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紙の本
あなたの知らなくてよかった世界
2003/01/24 22:11
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投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまだに「オタク」という言葉にはインパクトがあり、それだけで手に取る人は取り、顔を背ける人は去ってしまうだろう。この本はそうした「解る人だけ読んでくれ」という効果を狙っている部分もあるのだろうが、普通に旅行記・体験記として読んでも充分面白い。
ここでは、著者がモノマガジンに連載している取材記事のうち、アメリカやヨーロッパで取材したものを抜粋してまとめている。紹介されているのは多岐に渡ってはいるが、大別すると「玩具やコミックを売るショップやイベント」「過去の万博のときに建てられたモニュメント群」「アメリカの宇宙関連施設」といったところだ。興味のある人(こういうものに興味のある「オタク」)にはあるけれど、無い人にはまったくない場所に違いない。
けれども読んでいて、最近も似たような本を読んだことを思い出した。木下直之の『世の途中から隠されていること』、記念碑や建造物・見せ物といったあれこれ、当時一世風靡したものの時の流れと共に忘れられていったモノたちを紹介した本だ。
この『オタクの歩き方』で紹介されているのも同じだ。万博も宇宙港も、未来への夢と希望の象徴だったが、時と共に色褪せ、その価値を失おうとしている。そうしたものを惜しみ、懐かしみながらも、客観的にその価値を評価しようとしているのだ。
残念なことは、誤植や校正ミスが散見されること。自費出版というか、はっきりいって同人誌なのでやむを得ないのかも知れないが、内容が楽しく興味深いだけに、これはちょっと残念。そのうち、これらを完璧な形で、連載記事をすべて収録し、誤植もミスも無しで刊行されることを願っている(その時にはもう一度買います)。