紙の本
ひとり時間差、三角関係
2008/05/23 16:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テオ・カロア - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメ化も決まった『とらドラ!』の作者、竹宮ゆゆこのデビュー作です。
全二巻(いまのところ)の第一巻。
読んでみて思ったこと。
うん、面白かった。面白かったです。純粋に面白かった。
特に目立ったところも無い筈の主人公の少年が、中学3年と高校1年、時期をずらして現れる2人のヒロインに惹かれ、揺れるお話。
主人公の田村雪貞がかなり暴走気味なのでコメディタッチになっていますが、
何気にところどころでシビアな設定が見え隠れしてます。それでいて主張しすぎないサジ加減がいいですね。
とかくラブコメというものは普通の少年を主人公にすえながら、それなのに女の子にモテるという不可思議時空が発生するものですが……この主人公なら分かる。いいじゃん雪貞。
確かに普通。目だったところは無い。
なのにそれでいてちゃんと悩む。ちゃんと考える。そして決めたら突っ走る。たとえそれが明後日の方向だとしても。
好感が持てます。ヒロインもいい男を好きになったね、と応援したくなる。
まあ所々難はあるし、友人にしたらやかましいタイプだとも思うのですが……。
それぞれのヒロインも一生懸命で、それゆえに空回りする境遇に悩み、頑張る健気さと強さがとても可愛いです。
この一巻では本編二話と番外編1話の計3話を収録。
各話ごとにちゃんと短編として完成しているのですが、同時に絶妙の引きで続きが気になります。
結局一巻読んだ次の日には二巻を買いに本屋へ走っちゃいました。(笑)
悩み、焦がれる青春の恋愛模様を描いたとてもいい作品だと思います。
おすすめです。
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これなんてエロゲ?<言わなきゃならん気がした
鈍感で馬鹿で人の心の中をずけずけ土足で歩き回る主人公。まんまKeyの主人公ではないか。
作者紹介を読むとこの人がエロゲ界出身であるような事書いてますし、ライターさんだったんだろうなあ。 力量見るにふつーに面白いので、名のあるライターだと思うんだけど・・・誰だろうね。
とりあえず超面白かった。ヒロインに魅力がありすぎる。勿論、ご他聞に漏れずエロゲのヒロイン的「心のどこかにトラウマをもった少女たち」なわけですが。
悔しいよ、悔しいけど上手いわこの人(;´Д`)
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内容は重いような気がしたけれど、うまく笑いでしめてる。作者がネトやエロゲに精通しているのがなんか伝わってくる。こちら側の人間としては、面白い。
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情けない主人公が二人の少女に出会う。
バカなりに彼女たちに向き合って、悩みながら歩み寄っていく話。
「うさぎホームシック」「氷点下エクソダス」と、サブタイトルの語感が良い。
また、タイトルの絵も秀逸。
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前半と後半でヒロインが変わるがそれぞれで話がまとまっていてスッキリ。特に後半の有馬編で学校カーストに揉まれていく中揺れ動く感じや、兄弟・そして自分に備わっている才能についてとか、保健の先生が主人公田村君に送る助言とかに惹きつけられた。とらドラ本編やスピンオフとはまた違った面白みを感じる。
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寡黙な陸上部の女の子・松澤小巻と主人公のお話。「うっ」「マンボ!」しか印象に残ってない・・・。
始発から終点まで乗る電車内で読んだけど、こんなに熱中して一気に読んでしまった本は久しぶり
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ゆゆこさんラブコメの一作目。主人公、走る。とにかく突っ走る。
ラブコメなのに、読了後、一番好きなキャラは主人公になるというアリサマ。でもいいんだ。このスピード感が最高なんだ。生き急ぐ僕らの青春、ここに!
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可愛い女の子と紋切り型とややはずれる主人公が桃色遊戯をしている。イラストのむっちりした感じがそそられる。著者ははてなユーザーの2ちゃんねらーと予想。
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「中学生活最後の夏」という魅惑のフレーズに浮かれるクラスから取り残されていた田村くんの前に現れたのは、進路調査票に「故郷の星へ帰る」と書き続ける不思議少女系、松沢小巻だった。受験直前のバレンタインデー、田村くんの部屋に投石して窓を粉砕&チョコを誤爆したのは、学年随一の美少女にしてクールなツンドラ系、相馬広香だった。そんな変わり者の女の子二人と、空回りしながら奮闘する田村くんが贈る、おかしくてちょっと切ないラブコメディー
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とらドラ!がおもしろいみたいだし、気になってたし読んでみるかーと思ってさくっと読了。
お、おもしろー!
一章読んだ時は、松沢かわえええええええ!
