紙の本
映画『ステキな金縛り』制作過程を追ったドキュメンタリーのような監督インタビュー
2012/08/18 09:47
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
今や人気脚本・演出家となった三谷幸喜が「三谷幸喜 生誕50周年大感謝祭」と銘打って、2011年から2012年にかけて発表した作品のうち映画作品が『ステキな金縛り』であるが、その映画製作途中に何度か行われたインタビューで構成されたのがこの本だ。
映画公開に合わせて刊行されて、その時に購入はしていたのだけれど、肝心の映画自体をロードショーで見損なっていて、この本も読みそびれていた。もうDVDで見るしかないかと思っていた時に、ひょんなところでスクリーンで見ることが出来たので、それならばこの本も読んでみるかということになったのだけれど、やっぱり映画を見てからで良かったのかもしれない。
本の帯にも書かれているように、『ステキな金縛り』の舞台裏(と言うより、制作過程と言うべきなんだろうが)が、三谷幸喜自身の言葉や、スタッフ、キャストの証言で描かれている。しかも、映画が完成してからのインタビューではなく、クランクインからクランクアップまで、さらに編集から本編完成までの折々にインタビューが行われているので、本当に制作過程を見聞きしているような感覚になる。最近ならばメイキング・ビデオみたいにして出てくるようなものかもしれないが、それよりも監督の内面がより表れているように思う。
そして、そこからわかってくるものがいくつかある。
三谷映画としてはこれで5作目になるのだが、過去の映画に比べて「映画らしく」なるのをかなり心がけていたようだ。何が「映画らしい」かは、人によって捉え方が違うだろうが、三谷にとってはカット割りや音楽が入ることなどなどが意識されていたのが、このインタビューでわかる。言われてみれば確かにそうで、実際の映画はこれまでの三谷映画とはずいぶん雰囲気が違うところが見られたのだ。
また、三谷は自身のことをやはり演劇人あるいは脚本家として見ているところがあり、映画監督としては素人から少しでも抜け出ようとしている姿も浮かび上がってくる。もともと映画好きな人であり、監督も5作目なので、ただの素人ではないのだけれど、それでもずっと映画畑でやってきた人たちとの対峙の仕方が興味深く読み取れてくるように思う。
そして、これはきっと三谷幸喜でなくても、映画やその他クリエイティブなものを作る人たちに共通していることなのだろうが、一つの作品を作り上げていく過程でどれだけ悩み、迷い、苦しみ、でもどこかで決断しているということが見えてくる。上に書いたこととも繋がるのだけれど、この『ステキな金縛り』でどんなものを作り上げていこうとしたのか、それを実現するためにいかに多くの人たちと関わり、でも最後には監督として決めていったのかということが、本当に制作している時間順に語られているので、目の前で映画が作られているような気がしてしまう。
単に映画のガイドブックでもなく、完成作品を前にしての監督インタビューでもなく、一種のドキュメンタリーのように見せてくれる本だと思う。
これを読んだら、もう一度映画本編も見たくなってしまった。
今度はDVDということになるのだけれど。
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この本は、映画『ステキな金縛り』を観てから、読んだ方がいい。そして、読み終えたら、またもう一回映画を見直したくなる、そんな本です。
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この本を読んでから映画を見るべきか、それとも映画を観てからこの本を読むべきか。悩ましいところ。私は、読んでから観る派かな。映画を観てからこの本を読んだとしたら、ふたたび映画を観たくなるだろうから、三谷氏は観てから読むを推奨するだろう。
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映画「ステキな金縛り」の製作過程での全6回の監督ロングインタビューと、
完成後のスタッフキャストインタビューからなる一冊。
映画鑑賞後の一週間
職場の昼休みにちょっとずつ読んだ。
舞台裏や過程、それぞれの思惑など
興味深いし十分面白かったが
やはり三谷さん本人の文章のがいいな。
新聞連載でどう語っているのかが楽しみ。
【購入・初読・11/4読了】
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「ステキな金縛り」の撮影に係る三谷幸喜のインタビュー集。撮影日時順に三谷幸喜のインタビューが進んでいく。その間にj挟まれるキャストやスタッフのインタビューも絡めることで、どのように、何を考えて映画の撮影が進んでいくのかがよくわかるようになっている。三谷氏の人格や律義さ、作品にかける思いも伝わってくる。
三谷氏のことを、より好きになりました。私としては、スティーブ・ジョブズより、やはりこういう律義な人物の方が好きだ。
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映画「ステキな金縛り」製作過程で行われたロングインタビューと、主要キャスト・スタッフへのインタビューで構成されている。
DVDの特典副音声的な感じ。
製作に伴う裏話的な内容は興味深かったが、三谷さん自身の文章でないせいか真面目すぎるし、全体に三谷さんをほめ過ぎ。もう少しツッコミがあった方がリアルな現場感が出たような気がする。
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三谷監督映画「ステキな金縛り」のクランクインから公開直前までの細かいやりとりや、制作スタッフ・出演者みんなからのコメント等、リアルに細かく記録されていてすごく興味深く読める本です。まだまだリアルな世界は奥深いだろうけど、こんな風に映画って進んでいくんだって少しでもわかる本で個人的にはすごく興味深く読めた。あと、テレビでは伝わらない俳優・女優の性格や、演技へのこだわり、人間関係なども垣間見えて楽しく読めます。映画見てから、本読む方がいいかも。
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映画がとんでもなく面白かったので、パンフレットを購入するときに一緒に購入(となりに並べられていた)。
