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商品説明
「失敗すること」を日本人はどう考えてきたのか? 異様に前向きなアメリカ文化によって開拓されたプラグマティズム思想の受容の歴史をたどりながら、人間の生の営みの根本を探る。ウェブマガジン『かみのたね』連載を再構成。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
荒木 優太
- 略歴
- 〈荒木優太〉1987年東京まれ。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。在野研究者。群像新人評論優秀賞を受賞。著書に「貧しい出版者」「有島武郎」など。
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紙の本
ポジティブ過ぎる失敗学への異議と日本独自のプラグマティズム史。
2022/01/10 23:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
失敗は成功の母という言葉がある。
何度失敗しようともそれは成功する上で必要不可欠な糧であるということを示す言葉だ。
確かに、それは真理だろう。
ただそれを実行できるかどうかは別問題。
失敗を繰り返す度に心に負う傷を深くなり、ポジティブさを維持するのも難しくなっていく。
そんなポジティブさに基づいた失敗学よりも、私たちに適した失敗学を探そうというのが本書のスタート地点となる。
失敗学を模索するために本書では日本のプラグマティズム史を振り返っていく。
アメリカ発のプラグマティズムが日本に持ち込まれ、どういう風に変貌したかを非常に分かりやすく明確に記している。
また、著者の見事な比喩と飄々とした文体も特筆に値する。
哲学を扱っている本と聞くと、堅苦しく近寄り難い文章をイメージする方が多いかもしれないが、本書は哲学者を一度も読んだことがない方でも安心して手に取れることができるほど私たち読者に優しい。
また、初めにプラグマティズムとは何ぞや、を簡潔に解説しているため、プラグマティズムとは何かを全く知らない状態でも問題なし。
これまでどのような人々がどのようにプラグマティズムと関わってきたかを辿ることで、私たちがこれから物事に対してどういうスタンスを取るべきかが見えてくるはずだ。