「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
著者 渡辺 京二 (著)
【和辻哲郎文化賞(1999年度)】昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え…。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったもの...
逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
逝きし世の面影
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
【和辻哲郎文化賞(1999年度)】昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え…。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。〔葦書房 1998年刊の再刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
渡辺 京二
- 略歴
- 〈渡辺京二〉1930年京都市生まれ。日本近代史家、書評紙編集者などを経て、現在、河合塾福岡校講師。著書に「評伝宮崎滔天」「北一輝」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
異人たちから知る日本
2011/11/28 13:19
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
遅ればせながら話題のこの本を読んでみた。幕末・明治初期に日本を訪れた外国人の著作から当時の日本や日本人をさぐるというスタイル。どっかで覚えがあるスタイル。そうだ、小熊英二の著作『1968』のスタイルか。大森貝塚を発見したモース博士、ベルツ水や草津温泉など温泉の効能に着目したベルツ博士、日本を探検した女性版インディ・ジョーンズ(?)イザベラ・バードなどなど有名・無名の異人が書いた膨大な書物から情報を選んでリミックスする。
明治時代の日本の映像を見ると、なんだか別な人種のように思える。あるいは東南アジアなどの後進国と呼ばれる国へ行ったときに感じるような気持ちになる。同じようなものを当時の欧米の外国人は日本人に対して抱いていた。これはわかる。しかし、よく見ると、ステロタイプの日本、ジャポニスムではなくて、自分たちの文化・文明とはまったく異なるものがある。その驚きたるや。
以下ランダムに。
○当時の江戸は何百もの庭園があり、西洋の都市の成り方とは違っていた。目につくのは江戸城ぐらいで、木々の緑や草花に埋もれた都市。ソメイヨシノの発祥の地・染井村から駒込一体は巨大なガーデニングセンターだったとか。NHKの『ブラタモリ』のCG映像を思い浮かべる。
○職人はチープな道具ですばらしいものをつくる。視点のとらえどころが後の民芸運動と重なるところがある。
○ブルーカラー、ガテン系の男性の肉体と容貌が素晴らしい。
○道の真ん中に野良犬が寝そべっている。野良犬天国だったようで、刀の試し切りの絶好の的になっていた。
○商店などは女将さんが実権を握っていた。
中世は決して暗黒時代ではなかったと述べていたのは誰だっけ?フーコー?それにならえば、江戸時代は決して暗黒時代ではなかった。江戸東京博物館だったかな。長屋の原寸大展示を見たことがあるが、狭い、狭い。何もない。壁も薄くてプライバシーもない。ものも、金もないが、なぜか心は豊かな日々。よく笑い、草木花を愛し、物見遊山に興じる…。しかし明治以降は「脱亜入欧」を旗印に西欧に追いつけ、追い越せで、それと引き換えにさまざまなものを失くしてしまった。捨ててしまったといってもよいのだろうか。
内側からだとよく見えないが、外側からだとよく見える。異邦人からの眼でとらえた当時の日本、日本人は、改めて新しい。
なかなか生硬な文章ゆえなじむまでは骨だが、なじめば読むスピードもあがる。なんかタイトルで損しているような気もする。
紙の本
幕末から明治初期の文明
2023/04/26 13:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末から明治初期、日本を訪れた欧米人が見た日本の文明を旅行記・文献から読み解き、今では見られない風景を記している。当時の日本人の考え方や欧米人が日本人をどのように見ていたかが解る。封建国家であった江戸時代を自由のない世界とは考えていなく、かえって明治より自由だったと。意外と当時の日本の文明は人間の生存をできるかぎり気持ちの良いものにしようと合意と工夫によって成り立っていたと著者はかんがえている。昭和40年代まで地域によっては見られていた景色が読んでいて思い出された。厚い分量が少々読むスピードを時として遅くさせる。
紙の本
この国の過去の姿とは思えない
2022/01/05 01:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代に興味のある向きなら、是非とも
手にとってみて頂きたい労作です。
主に欧米人日本滞在者が残した記録にあたり、
江戸時代の我が国の人と社会の有り様を
文章として再現させてくれています。
彼らの記録については、イザベラ・バードによる
褒め言葉ばかりに焦点が当てられがちですが、
本書では肯否両論とも取り上げられている
点が実に好ましいです。