三谷さんはカット割りということに大変こだわっていたみたいだが、映画を見ている時は全然そんなこと気にならなかった。それはつまり、物語がよくできていたからで、このあたりは三谷さんのセンスが正しかったということだと思う。
映画制作の状況がよくわかるのも面白いが、三谷さんというひとと周りのスタッフとの感じ方の差がとても面白かった。
それにしても相島一之さんのシーンがばっさりカットされていたのは非常に残念。DVD化するときに、未公開シーンとしてぜひ収録してほしい。
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表紙をめくって最初に思ったのは「香取くんってこんなに絵上手いの!?すげー!」という…三谷さんとは全然関係ないことだったりしつつ。
映画「ステキな金縛り」の撮影や編集作業を追いかけながら三谷監督へのインタビュー、さらに途中には役者さんや制作スタッフのコメントが入るという構成。映画ではさも自然に流れているような時間は、当然ながら実際には役者さんのスケジュールや撮影場所に合わせてバラバラに撮られているわけで、そのギャップを興味深く読んだ。また、関係者の談話がそれぞれ面白くて(かつ、それぞれの立場で三谷監督へのリスペクトが伝わってくるようなコメント!)、気分はめっちゃ贅沢なバックステージツアー!という感じ。
それにしても、エッセイなどでも普段からものすごく映画を観ている姿が伝わってきていたのだけれど、この作品の撮影中も半端ないくらい観ている(DVDで)のが凄い。ある時はカット割りのため、ある時は撮影技法の参考にするため、そしてある時は「舞台装置」の見せ方のヒントを得るため…などなど。凄すぎてため息が出る。
ひとりの友達が「三谷作品は完璧に創られすぎていて肌に合わない」と語っていたことがあったけれど、私はこの完成された物語の世界に没入するのが最高に気持ちいい。決して「本職の映画監督」ではないのに、あれだけの役者さんたちを惹きつけてやまない魅力はそこにあるのだと思う。今作だって深キョンに唐沢寿明さんに佐藤浩市さんに篠原涼子ちゃんに…と、ほんの数カットになんとも贅沢すぎるキャスティングだもの(そして、犬の鳴き声はお約束の山寺さん!)。
そうそう、本書の中では個人的には中井貴一さんのコメントがいちいち面白すぎて素晴らしかった。もう一度劇場で観てみたい、と思わせてくれるほど。
なお、劇場パンフレットの記事はかなりの部分が本書からの抜粋だった。ひとつだけ残念なのは、名前が出ている役者さん全員のコメントが読みたかったなーということかな。小日向さんとか戸田さんとか、もしコメントしてたらどんなこと話されてたんだろうなぁ…と想像するけどできないんだもの。
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「ステキな金縛り」を見たので、購入。
三谷さんの作品もエッセイも大好きなので、読んでみた。
いや、秀逸。絶品。
監督業の裏側を本人と周囲のスタッフ・キャストのインタビューで綴った撮影日記のようなつくり。映画を作るプロセスがとても丁寧に記録されていて、ぐっとくるものがある。
あー、また見たい。DVD買わないとなぁ。
映画を見たなら、絶対読んだほうがいい。
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映画「ステキな金縛り」の裏舞台本です。
じっくり三谷監督に密着してのインタビューに、まわりの役者さん、スタッフ陣のインタビュー。
似たようなものづくりの現場にいる自分としては、スタッフの方が言っていた「自分達に気を遣って演出を諦めるのではなく、振り回してもらった方がいい」というような言葉が印象的でした。
それに対して三谷さんも「わがままに付き合ってもらっています」というスタンスなのが、なんというか、理想的だな、と。
役者のみなさんのインタビューを読んでも、三 谷組独特のチーム感と信頼関係が伝わってきて、ステキだなと思わされます。
非常に細かく演出や撮影方法のこだわりについて語られているので、これを読むともう一度作品を観たくなること間違いなし。
三谷ファンでなくても楽しめる一冊だと思いますが、ぜひ映画を観た後で読まれることをオススメします。あと業界関係者にもオススメです。番組作りの初心に帰れました。
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三谷幸喜は、生真面目なのだと思う。
まじめだからこその、ユーモアがひきたつ。
映画「素敵な金縛り」撮影時の密着本。
舞台裏から、普段スポットのあたらない制作サイドの声や、
もちろん出演者の声も。
こういうのは、番組としてはあるが、本としては珍しいのでは?
職業監督じゃないからこその発想や作り方を、
本人も、支えるまわりも、それがいいんだ、と思って作っているのが印象的。
これだけ全身全霊没頭してたら、他のこと全然できないだろうな。
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”ステキな金縛り”の作成記録。
三谷さんの考え方や映画に関わったスタッフのコメントも盛りだくさんで読みごたえあった!
また、この作品が見たくなった~。
やっぱり、三谷作品好きだな☆
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三谷さんの作品をそれ程見ていないけれども、三谷さん自身になぜかとても興味があって、この本を読んでみた。
「映画ってこんな風に作られるのか」と、とても興味深かった。カット割等、事前にすっかり決まっているのかと思っていたら、現場でカット割りを考えるというので、ちょっと驚き。劇場では見ているけれども、この本を読んだら じっくり「素敵な金縛り」を見てみたくなった。DVDを買ったほうがいいかも。
ウディ・アレン監督は私も大好きな監督。この辺りの共通点が、三谷さんに興味を引かれるところなのかも。
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映画『ステキな金縛り』を観た後に読みました。
そして、読み終わった後には、改めて映画『ステキな金縛り』を観たくなります。
たくさんの人のたくさんの力が関わって作品が生まれるんだなぁと実感。
三谷さんの映画オタクぶりもよく知るインタビューがたっぷり詰まってます。