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紙の本
ほうかご百物語 1 (電撃文庫)
著者 峰守 ひろかず (著)
「いきなりで悪いけど、あなたの血、吸ってもいいかな」高校生で美術部員の僕は、夜の学校で銀色に輝く瞳を持つ不思議な少女に出会う。少女の正体を“イタチ”だと見抜いて吸血(!)...
ほうかご百物語 1 (電撃文庫)
ほうかご百物語
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商品説明
「いきなりで悪いけど、あなたの血、吸ってもいいかな」高校生で美術部員の僕は、夜の学校で銀色に輝く瞳を持つ不思議な少女に出会う。少女の正体を“イタチ”だと見抜いて吸血(!)の難を逃れた僕は、その夜、彼女とある『約束』を交わす。翌日。美術室に現れたイタチ少女は、僕に告げた。手遅れになる前に約束を果たしに来た。約束を果たすその日まで、僕のことを守ってくれる、と。一守るって、一体何からっ!?ピュア可愛いイタチさんと僕の、ちょっと不思議な放課後物語。第14回電撃小説大賞“大賞”受賞作登場。【「BOOK」データベースの商品解説】
【電撃小説大賞大賞(第14回)】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ほのぼのとした学園の、ほのぼのとした美術部の、ほのぼのとした妖怪達の物語。
2008/07/01 02:49
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テオ・カロア - この投稿者のレビュー一覧を見る
【第14回電撃大賞小説部門大賞受賞作】
ライトノベルレーベルでは最大の約3,000作の応募作品から選ばれた電撃大賞受賞作品。
だからといって大賞作品だからと気負わず、気楽に読んだ方が楽しめる小説です。
逆に言うと、大賞という肩書きに期待しすぎると肩透かしを食らうので注意。気楽に、気楽に読みましょう。
物語は学校に妖怪が現れたことによる騒動が主軸です。
冒頭、深夜の学校でイタチさんと出会う主人公。
美術部員である主人公は、綺麗で可憐な彼女を絵に描きたいと願い、受け入れられます。
以来、イタチさんが来たことで広がったあっちの世界との扉から、様々な妖怪たちがやってきます。
それは音を出すだけで特に何もしない無害なものから、相当な攻撃力を持ったかなり有害なものまで多種多様。まさに妖怪万国博覧会。
結果、いつのまにか物の怪対策本部と化した美術部が出張って各問題を解決していくのですが……基本的に力押しによる解決はあまりありません。
妖怪専門家で知恵袋の先輩の助言を元に、伝承に残る弱点や解決法を駆使して妖怪に対峙していきます。この辺り、ちょいと言葉遊びの感があって面白い。読んでるうちに妖怪に関しての雑学が身についたりして。
そんなスタイルですから、基本的にバトルという感じはしません。だって根本的に力押しで戦う場面があまり無いから。だから戦うというより、むしろとんち合戦の様相が強いですね。
そもそも古来、妖怪の伝承にはその恐ろしさと同時に大抵何かしら弱点も伝えられているわけで、それを駆使して切り抜けるのがちょっと変わった感じで面白い。
最初はついて回るだけだった主人公が、後半になって結構いい役どころを見つけたのも良かった。
強い女の子の後ろに隠れるだけじゃなくて、前線に立つ訳じゃないけれどちゃんと重要なお仕事を担っている。とても重要かつ貴重な戦力です。この辺り、うまいポジションを見つけたなぁと素直に感心してしまいます。
もっとも個人的には、文章を読んでみた印象と挿絵のデザインがちょっとイメージと違ったかな。本文を読んでて作者はもうちょっと大人びたスマートなイタチさんをイメージしてたんじゃないかな?とおも思ったのですが、表紙にあるようにイタチさんはどう見ても可愛い系……。まあこれは個人差が大きいのでなんとも言えません。
表紙と挿絵のイタチさんも十二分に可愛いので、これに惹かれて読む人も多々いるんじゃないでしょうか。それもまたひとつの読み方です。
妖怪学園モノという従来からあったジャンルに「ほのぼの」という味付けをした今作品。
読みやすく気軽に手に取れるまさしくライトノベルないい作品だと思いますよ。
ご一読あれ。