紙の本
西欧式価値観って実は…
2017/05/05 14:08
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投稿者:星の王女さま - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしたちがなじんでいる西欧式の価値観に一石を投じる本。自由とか解放って本当は何なのか、考えさせられます。フランスでは政教分離で、イスラム女性が公共の場でスカーフをかぶるのを禁じますが、著者によるとそれはセクハラ。わたしも、女性が肌を露出することで解放されるのは女性自身ではなく、男性の目の欲なのでは?と思います。女性の解放が男性的価値観からの押しつけであるなら、それはセクハラですね。
紙の本
そうだったんだ!
2016/11/07 01:07
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投稿者:おきよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラム関係のニュースを見ていて、どうして?って思っていた事が解決できました。時代に合わない教えや習わしでも、それは神が決めた事だから人間が勝手に変える事はできない!なるほどーって思いました。
紙の本
イスラムについてわかりやすく書かれた本
2021/11/14 16:08
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラムとは何か、なぜイスラム=過激と見てしまうのか、がとてもわかりやすく書かれている。
とはいえ、イスラムの教え、歴史、イスラム原理主義、過激派、現在の世界情勢、日本に住むムスリムらとの共生、など、多岐にわたることを1冊に手軽に知れることなど無理なので、色々な本を読むことが必要であろう。
ミシマ社さん、今年の夏に松本の銭湯「菊の湯」に行ったとき、フェアをやってたな。銭湯と出版社のコラボなんてとてもめずらしく、ほっこりした。
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弱者に対して優しくする、というのはイスラムでは神が人間に下した義務。
神が善行を積むきっかけを与えてくれている。
共生という進め方。
今までのイスラム教へのヨーロッパの対応を
考えるとイスラム国は来る時が来た印象。
この悪循環をどう止めるか。
排除でなく尊重。
区別ではなく理解。
トルコに行ったことで想像ができた。
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同志社大学、内藤先生の著書。
イスラム教徒のひとたちを知り、仲良くやっていこうというコンセプトが面白そうだったので購入して読みました。
日本で、中東で、そしてヨーロッパで、いろんなところでたくさんのイスラム教徒の人たちと交わってきた著者ならではの視点で、イスラームというものの本質を語ってくれます。とくに9.11やイスラム国を経て、誤解されがちなイスラム教徒の人たちの本質についてわかりやすく紹介してくれます。
相手のことを知らないのに、思い込みで恐怖を抱いたり、馬鹿にしたりすること。そういうことがどれだけ相手を傷つけ、疎外感を与えるか。そういうひどいことが宗教というものを挟むとなんとも思われず相手に対して行われている。このことについて改めて強く感じさせられました。
文体もとても読みやすく、こちらに語りかけてくるような感じです。twitterの内藤先生を知ってる方にとっては意外なほどほんわかしてます。
こういう本って、イスラムのことをきちんと知りたい、ともともと思っている(もともと興味や好意をもっている)人が読みがちだけど、そうでない人(イスラム教徒は危ない人たちだ)と思っている人たちにこそぜひ読んでほしい。中学生とか高校生とかにも読んでもらいたい一冊です。
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イスラム教とはどういう宗教なのか、なぜ過激派組織がうまれるのか、なぜこの悲惨な状況の中で神を信じることができるのか、それらのことを知って少しでも理解できれば、イスラム教徒に対する過剰な恐怖心や不安感を消せるんじゃないかと思い、この本を手に取りました。
この本には、フランスは「ブルカは遅れている。世俗主義に反しているからブルカを禁止する。普段ミニスカートを履かない女性に履けと強要するのと同じ事。セクハラを働いているようなものだ」というようなことが書かれています。その一面もあるのでしょうけど、フランスその他のヨーロッパ諸国からすれば、「テロが多発している今、ブルカの中に爆発物や銃を隠し持ったりさせないためにブルカを禁止する」という面もあることを、この著者が知らないとは思えません。
徹底的にイスラム側から見た意見であり、公平性にかけると思うけれど、イスラム教を知るにはよい本だと思いました。