二章開始時は、有馬?このこと三角関係になるのか。松沢のほうがかわいいし、ツンデレなんかにゆすられんよ^^
読了後は 有馬あああああああああっかわいいよおおおおおおおおおおおああああああっ
ツンデレがなにかゆゆこさんはよくわかってらっしゃる!これこそ正統派ツンデレ!デレになってからのかわいさが異常。
文体もユニークで、この人文章がうまいんだなーというのを思い知りました。
「うっ」「マンボ!」とか笑わざる負えない。久々ラブコメを面白いと思いました。
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不器用に、それでもひたむきに、一生懸命生きている。
日々に流されながら、日々心を揺らしながら。
そんな田村くんと、二人の美少女のお話。
かっちりとかき分けられた二人の少女と、
作者のキャラクター付け的人物背景には定評がある、と思っている。…が、それはプラマイどっちの評価に繋がるのだろうか。
ついつい自分の家族環境や生活環境と照らし合わせて、得も言われぬ心地になったりしないだろうか。
それとも、登場人物に感情移入して、はらはらそわそわしたりするのだろうか。
ごく一般的な、核家族であり愛と安定した収入のあるご家庭にも、ありとあらゆる辛苦が付きまとうのだと、十数年も生きれば見えてくるはずだ。だからこそ、特別は特別の中に入ってしまえばそれが自分の常識なのだと言わざるをえないのでした。
自分の中の常識と、他人の中の常識との誤差を、どうやって修正していますか?
やっぱりみんな、あがいて恥ずかしい想いをして、みっともない姿を晒しながら生きているのでしょう。オーバーアクションとも言える作中人物たちの精一杯の叫びには、胸が空く思いがします。
ああ、自分もこうしたかった。こうしておけばよかった。なのに、どうして意気地が無かったんだろう…。
いつしか田村くんを、応援している自分がいたりしました。
そんな影響されやすい自分が、ちょっぴり恥ずかしい。
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作者つながりで購入。登場人物の心情を細かく描く書き方はこの作品から健在。終わり方にちょっと拍子抜けした部分はあったけど・・・。
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1,2巻まとめて読了。
ファンタジーでもなくSFでもなく突飛な設定があるわけでもない地味な学園ラブコメ。地味ゆえのじわじわ来るおもしろさがある作品。
地味ではあるがヒロインの設定は重めだったりするのだけれど、その重さをあまり引きずらないのは心情的に楽。
例のごとく男の主人公は煮え切らないタイプで、読んでる途中でもいろいろツッコミを入れたくなる事が多々w
それでも変にひねくれてなくまっすぐなところは好印象。
全二巻で終了とのだけれどこの三人の物語はまだまだこれからって感じで少しもったいなく思う。
可能であるならば小さいエピソードをいくつかまとめた後日談的な外伝が出てくれるとうれしいかな。
巻末の高浦兄妹もいいキャラなのでこのキャラのエピソードももっと読みたかったな。
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かわった女の子二人の間を揺れ動く変人二股ラブコメ1冊目。
単純に早い者勝ちではあるのだが、とりあえず松澤派。
主人公はもう少しちゃんとしよう。
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“松澤は両手をウサギの耳のように頭にあてる。目を閉じる。モゴモゴとなにか唱える。どうした松澤、悲しみのあまり、とうとうイカれてしまったのか。
「……テレパシー、受信っ!完了っ!結果発表っ!」
「か……かわいそうに!」
さらに激しく涙が溢れた。だが松澤はやっぱり笑っていて、
「月に帰っちゃったら、やっぱり、地上のことは全部忘れてしまうんだって!だから……」
ウサギの耳にしていた両手を、頭上に。
思いっきり伸ばし、天の月を抱くように。
「だから、もう少し、地球にいますっ!……田村くんと離れても、私、がんばってみるっ!『これから』をここで、生きてみますっ!忘れません!ランニングしたことも、ウチに来てくれたことも、好きだと言ってくれたことも、花火したことも、……傷つけてしまったことも!忘れません!たくさんの記憶を、ありがとお――っ!……こないだ、恥ずかしかったから、仕返しっ!」
クシャクシャの顔をして、ぴょこん、と跳ねてみせた。”
うーん……何というか、粗い。
面白いけど、少し粗い。
二巻は波乱……?
“「おはようって、言ってるのにっ!」
チリンチリンチリンチリンチリン!――と、やけっぱちのようにベルが背後で鳴りまくった。驚いて振り向くと、
「……お、」
「なんで無視、するのっ」
さらに驚いて、思わず鞄を取り落とした。
そこにいたのは、いつも挨拶してくれるお隣のお姉さんではなかった。
「おまえ、なにしてっ……」
「待ってたのっ!……チャイム鳴らすの恥ずかしかったから、す、少し前から……ここで」
「なんで!?」
「……わかんないの?」
朝っぱらからブンむくれた美少女が、俺の家の前で、ママチャリに跨っている。
「迎えに来たのよ」
その美少女の名は――相馬と言う。
相馬が俺を、迎えに来たのだ。
俺は言葉を失って、デクの坊と化していた。”