
築の物語の最後も、やっぱりとてもとても切ないけれど、
でもやっぱり、タバサの彼女みたいに全て失ったわけではない。
彼女には救いようがない。救うべき彼女も失くすのだから。
別れるにも、分かたれるべき二人がいなくちゃ、仕様がないのだから。
寂しくて、切ない本でした。
でも本当にほかに、しようがないのかしら。
寂しくて、こうなるべき物語ではあるのだけれど。
でも、タバサか、築かしかないなんてことは、それは絶対にイヤだと思う。
し、おかしいと思う。やっぱり。
足掻く気力はないのかしら。
一回きり混乱したら、それで一生ダメになるほど弱いものならば、そのままダメでいいと思うのに。
そこを脱したら立ち直れるなんてほど、器用な弱さも強さもないと思う。
*
東さんの書く男女関係(「恋愛」)って、読んでいて、頭に「依存」という文字が浮かぶ。
それに、理由なんて説明できないし、すごく私的な感覚によって、「現代的」な問題という気がする。
無根拠に、attachmentを「愛情」とか訳しちゃった辺りで駄目になったんだよ。きっと。
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「考えすぎなんだな、と思う。なんにつけても。考えすぎるところが、自分でもとても嫌なのに、自分の嫌なところをこうやってまた、考えすぎている。ああ嫌だ」
この部分が、この主人公の性格を良く表していると思った。ちょっと傷つきやすくて、考えすぎで、脆くて、弱くて……。主人公は、20歳の大学生。私と年齢が近いからか、共感できるとこも沢山あった。でも少し、弱すぎる。最初はそう思っていた。
だけど最後まで読んで、“弱くて脆くて一人じゃいきていけない”というのは、思いこみだったんだと気づいた。主人公自身が自分は駄目だと思いこんでいたと思うし、一緒にくらしていた、「ゆうちゃん」もそう思っていて、だから、一人じゃいきていけないような錯覚に陥ってしまったのだ。
最後、とても切なくなるけれど、悲しいだけじゃなく、前向きになれるお話だと思う。
美容師のゆうちゃんがとにかく優しくて素敵だった。最後までほんとーに優しい!全部とおして空気が切なくて優しいお話だった。
東直子さん、はじめて読んだけど別のも読んでみたいなー。
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《ネタばれあり・注意》
きぃちゃんに恋人のゆうちゃんが寝物語を聞かせるっていうシーンにほんわかさせられた。
温かなおふとんにくるまれて、あたたかな声を聞く。
とってもすてきなことね。
五年も生きたカブトムシのカブや、謎のストーカー・ピョートル、耳から出てくる「くしゅ」、ほらふきの「ホラン」
不思議なひとやものたちのお話は、なんだか夢みたい。
その中のお話にでてきた「来る時が来たら去る、サルコ」にきぃちゃん自身がなるなんて、すごくびっくり
でもあたたかな光に満ちた窓の事を、いつまでも宝物のように胸に抱えてさようならをするのなら、それも悪くはないのかななんて思ったりもするわ。
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注目している作家さん。歌人でもある。
ゆうちゃんときぃちゃんって恋人同士のお話。
だからってべたべたの恋愛小説でなくて
精神が少し不安定で中々眠れないきぃちゃんに
美容師のゆうちゃんが話してくれる不思議な話や
二人が出会う不思議な人のお話が短編になって
全体としてひとつの長いお話にまとまっていて読み易い。
最後はちょっと悲しかったけど、でも全体的に
ほやほやほかほかとやさしい話だった。
また思い出して読みかえしたくなると思う。
リトルモアの雑誌「真夜中」で東さんが書いている
小説の話が最後のほうで美容室にきたSF作家の
話として出てきたのが面白かった。
読者へのちょっとしたいたずらって感じで面白い。
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ファンタジーっぽくもあり、恋愛小説っぽくもあり、自己探求みたいなものもあって。。。
。。。。どちらかひとつにして欲しい。。
単細胞の私の頭ではあれこれ考えるのは無理がある。
結局は主人公が自立して甘やかしてくれる彼の元を離れる話だったのだけど。。
(ねたばれすみません)
全体がぱっとしなくてたんたんとしてて。。
こんな感じの小説も最近多いな〜インストールぐらいからかな?
やっぱりはらはらどきどきの推理小説やホラーが好きなだなぁ。。。。
(じゃあ読むなよっ)。。。たまに読みたくなるのよね〜恋愛物
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さびしいから、
1人では心細いから、
もたれかかり合うだけの関係は
恋愛ではないのですね。
お互いがお互いを拠り所としている間にしか成り立たない。
どちらかが1人で進んで行こうとしたときに、破綻が訪れてしまう。
恋愛というより
休息期間が必要だった2人の
シェルターのような関係だったのではないかと思う。
抜け出せる日が来て、よかったね。
他の誰とも共有できない、どこよりもあたたかかったはずの場所は、きっといつまでも懐かしく思い出し続けるだろうけれど、それは歩いていくための力になっていくのでしょう。
ふんわり、ほっこり、少しだけちくりとする物語でした。