この本を読み終わった翌朝、イギリスのニュース番組で「難民は寄生虫を持っている可能性があるから受け入れるべきではない。財政的に国を支援して、自国で解決させるべきだ」というような主旨の話をしていて、憤りを覚えました。もちろん、難民問題が深刻な状況にあることはわかっていますが、それにしてもなんて何という言い方をするのだと。
西欧諸国のイスラムに対する根深い蔑みの意識が、現在のこの状況に関わっていることを受け止め、弾圧するのではなく、信仰を認め、イスラム教徒の居場所を奪わず共存していく道に進んでいかない限り、たとえIS(イスラム国)が滅びたとしてもまた同じような組織ができ、テロが起きてしまうだろうと思います。
何の罪もない、助け合いの精神に溢れたイスラム教徒が、穏やかに暮らしていける日がいつか来るでしょうか。アメリカの大統領選を見ていても、アレッポすら知らない候補者がいることに唖然とします。日本が何をすべきなのか、もっと議論をしていかなければ、日本の平和も長くは続かないだろうと感じました。
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知らない事実が沢山記述されていました。
西欧の各国でのイスラム教徒への反発の仕方にもそれぞれグラデーションがあった事。
また、移民側でも各国の制作の方向によって、対応の仕方がバラエティに富んでいた事。
先生だから、イスラムとはこういうものですよ!と述べてもいいんだろうけども、あえて一緒に学びませんか?と読者に寄り添うような文体が、読む人に優しく感じる。
ただし、読み進めていくうちに疑問に感じたのは、一見の観光客が一般人の生活しているレベル迄食い込める程、理解出来るかなと思う記述も有りました。
研究者の視点で長年見続けている人と観光で訪れる人とではそこが違うと思います。
日本人とは全く違う価値観をいきなり突きつけられて、「旅行に行くと過ごしやすい」という部分の記述は、個人的には賛同しかねました。
一度エジプトに旅行に行った経験から、女子一人旅は多分難しいと思われるオーラが現地では有りました。
女子旅よりも、友達でもいいから男子が一人以上居ると俄然行動範囲が広がるというのは、自身の経験から得た教訓です。
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イスラムのことがわかりやすく書かれていた
彼らのおもてなしの心とか、身分等での区別をしないところとか、同意しながら読めた
また、欧米諸国が責められがちだが、そうでなくて、国民が他国へ出て行く原因を作ったアラブ諸国国家が責められるべきだ、というのにも同意だった
なにより、「重い内容を明るく思えるような貞操にしてくれたミシマ社に感謝」という著者のコメントがよかった
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とてもわかりやすく書かれていていいなあとずっと読み続けていたのだが、最後の方のトルコから密航船に乗るのを待つ、新調の服を着た家族の写真を見て、思わず泣いてしまった。内藤先生の言葉にもあるように「死の航海になるかもしれないと気づいていて」の、この様子。このような人たちをエーゲ海に沈めていいわけないではないか。
発売されてすぐに買おうと思ったが、内藤先生の対談イベントが書店であって、先に読みたいけどその書店で買った方がいいかとか、いつものように思い、その時に購入して、読もう読もうと思って今になった。
これからまた何度も手に取るような気がする。本当にイスラム教のことを、中東のことを私たちは知らない。私以外の人も多分。知らないから怖いのだ。
多くの人がこの本を読んで、少しでも理解を進めていってほしい。
私が読んだ中東やムスリムについて書かれた本の中で、断トツでわかりやすかった。
このような本を手にすることができて、幸せだと思う。
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作者のもどかしい思いが伝わった。 「思考の体系が違うという溝をどう埋めるのか」と書かれているが、まさにその通りだと思う。 世の中には何となくスタンダードとされている考え方や社会の仕組みがあって、それは多くの場合、西洋の文化を基にしたもので、だからこそ、西洋の人の意識を変える方が、日本人を含め「スタンダードではない」側の人間の意識を変えるよりずっと難しいのかもしれない。 目に見えて違うことのずっと深くにある根本的な違いを、理解し合えずとも認め合える世界にするために、誰が何をできるのか。 その答えは、もちろん本書にはない。 ただ、「自分とは根本的に違う思考体系を持った人間が存在しており、そのどちらも正しいし、正しくない」というスタート地点にまず全ての人間が立つことが大事なのだろう。 しかし、それが一番難しい。 理想論から離れて、現実的に一体何が最良の方法なのか。 正直なところ見当もつかないから絶望的な気持ちになる。
