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商品説明
夫と死別し、1971年に帰国した須賀敦子は、こころを許す友人、コーン夫妻に出会った。22年の長きにわたって書かれた55通の書簡すべてと、全集未収録のエッセイ、須賀敦子の妹・北村良子へのインタビューなどを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
56歳でエッセイを書きはじめ、69歳で惜しまれながら世を去った須賀敦子には、こころを許した親友がいた。イタリアで最愛の夫ペッピーノを亡くしてのち、帰国後に知り合うことになったスマ・コーン、ジョエル・コーンのふたり。
本書には、1957年から亡くなる前年1997年まで、須賀敦子が書いた55通の書簡すべてを収録する。須賀敦子の全集未収録のエッセイ「おすまさんのこと」、須賀敦子の妹・北村良子、コーン夫妻へのインタビュー、松山巖のエッセイも収録。
雑誌「つるとはな」で大きな話題となった未公開書簡の完全収録版。【本の内容】
著者紹介
須賀 敦子
- 略歴
- 〈須賀敦子〉1929〜98年。「ミラノ霧の風景」で女流文学賞、講談社エッセイ賞受賞。他の著書に「トリエステの坂道」「ユルスナールの靴」など。イタリア現代文学の翻訳書も多数。
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紙の本
やってくれました、つるとはな。
2018/11/19 18:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
クウネルは独特の立ち位置で読者をつかんでいた雑誌で、
主体となっていた編集者が新たにつるとはな社を立ち上げて
雑誌作りを始めたのですね。
わが家にもつるとはな創刊号があります。
記念すべき創刊号と第2号に「須賀敦子からの手紙」が
掲載され、評判だったのでしょう。
未公開の40通と、手紙の相手であるコーン夫妻、
交流があって全集編集にも関わった松山巌さん、
実妹の北村さんのインタビュー三篇を加え、
一冊にまとめられました。
須賀敦子さんはファンが多く、わが家にも何冊か著作があります。
これまでに三冊ほど読んでいますが、残念ながらわたしには
まだ手に負えないのですね。
繊細すぎるのか、高尚すぎるのか、理由を掴みきれません。
ですから、いつかは読みこなしたい作家さんの筆頭格なのです。
そんなわたしにとって、この書簡集は最適なガイドとなりました。
実妹の北村さんによると、こんなにものびのびと書いている
手紙は読んだことがないそうです。
無防備で、人間味にあふれ、感情がこもった書簡集です。
さすがにわたしレベルでも、これは心に届きました。
予想以上に繊細な人だったようです。
手紙相手のコーン夫妻は、夫のジョエル氏が慶応大学に
留学した際に知り合い、当時ガールフレンドだったスマさん
(日本人)と心底意気投合して、ずっと交流が続いたようです。
文面を読むかぎりでは、ひょっとしたら須賀さんが最もこころを
許していた人たちなのかもしれません。
とてもおしゃべりだった須賀さん。
手紙を書くそばから考えが頭にぼんぼんと浮かんでいく様子が、
文面でもよく分かります。話題が次々と浮かび、
話がつきないという語り部的な人柄を想像しました。
でも、うわさ話や他人の身上、自分のプライベートは
ほとんど話をしなかったそうです。
東大・京大・慶応・上智など、そうそうたる大学で
教えていたようですが、権威主義的な部分をつよく嫌い、
地に足をつけた行動を心掛けていたようです。
数多くの手紙の写真があり、直筆を読んで、
さらにタイプされた文面を読むという即興二度読みで満喫しました。
スマさんが画家で、人形制作も手掛けていたからか、
手紙に工夫をしています。ぎんざ日乃出の包装紙、
京都の菓子箱の紙、数々の絵はがき。
相手を楽しませようとする心意気が、文章や文字、
紙などあらゆるところから立ちのぼっているのですね。
文通は、最初のエッセーを刊行する前から始まり、
亡くなった年まで続いています。
一冊目のミラノ霧の風景の刊行後に多忙になり、
書簡集の収録も飛んでいるのですが、
あとがきによるとその頃は直接会ったりしているので、
その時期の書簡はあえて収録しなかったのでしょうね。
須賀敦子さんの人となりが心に浮かぶ一冊です。
これはちょっとしたものですよ。
紙の本
琥珀色に似たもの
2016/12/20 10:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びんご - この投稿者のレビュー一覧を見る
如何にも須賀敦子らしい、しかし今迄知られていない須賀敦子の素顔を知るには好古な本である。忙しい日常の合間ではなく、上質なワインでも飲みながら読みたい本でもある。第一多くのページが肉筆の手紙や葉書で占められているのが良い。そして、敦子好みであろう封書や絵葉書のデザインや写真が良く、配置や構成も良い。久し振りに気持ち良く読めた本である。お薦めです。
紙の本
ホントに美しい本です。
2019/10/15 13:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
すい星のように現れて、あっという間に逝ってしまった須賀敦子さんの作品が大好きだった。紐解けばその思いがまた立ち上がる。封筒やはがきの姿や、敦子さんの文字までも写真集のように納められ、そのたたずまいが美しい一冊。
紙の本
著者の内面を覗き見るようで申し訳ない、という気持ちも理解できる
2023/03/17 22:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の全集未収録の、
50通を超す分量の手紙を、
全て写真で公開。
筆跡から感じられ、想像される事物ヮ
決して少なくないので、著者の文章の
とりこになった人ならば、必ずや、
一読してみたくなるはずの本です。