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同志社大学大学院教授、内藤正典さんの著書『となりのイスラム』を読んだ。
湾岸戦争や9.11同時多発テロ、その後、西欧諸国、中東、或いは北アフリカ等で起きているイスラムとの紛争、難民問題。
日本国内では、まだ大きなテロ被害はないとはいっても既に日本人の人質が殺害される事件が繰り返し発生している。今や他人事のように目を背けられない状況である。我々がイスラムに目を向ける時、常に危険な人々というイメージがついてまわる。それがニュース映像で見る彼らの姿だからだ。
だが、彼らの本当の姿はそうではない。仲良くしていくためにイスラムについて少しでも知って貰おうと書かれたのが本書である。
問題の根源となっている思考の違いやムスリムの信仰について非常にわかりやすく書かれており、これまででもっともイスラムを知る機会を得られたと思う。(おそらく中学生以上なら、それなりの考えを持って読めるはずだ。)
また、イスラム国(IS)を病だと指摘する一文には合点がいった。アメリカなどが行っている誤った外科治療(爆撃)によって母体の命が危うくなっている。そればかりか、がんが次々と転移して世界中を蝕んでいるというのだ。
紛争を無くすための具体的な政策はぼくにはわからないが、相手を知ることから始めるしかないと思うのだ。
http://nozo-n.blogspot.jp/2016/10/blog-post.html
さらに一つ書き加えておくならば、装丁が実に見事であるということ。
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★2016年度学生選書ツアー選書図書★
【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11600866
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イスラムについて研究してきた同志社大学教授内藤先生の著書。
世界人口の約1/4 15億人を超えるといわれるイスラム教徒。
しかし、日本は世界の中でイスラム教徒が人口に占める割合が1%以下という数少ない国の一つ。
イスラムと聞くと、テロリストと想像してしまう人がいることは否定できない。
しかし、世界の1/4がテロリストなんてことはもちろんない。
では、イスラム教とはなんなのか? イスラム法というのはどういうものか?
イスラムの考え方とはどういうことか? イスラム国家(ISILのことではなく)とはどういう存在か?
そして、イスラム教、イスラム教徒、イスラム国家にとって、ISIS団のようなテロリスト集団とはどのような関係にあるか?といったなんだかよくわからないけど恐い的な疑問に対し、イスラム外部の立場から平易に解説してくれる良書だと思います。
正に、本書タイトルのとおり「となりのイスラム」と上手に付き合うための基本的知識を得ることができると思います。
となりの人と上手く付き合うには、ただ怖がって避けているようでは上手くいきません。
お互いに相手を理解する。相手が思いもよらないような考え方をもっている場合などがあると理解する。
そんなことから、となりのイスラムと仲良くしていくことができるんじゃないかな。
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うーん。イスラム圏外で西欧型の教育を受けた女性にとって、イスラムであることはそれなりの困難がありそうだなあ。
こういうスタンスの本は少ないからありがたい。
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1981年から83年までシリアに留学し
1990年から92年まではトルコのアンカラ大学で研究。
90年代からはヨーロッパのイスラム教徒が
直面する問題を見てきた著者。
トルコに家があり、毎年夫婦でひと月ほど滞在し
長年トルコ人とも付き合いが深い。
どんな経緯で全世界にイスラム教徒が
移住し生活し、どんな境遇だったか、
その2世がその国のアイディンティティーに
背を向ける現象が多くなった理由は?
アラブ地域から発祥したユダヤ教、キリスト教、イスラム教。
それは同じ一つの神を信じる宗教。
その関係性や、信者の民族性なども織り交ぜ
詳しく解説し、現在の恐怖と混乱の時代に至った
長年の危惧。。。
その原因は、移民した人と受け入れ側の考え方と
理解の足りなさ。この本は、漠然と思っていた西洋からの情報が
片一方からだけのイメージであったことを示した。
この日本人の研究者が、互いに互いの文化的、情緒的な違いに
敬意を払い平和に暮らせる相互理解の世界こそが
一番の解決策、そうするには?という難問にも
答えを出す。
難解な書き方はしていないので、とてもわかりやすく
広く読んでほしい1冊です。